娘は娘 の商品レビュー
クリスティがメアリ・…
クリスティがメアリ・ウエストマコットの名で発表した作品のひとつ。母親の再婚問題を発端に母娘の関係が変化していく人間の心理を描いた作品です。推理小説のイメージが強いクリスティですが、こういう作品も書いたんだ、と思うと不思議な感じ。母と娘の関係だけど、女と女の関係という面も垣間見れて...
クリスティがメアリ・ウエストマコットの名で発表した作品のひとつ。母親の再婚問題を発端に母娘の関係が変化していく人間の心理を描いた作品です。推理小説のイメージが強いクリスティですが、こういう作品も書いたんだ、と思うと不思議な感じ。母と娘の関係だけど、女と女の関係という面も垣間見れて、女心って複雑だな、と思ってしまいました。
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ミステリーの女王アガ…
ミステリーの女王アガサクリスティが別名義で発表した純文学小説。固い絆で結ばれていた母と娘があるきっかけでバラバラになってしまう。
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本書は、推理小説では…
本書は、推理小説ではないのでご注意ください。純粋な心理小説ですよ。再婚問題をテーマに、母と娘の心理が深く繊細に描かれています。そこいらの心理小説よりは楽しく読めました。
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クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた一冊。この作品群はとにかく登場人物の内面が他作品以上に深く描かれているのが特徴。 夫に先立たれたアンは、娘のセアラに無償の愛を注いでいた。あるとき、セアラが三週間のスイス旅行に出掛けている間にアンは自分と同じく配偶者に先立たれた悲しみを背負って生きるリチャードと出会い、たちまち恋に落ちる。しかしスイスから帰ってきたセアラはリチャードを毛嫌いし、二人の結婚を認めようとしない。リチャードはリチャードで、そんな態度を取る近い将来継娘になるはずのセアラを拒絶する。 母親には女性としての幸せを求めることは許されないのかと苦悩するアン、突然現れた継父に「お母さんの幸せを考えてあげないといけない」と説教され反発するセアラ、継娘に拒絶され、アンが間を取り持ってくれるわけでもなく苛立ちを募らせるリチャード。 それぞれの苦しい胸の内がこれでもかと深掘りされている。 リチャードとセアラの板挟みになったアンはリチャードとの結婚を諦め、ついに壊れてしまう。何もかもがどうでもよくなり、ただ目の前の快楽に溺れるアンがあまりにも哀しい。 アンが結婚を諦めざるを得ないほどセアラはリチャードを嫌っていたのに、当のセアラはあっという間にリチャードのことなど忘れてしまう。また、アンがリチャードとの結婚を考えていた時は頑なに家を出ることを拒んだのに、騒動が過ぎれば家を出たいと言い出す始末。セアラへの不満が募るのに、「娘だから」「愛しているから」と自分の本心に蓋をし続けたアンの気持ちを考えると苦しくなる。もちろんセアラも含め登場人物の誰もがそれぞれに葛藤を抱えながら生きているが、それでもやはりアンがあまりにも不憫。そのため、アンがセアラにぶつけた憎しみの言葉はそこまで残酷とは思えない。 ただその部分を深く考えてみると、セアラがリチャードに厳しく当たったのは、「自分の娘にはまともな人を結婚相手に選んで欲しい」と考える世の母親に対する強烈なカウンターにも思える。 最終的に母娘は和解し、今まで何もかも母や他人のせいにばかりして生きてきたセアラが地に足をつけしっかり生きていこうと決意するので、その点は救いかもしれない。家族とは言えそれぞれが自我を持った一人の人間。甘えから、家族であればどんなきつい言葉をぶつけても大丈夫というわけでは決してない。 何をやらせても駄目なジェリーが母娘の関係の在り方も含め意外に常識人なのと、クリスティー作品の中に出てくるある種の秩序を形成する役割を担うローラとイーディスのキャラクターがとても魅力的。
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【ノンシリーズ】 シングルマザーのアンは人生の全てを注いで一人娘を育てきた。しかしアンの再婚問題を機に母と娘の関係が変わってくる…。 「母親の目線」で読むか、「娘の目線」で読むかによって思う事も変わってくる。 自分も娘がいる母親だし、かつては娘だった時代もあるので、両方の気持ち...
