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奇想の系譜 の商品レビュー

4.4

44件のお客様レビュー

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2012/09/29

わが国の近世絵画における「奇想」をテーマに、若冲ら6人の画家を取り上げ、その系譜を解き明かそうという試みです。初版刊行から40年たった今日でも読み継がれている名著ですね。

Posted byブクログ

2011/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者の辻先生について、 自分が結婚を世話した弟子に「早く身を固めろ」と言ったとか 伊勢神宮で迷子になったとかの 天然エピを目にしてからずっと気になっていた本。 読んでみたら、面白かった! 内容はもちろんなんだけど、語り口というか文章の切れ味にやられました。メロメロになりました。 こんな文才迸ってる人が伝説級の天然ボケとは…萌えるじゃないか… 取扱い作家は、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳。 『日本美術応援団』が好きな人には絶対オススメ! へうげものには岩佐又兵衛が出てきますが、 村木道重の子だっていうのは絶対へうげ設定だと思ってた。ゴメンナサイ。

Posted byブクログ

2011/06/07

現在の奇想画家ブームの火付け役の本。 今や主流ではありますが。 美術史のように堅苦しいものではなく、画家本人についてのエピソードや絵の解説なので、少しでも興味のある方なら読みやすい本だと思います。 奇想画家がお好きな方は、是非一読をお勧めします。

Posted byブクログ

2011/07/24

いまひとつ体調がすぐれなかったり天気がグズついたりで、美術館へ足を運ぶのがなんとなく億劫な日に読むと、いいイベントを開催中の美術館へ行ったような気にさせてくれる近世日本画美術の傍流解説本です。 著者・辻さんご自身も文庫版あとがきで書いておられますが、まさか若冲なんぞがこんなメジャ...

いまひとつ体調がすぐれなかったり天気がグズついたりで、美術館へ足を運ぶのがなんとなく億劫な日に読むと、いいイベントを開催中の美術館へ行ったような気にさせてくれる近世日本画美術の傍流解説本です。 著者・辻さんご自身も文庫版あとがきで書いておられますが、まさか若冲なんぞがこんなメジャーになるとは、思いませんでした。

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2010/10/03

 70年代にこの本を出したのは本当にすごいと思う。現在の若冲・蕭白ブームの立役者。(いいぞもっとやれ)  あっさりすっきり地味にこぎれいにまとまって侘び寂びであることが特徴のように思われてしまいがちな日本美術ではありますが、決してそんなことはない! と判りやすく面白く導いてくれる...

 70年代にこの本を出したのは本当にすごいと思う。現在の若冲・蕭白ブームの立役者。(いいぞもっとやれ)  あっさりすっきり地味にこぎれいにまとまって侘び寂びであることが特徴のように思われてしまいがちな日本美術ではありますが、決してそんなことはない! と判りやすく面白く導いてくれる入門書。  そしてこれを読んだら、是非に是非に、近くの美術館へ出かけることを勧めたいのです。まったく違った世界がそこにはあるはずですから!

Posted byブクログ

2009/10/04

歴史の闇に消えた絵師たちに、再び光をあてた名著。 時間がながれても、その奇想の世界は今も私たちに衝撃をあたえる。

Posted byブクログ

2019/01/02

歌川国芳香の相州江之嶋の図がすごい/歌川国芳の独楽の化物がすごい/歌川国芳の鬼若丸の鯉退治がすごい/曾我蕭白の花押がすごい/長沢蘆雪の四睡図がかわいい

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2009/10/04

まさに、奇想。おとなしく収まるなんて考えもしない人たちなんだろうな。自由なんていう言葉のないような時代に生きた自由な人たちだと思った。日本画への考え方が変わった。

Posted byブクログ

2009/10/04

この本は歴史的な背景や位置づけをわかってないとホントの評価はできない。若冲などがすでに十分に再評価された現状においては、どの程度価値があるのか判断が難しい。 しかし解説を読むと、その価値は高そうだ。淡々と既知のことが書かれているように見えて、当時一般にはほとんど知られていなかった...

