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蒼穹の昴(4) の商品レビュー

4.3

241件のお客様レビュー

  1. 5つ

    110

  2. 4つ

    76

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    2

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2021/07/04

光緒帝は近代化のための改革「戊戌の変法」を進めようとする。世界史知識では戊戌の変法は保守派に潰された。これは正しいが、戊戌の変法を進める側にも無理があり、潰れるべくして潰れた感がある。改革は難しいと感じた。 保守派のクーデターにより、譚嗣同は処刑された。これは史実であるが、物語の...

光緒帝は近代化のための改革「戊戌の変法」を進めようとする。世界史知識では戊戌の変法は保守派に潰された。これは正しいが、戊戌の変法を進める側にも無理があり、潰れるべくして潰れた感がある。改革は難しいと感じた。 保守派のクーデターにより、譚嗣同は処刑された。これは史実であるが、物語の中では死ぬ必要があったのかという感がある。主要登場人物達が結ばれるために必要な出来事となるか。 最後に毛沢東が出てくることに驚かされた。そこにつながるのかという感じである。毛沢東は清朝の時代に生まれ育った。毛沢東の問題意識としては資本主義よりも前近代の封建社会・権威主義の弊害の方が大きいだろう。それ故に、ここで毛沢東につなげることは上手い。

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2021/06/11

貧しき糞拾いの子供と農村の庶子から科挙に挑んだ若者がそれぞれ宦官の道と官吏の道に進み昴の星を目指すというサクセスストーリーのような単純な物語ではなかった。 アヘン戦争など列強からの侵食に圧され徐々に力を失う清朝末期において、旧態依然とした皇宮内の守旧派(西太后)と改革派(光緒帝...

貧しき糞拾いの子供と農村の庶子から科挙に挑んだ若者がそれぞれ宦官の道と官吏の道に進み昴の星を目指すというサクセスストーリーのような単純な物語ではなかった。 アヘン戦争など列強からの侵食に圧され徐々に力を失う清朝末期において、旧態依然とした皇宮内の守旧派(西太后)と改革派(光緒帝)による覇権争いを軸にした中国の歴史を興味深く知ることのできる時代小説。 とりわけ科挙と宦官という二つの独自の制度。その厳しさ厳格さ、出世のステップと、勝ち上がった先につかむことのできる権力の大きさ。また、明から清へと続く満人と漢人との関係をはじめ、満州人の中での愛新覚氏と葉赫那拉氏との対立など、名前は知っていてもその奥深さについては想像もつかない世界である。 アヘン戦争や日清戦争、義和団の乱や香港租借など歴史で習った単語や、李鴻章、袁世凱など歴史上の人物も重要な役割で登場。最後に毛沢東まで出てきたのには笑ってしまった。 どうやらこのシリーズはラストエンペラー溥儀の時代まで続くらしい。楽しみにゆっくり続読しましょう。

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2021/03/03

2021.2.25 偉い人の中で国民の事を考える人が少な過ぎ。 身内とか上司とかばっか。 登場人物全員に小野不由美先生の12国記を読んでほしい笑

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2021/02/22

浅田次郎さんの小説はこれが初めて。 文庫本全4巻 清朝末期の混沌とした世の中で、人物の葛藤と醜さを美しく描いているように感じた。 このシリーズの中で印象に残るのは 「難しく考えるな、史了。知恵も力もいらない。やさしさだけがあればいいんだ。大地も空も時間も、すべてを被い尽くす...

浅田次郎さんの小説はこれが初めて。 文庫本全4巻 清朝末期の混沌とした世の中で、人物の葛藤と醜さを美しく描いているように感じた。 このシリーズの中で印象に残るのは 「難しく考えるな、史了。知恵も力もいらない。やさしさだけがあればいいんだ。大地も空も時間も、すべてを被い尽くすほどのやさしささえあればー」 という文。この混沌したなかだからこそ出てきた言葉なのか。はたまた… このシリーズの続刊があるようなので、読み進めたい。 浅田次郎にハマったかもしれない。

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2021/02/19

全四巻としてのレビュー。 長かった。歴史小説なので、サクサクと読めず、途中で中だるみしてしまった。 西太后は、歴史上の「清を滅ぼした悪女」というイメージが、自分の中であまりにも強すぎて固定観念として、この小説の中での人物像がどうしてもしっくりいかなかった。 春雲は自身の力で運命を...

