あまのじゃく人間へ の商品レビュー
「沈黙」や「海と毒草」を読むと、その問題提起の深さや重厚さに、無口で思いつめたタイプの人物像を思い描いていたが、本作を読むと、テレビ好きで、意外と昭和的価値観のおじさんだということがわかる。深刻さとユーモアのバランスが絶妙。それが本作でも言及のある「二重人格」ということなのかもし...
「沈黙」や「海と毒草」を読むと、その問題提起の深さや重厚さに、無口で思いつめたタイプの人物像を思い描いていたが、本作を読むと、テレビ好きで、意外と昭和的価値観のおじさんだということがわかる。深刻さとユーモアのバランスが絶妙。それが本作でも言及のある「二重人格」ということなのかもしれないけれど。 ジェンダー観がとても古いのはそういう時代だったからだと思うが、もし遠藤周作が今も生きていたらどのようなエッセイを書くのか読んでみたかった。
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遠藤周作の話は、ある宗教観から社会を観ていると思う。 本文より 東洋の医学と武道が意外に一致していることに、昔から疑問を抱いていたのですがその根本は息の使い方、つまりは呼吸にあったというわけです。p98 だいぶ前の出版のはずなのに、話題も新鮮ですね。
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やっぱり遠藤さんのエッセイはよいな。私は小説よりもこっちのが好きだったりしている。読んでると、ほっとするし、心のすきまなくキュウキュウ詰まった部分が広がって、余裕になる。世界をすこし斜め上から見れる。遠藤さんのおちゃらけた一面、真摯な一面、どちらもあるから好きなんだなと思う。
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