この本は歴史的な背景や位置づけをわかってないとホントの評価はできない。若冲などがすでに十分に再評価された現状においては、どの程度価値があるのか判断が難しい。 しかし解説を読むと、その価値は高そうだ。淡々と既知のことが書かれているように見えて、当時一般にはほとんど知られていなかったことであったりする。そこには著者と読者の知識に相当のギャップがあるのだろう。 自分には絵を見る目はないが、若冲の絵を見るにつけ、なぜかルソーを思い出していた。思いもかけず指摘された類似性に、案外的外れじゃなかったのかと嬉しくなったな。 あと、蕭白かっけぇ。 (2007/10/3)

Posted byブクログ

2013/11/01

(2006.03.05読了)(2006.02.28購入) この本の初版は、1970年3月に美術出版社から出版され、その後、1988年6月にぺりかん社から刊行され、2004年に文庫として出版された。 近年、長沢芦雪、岩佐又兵衛、曾我蕭白の絵を見たのだけれど、活字人間としては、本で読...

(2006.03.05読了)(2006.02.28購入) この本の初版は、1970年3月に美術出版社から出版され、その後、1988年6月にぺりかん社から刊行され、2004年に文庫として出版された。 近年、長沢芦雪、岩佐又兵衛、曾我蕭白の絵を見たのだけれど、活字人間としては、本で読まないと落ち着かない面があるので、「ニューヨーク・バーク・コレクション展」の会場で販売していたこの本を入手して、読みました。 取り上げられている画家は、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若沖、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳の6名です。 図版も多数入っていますので、既に見たことのある人は、作品の確認になりますし、見たことのない人は、どんな絵を書いているのかを見ることができます。きっと本物を見てみたいと思うでしょう。 ●岩佐又兵衛 岩佐又兵衛は、摂津伊丹城主荒木村重の子として1578年に生まれました。岩佐は、母方の姓です。 絵巻物「山中常盤」「堀江物語」「上瑠璃」について詳細な解説があります。 「山中常盤」は、現在MOA美術館に所蔵されているということですが、昭和3年にドイツ人の手に渡る寸前のところを、当時第一書房の長谷川巳之吉氏が、家を抵当にし、電話や浮世絵のコレクションなどを一切合財売り払って得た金で手に入れたということです。海外へ渡った作品もたくさんありますが、かろうじて日本に残ったものもあるということになります。 「山中常盤」の絵の凄さは、この文庫本の表紙をめくるとすぐカラーの図版が目に入りますので、是非本屋で見てください。きっと驚きのあまりすぐ本を閉じてしまうでしょう。心臓の弱い方は、この本を手に取る事は止めてください。危険です。 岩佐又兵衛は、千葉市美術館の展覧会で、絵巻物「山中常盤」「堀江物語」など、たくさん見せてもらいましたが、出光美術館などでも見ることができます。 ●曾我蕭白 蕭白は、渋谷区松涛美術館で、「群仙図屏風」を見せてもらいました。日経「美の美」のコラムで見て以来、何年も本物を見てみたいと思い続けた屏風絵でした。一度見たら虜になってしまう絵です。「石橋図」は、今年、バーク・コレクション展で見ました。 北斎の富嶽百景もかなり大胆な構図を使いますが、これはもっと凄い。獅子の群れが崖を駆け上っている!絵の前であきれてしまいました。 ●あとがき 日本のコレクター、専門家諸氏の大多数が、この本に出てくるような作品を、えげつないと袖にしている間に、それらがどんどん海外へ渡っているという現状であって、例えば、若冲、蕭白、芦雪、米山人など、魅力的な作品が古美術市場に現われると、アメリカの熱狂的なファンの手に帰してしまう。代表作を見たいのならどうぞアメリカへということになっても、やはり後々困りはしないかと思うのである。 著者 辻 惟雄(つじ のぶお) 1932年 名古屋市生まれ 1961年 東京大学大学院博士課程中退(美術史専攻) MIHO MUSEUM館長 (「BOOK」データベースより)amazon 意表を突く構図、強烈な色、グロテスクなフォルム―近世絵画史において長く傍系とされてきた岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳ら表現主義的傾向の画家たち。本書は、奇矯(エキセントリック)で幻想的(ファンタスティック)なイメージの表出を特徴とする彼らを「奇想」という言葉で定義して、“異端”ではなく“主流”の中での前衛と再評価する。刊行時、絵画史を書き換える画期的著作としてセンセーションを巻き起こし、若冲らの大規模な再評価の火付け役ともなった名著、待望の文庫化。大胆で斬新、度肝を抜かれる奇想画家の世界へようこそ!図版多数。

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