全四巻としてのレビュー。 長かった。歴史小説なので、サクサクと読めず、途中で中だるみしてしまった。 西太后は、歴史上の「清を滅ぼした悪女」というイメージが、自分の中であまりにも強すぎて固定観念として、この小説の中での人物像がどうしてもしっくりいかなかった。 春雲は自身の力で運命をも変え、ついにはお宝を手にするが、家族や友人や大事な物など、失ったものも多く、願いが叶っても悲しい人生だと思う。

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2021/02/07

最初は、自分には苦手な分野の話かなと、敬遠してましたが、結局、どハマり。どんな展開になっていくのか、ハラハラしながら、涙しながら読み切りました。  歴史を背景に、飽きさせない展開、脚色、少しファンタジー、フィクションだろうが、全て事実だったんじゃないだろうかと、そんな感覚でした。...

最初は、自分には苦手な分野の話かなと、敬遠してましたが、結局、どハマり。どんな展開になっていくのか、ハラハラしながら、涙しながら読み切りました。  歴史を背景に、飽きさせない展開、脚色、少しファンタジー、フィクションだろうが、全て事実だったんじゃないだろうかと、そんな感覚でした。  良い本に出会えました。ありがとう。

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2021/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

後半まではおもしろく読んだが、帝と珍妃の営みの後のくだりや文秀の玲玲に対する理不尽な暴力などの描写が不快で冷めた。 李鴻章がロンルーをやりこめるところは痛快だった。

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2021/01/06

近代史は学生時代の歴史の授業では「時間切れ」になってしまってきちんと勉強をしなかったので、正直、知らないことも多い。けれど個人的に、世界がどのようにして二度の世界大戦に突入していったのか、そして、あの時代に人々は何を考えどう生きたのかに興味があり、Nスぺや映画、あの時代を舞台にし...

近代史は学生時代の歴史の授業では「時間切れ」になってしまってきちんと勉強をしなかったので、正直、知らないことも多い。けれど個人的に、世界がどのようにして二度の世界大戦に突入していったのか、そして、あの時代に人々は何を考えどう生きたのかに興味があり、Nスぺや映画、あの時代を舞台にした小説などを見たり読んだりしてしまう。リアルな戦闘シーンや残虐なシーン等は怖すぎて無理なのだけれど、ああいう時代を生きた人たちがいて私たちのこの今があるのだということを知り、平和の有難みを感じることは、現代を生きていく上でとても意味のあることだと思う。 この小説はもちろんフィクションで、ファンタジーめいたところもあるけれど、改めて歴史的事実とそこに至るまでの経緯(何が行われていたのか、どういう人たちが何をしていたのか等)を知ることができるという点においても、とても面白かった。実際はこの小説に描かれている通りでは無かったかもしれないけれど…それでも、歴史的事実として、守旧(西太后)派が改革(光緒帝)派を一掃し、皇帝を捕らえて追放するようなことが現実に起こったのかと思うと、不思議な気さえする。全て、派手でドラマチックな映画か小説のストーリーのよう。この後の展開もとっても気になる。

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2020/10/29

全4巻読了。 続編としてタイトルを変えた別シリーズが存在する(らしい)という事前知識があるためか、今巻で完結なのにも関わらず、物語が終わった気が全くしない。全く。(苦笑)。 もちろん、それが不満なわけではなく! 刊行時にリアルタイムで読んだなら十二分に納得がいくし、 今地点...

全4巻読了。 続編としてタイトルを変えた別シリーズが存在する(らしい)という事前知識があるためか、今巻で完結なのにも関わらず、物語が終わった気が全くしない。全く。(苦笑)。 もちろん、それが不満なわけではなく! 刊行時にリアルタイムで読んだなら十二分に納得がいくし、 今地点でも「ーーの昴」としての完結に異論は無い。 ただ、続編(らしきシリーズ)の存在を知ってしまったからには、 (巻末、終盤になって幼少時の毛沢東とか出されちゃったし) 壮大な物語の序章的な位置付けと捉えて、「次」を読むのが楽しみになった。 ★4つ、8ポイント。 2020.10.28.新。

Posted byブクログ

2020/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館への返却日が迫っていたので、パーっと読んでしまった。 ミセス・チャンの孫とおばあちゃんの会話は楽しかったな、4巻で唯一楽しい所だった。 文秀は日本に行ってどうなるのかな… 春児はどうなるのかな… 自分の利益ばかり考える人が多くいると国が壊れていくなぁと改めて感じた話でした。

Posted byブクログ