【ノンシリーズ】 シングルマザーのアンは人生の全てを注いで一人娘を育てきた。しかしアンの再婚問題を機に母と娘の関係が変わってくる…。 「母親の目線」で読むか、「娘の目線」で読むかによって思う事も変わってくる。 自分も娘がいる母親だし、かつては娘だった時代もあるので、両方の気持ちがよくわかるので面白い。 再婚を決めた男性のことをどう思うか? 娘が好きな男性を親として許せるかどうか? この2点は読者それぞれの価値観によって違うと思う。 古い友達と長年仕えるメイド、この2人の頼れる老女が精神安定剤みたいで安心する。 クリスティー自身もこの作品と同じように、娘がいて14歳も年下の男性と再婚してるので、ここまで繊細に描けるのではないかと思った。 読後感は『春にして君を離れ』と同じ。 読み終わった後に考えさせられる本が好きなので、こういうのも大好き。 いつものミステリーっぽくない、こういう作品もあるからクリスティーは飽きないんだよなぁ。
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これはまた、『春にして君を離れ』とは違う意味で痛い本でした。 何事もなければ胸を張って言えるのですよ、「自分のことより子どもが大事」。 でも、つかず離れずを装っていながら、実は互いに相手の存在に頼っていた母と娘のどちらかが、違う世界に踏み出そうとしたとき、自分のもとに引き留めようとしたくなるのは自然な流れ。 だけどお互いに自覚がないから、自分のためではなく娘(母)のために、何かをしてあげている気になっている。 寂しさや絶望をその瞳に浮かべている相手のことなんて、見もしない。 ”家の整頓、使い走り、(中略)そうしたこまごまとした用事をアンは当然のことのように忠実に果たした。娘は両親に仕えるために生きているので、その逆ではなかった……(中略)子どもが親に仕えようが、親が子どもに仕えようが――人間対人間の根本的関係にはいささかの変わりもない。” だが、アンが娘のために再婚を諦めた途端、娘のことがかわいいけれども憎い存在になったっていうのはわかる。 何といってもセアラはまだ19歳。 大人ぶったって大人ではない、とアンは突っぱねるべきだったけど、現代っ子の娘とおとなしい母親は往々にして親が意見を引っ込めがちだ。 だけど、再婚したいほど好きな男性を娘のためにあきらめた…娘のせいであきらめざるを得なかった…というのは、本人が思うよりも傷が深い。 セアラはセアラで、なぜ母が自分を憎んでいるかのように接するのかが理解できない。 自分が結婚をぶち壊したこと、当初こそいいことをしたと得意になっていたが、すぐにそんな事すら忘れてしまう。 母に見捨てられたかわいそうな私は、誰かと結婚でもしてこの家を出て行かなければならない。 拗れるにいだけ拗れた母と娘の仲だけど、一度腹を割ってぶつかったらあら不思議。 憎しみはどこへやら。 だって何があっても、娘は娘だもの。 めっちゃ刺さるわ、この話。 でも、今どきは親子の間とはいえ、一方的に仕えるのは無理筋だと思う。
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依存と書いてあったが、共依存というものなのだろうか。 麻薬依存を断つことができたところで、母親への依存も断ち切れた。 母娘の依存を断ち切る過程がさらっと書かれているのが、物足りなく感じた。 再読したい。 春にして君を離れが気に入ったので、こちらも読んでみた。 今回は意外にハッピーエンド。 という事は、春にしてもハッピーエンドなのかもしれない。 NHKBS番組の作家達の感想を見てからだったので、人は簡単に変われないと勝手に私がラストを決めつけてしまっていたのかも。 殺人はおきなくても、普通にその辺にいる人達だけで充分怖い。
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娘は娘 アガサ・クリスティ メアリ・ウェストマコット名義のクリスティ小説⑤ *☼*―――――*☼*――――― この母娘、「娘は娘」というか「母が母なら娘も娘だな」っていう、どっちもどっちというのが最終的な感想だけど、2人が良ければそれで良しなのかは疑問。 第1部 娘が居ない3週間で恋に落ちて結婚を決めるって、帰ってきた娘にすると反対もしたくなる気持ちは分かるけど、結局はセアラが何と言おうとアンが決めることで、セアラとコールドフィールドの喧嘩の中で彼はアンが逃げていると言ったけど、結婚相手である当事者のアンが話の中に入らないのはやっぱりおかしいと思った。 第2部 アンが喋ってるだけで終わってった。なんか読んでるだけでちょっと疲れたし、セアラを放ったらかしで毎晩遊んでるアンが心配だと思う反面嫌いだった。第1部から好感のあったローラやイーディス、芯があってとても良い助言をしてるんだけど、この2人を蔑ろにしてるのは、読んでて気分が悪くなった。 第3部 セアラのせいでコールドフィールドと別れたのだという、子を持つ母が再婚に踏み切れない理由としてはありがちなようだけど、ただ気に食わないだけで反対してたのならセアラも悪い。ただアンは人のせいにしすぎだし、人が全部やってくれて決めてくれて楽をしようと言うのがローラやイーディスとの会話で分かってる。第2部からアンがセアラについて無関心かと思える程だったので、例え喧嘩になっても話し合えて良かったと思う。 第1部でアンが結婚を決め、セアラが戻ってくる時に「先に結婚式をあげておくべきだった」というイーディスの言葉が私の中ではすごく残ってる。娘が居ない間に勝手に?という思いもしたけど、その後の2人の関係を思うとイーディスはこれを予期してて、長年仕えてきて当事者以上に分かってた。この話の中でイーディスが1番好き。 2022/07/19 読了(図書館)
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アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコットの名で書いた母と娘の物語。 娘の名付け親であり、母の友人でもあるローラの言葉が良い。淡々と語るその内容は、アガサ・クリスティーの考えそのものなんじゃないかしら。 人間は結局のところ、自分自身しか道連れはいない、女は中年から開花する...
アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコットの名で書いた母と娘の物語。 娘の名付け親であり、母の友人でもあるローラの言葉が良い。淡々と語るその内容は、アガサ・クリスティーの考えそのものなんじゃないかしら。 人間は結局のところ、自分自身しか道連れはいない、女は中年から開花する、仕事は自分自身から逃避する有効な手立てだということ、一つ一つが身に染みる。
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2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。訳者あとがきあり。解説は児玉数夫(映画評論家)。第2章までが前振りで第3章で大きく物語が動く。第3章のきっかけは『愛の重さ』ほどは唐突でない。最後は主人公たちへの思いやりで終わり、うまくまとまったか、という感じである。 訳者あとがきあ...
2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。訳者あとがきあり。解説は児玉数夫(映画評論家)。第2章までが前振りで第3章で大きく物語が動く。第3章のきっかけは『愛の重さ』ほどは唐突でない。最後は主人公たちへの思いやりで終わり、うまくまとまったか、という感じである。 訳者あとがきあり。解説のタイトルは『クリスティー映画が日本の銀幕に初登場したころ』
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