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きれぎれ の商品レビュー

3.5

112件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    1

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2012/05/18

町田氏の作品は初です。 独特なリズムに乗れさえすればずんずん読んでいけるタイプの文体。 大きく期待していなかったせいか、とてもおもしろく読めた。 「きれぎれ」の終わり方がとても好みで、気持ちがほろっとした。

Posted byブクログ

2012/04/18

一度目はいまいち話に入り込めなかったので、続けてもう一回読んでみると頭がきれぎれ仕様になってきたのかすごくおもしろかった。 私はどちらかというと一緒に収録されている「人生の聖」の方が好きだった。

Posted byブクログ

2012/01/29

『男の声は、ぴーぎー云う音にかき消されがちで、ぴーぎー第四十九回ぴーぎー…ぴーぎーでは…を記念いたしましてピーぎー…ぴーぎー昨年の…苔野壱念さんごふぴーぎー…によるピーギーおめでたい鶴亀のピーギー…をお願いしまピーギー…、と何を云っているのかよく分からない。ピーギー。』 『どう...

『男の声は、ぴーぎー云う音にかき消されがちで、ぴーぎー第四十九回ぴーぎー…ぴーぎーでは…を記念いたしましてピーぎー…ぴーぎー昨年の…苔野壱念さんごふぴーぎー…によるピーギーおめでたい鶴亀のピーギー…をお願いしまピーギー…、と何を云っているのかよく分からない。ピーギー。』 『どうすんだろうねこの店。という目で俺を見るから、そら俺だって腐る、ええええそうですとも。そら俺のやってることは褒められた事じゃないかも知らんが、貴様に云われる筋合いじゃねぇぜ、それにアルサロなんていまはもうねぇんだよ。と言い返したくもなる。しかし席が席だし、向こうだって口にして云ったわけではなく、そういう目をしているだけなので、俺も言い返すことができない』 『あなたの目は死魚のようだ。あなたは穢れそのものだ。わたしに触れるな。わたしの名を口にするな。あなたは生涯、恐怖と汚辱のなかで呪われる。立ち去れ偽善者。立た去れ部外者』 『俺もパン屋を馬鹿にするみたいないい方されて、ついかっとなっちゃってさあ、斧で女房の頭を ー いや、柄のほうで』 『猿橋は、「ど、どう思う?」と心配・不安げな口調で感想を聞く。素直に、ヘドロに古ブラシを混ぜて食っているような味だ、と答えると、猿橋は、「やっぱりそうか」と暗い口調で云った。』 『あなたの脳を誰かが鍋に入れている! このままでは僕らは終わります』 『いったいなんのためにそんなことを?』 『おそらく誰かがあなたの脳と白子と間違えたのでしょう』 『「執行補助52迄未経験可固給47万20円出来高歩合有交給梵語優遇社団法人法務執行会44218(1)8184」というのが目にとまった。字面からなにかいい感じ、未来が開けるようなものを感じた。』 『婆さん、歳はいくつだい?』 『百八つ』 『あんらーまー。そうかい、元気だねー。何年の生まれ?安政三年?』 『空が真っ黒になっていた。強風が吹いていた。凶風が吹いていた。』 『その個人の純粋な悲しみのようなテロル。魂のテロル。純粋テロリスト、通称純テロ。純トロのようで格好いいね。』 『よかった。脳が透けててほんとよかった。後は俺の独り舞台。』 『まあ、僕はコーヒーのことをちょっとひねってコルヒと言ったのだが、そういう言葉の遊びが分からぬような鈍感な女は駄目だね。じゃあ、分かるように云ってやるよ。カァフィーを呉れ給えよ。いや、それともビアにするかな。ビールじゃないよ。ビア』 『おまえは才能がない。根性もない。性根も据わらないただのガキだ。おまえが理屈を言うのは百万年早い。なにかいわれたら無条件にはいといえ。相手が外人だったら、イエッサーといえ。』 『理不尽な叱責をされて土砂降りの雨の中、傘を買うタイミングを失し続けて帰宅した時点で俺は肉体疲労児、精神困憊児。』 『人生というものは、複数の原因と結果が美しい幾何学模様を描いて交錯、重なったポイントが発光して輝くものだと思っていた。』

Posted byブクログ

2011/12/08

この小説には人生の教訓とか啓示的なものが無い。文体も流れるような非常に独特なものなので、活字であるにもかかわらず何も考えずに頭を空っぽにして読むことができる。ただし人を選ぶかな。なんとなく女性は苦手そう。

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2011/09/30

2011年の本、44冊目。 仕事で疲れていたので、ひさびさに町田康を補充。 うん、やはり補充という表現がしっくりくる。 人生の聖 が再読すると、別の読み方ができて面白かった。 頭代課長。 法界さん。 鰓菱金吾。 そういうことか!とわかったりわからなかったり、 そんな繰り返...

2011年の本、44冊目。 仕事で疲れていたので、ひさびさに町田康を補充。 うん、やはり補充という表現がしっくりくる。 人生の聖 が再読すると、別の読み方ができて面白かった。 頭代課長。 法界さん。 鰓菱金吾。 そういうことか!とわかったりわからなかったり、 そんな繰り返しが気持ちよかったり。

Posted byブクログ

2012/01/11

読み終わったけど、町田康 先生の文体リズムに、乗り損なってしまった。ちょっと間隔開けて、再読します。

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2011/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 遠ざかる感じ。落とし込むのではなく。饒舌がつるつるつると滑っていく、滑るところは滑るに任せておく、いい加減というわけではない、滑ろうとしているものをきちんと書いてしまう方が楽に決まってるのだから。きちんとしないまま滑っていくのを、体に繋ぎとめて文字にするというか、だから遠ざかるというか。わけはわからないのだけれどそれでもよかった。「きれぎれ」は楽しい。「人生の聖」は、じりじりきた。

Posted byブクログ

2012/01/19

まったく、2008年の6月とかに読んでいるじゃねえか。そーゆーの無くすためにブクログつけだしたんじゃねえのか、と、オレ、虚空の片隅に悪態をつき麦酒をあおり

Posted byブクログ

2011/08/18

混沌とした思念を、よくここまで活字にできるものだと感心し、自分もよく読んだと満足した。他人には薦めないけれど、町田康作品に限らず、自分から遠いものでも読んでいけるように成長していきたいと思う。

Posted byブクログ

2011/09/17

きれぎれな思念が漂って、妄想と現実の区別がつかない。 曼荼羅図の中の大きい俺や小さい俺が青空に円形に展開─このイメージが、ラストのデパート屋上の観覧車に重なった。 この時こそが、読み手の悦び。 あぁ難解な…と思いながらも最後まで読んでしまう魅力的な文章。 SFのような太宰のような...

きれぎれな思念が漂って、妄想と現実の区別がつかない。 曼荼羅図の中の大きい俺や小さい俺が青空に円形に展開─このイメージが、ラストのデパート屋上の観覧車に重なった。 この時こそが、読み手の悦び。 あぁ難解な…と思いながらも最後まで読んでしまう魅力的な文章。 SFのような太宰のような、不思議な小説2編。 表題作「きれぎれ」は、なんとなく映画の『バニラスカイ』を思いだした。

Posted byブクログ