反乱のボヤージュ の商品レビュー

野沢尚(著者)

2009/10/04

「青春小説」という惹句で少し引いた（笑）。
首都大学（東大か？）の学生寮の取り壊しを軸に、寮生達に降りかかる
さまざまな事件と、それを乗り越えることにより成長してゆく過程を描く。
個々の寮生にさほどの個性は無いが、大学側から送り込まれた寮監の元機動隊員
が非常に責任感のある大人で格好良い。

2009/10/04

父親、というものがこの本の中にはいました。そして作者の望む若者の在り方も。ドラマが好きで何度観ても最後のシーンで泣けるんですが、原作もなかなかよかったです。特にキクさんがさっぱりして、でも愛があっていい。もっともっとこういう青春群像みたいなものを残して欲しかった。

2009/10/07

熱い。世の中に文句言いたくなることとかって昔はよくあったのになぁ。最近そういうのがない。それが大人なら大人ってつまんないね。

2009/10/04

　首都大学のオンボロ弦巻寮に住む坂下薫平。ことあるごとに難癖をつけ、弦巻寮を廃寮しようとする大学側は、弦巻寮の舎監として元警察官の名倉を送り込む。そんななか、寮生たちのまわりではストーカー問題や借金事件などがおきるが。
　一言で言ってしまえば青春小説なのですが、ありがちな自分探しや色恋沙汰よりも、「親子関係」というものに力を入れているようです。それは薫平だけでなく、奈生子や麦太についてもいえます。
　実は、僕も学生時代に弦巻寮の様な大学の寮で暮らしていました。ご多分に漏れず廃寮問題のようなものもあり、自治権の尊重の確認から始まる大学側との交渉も体験してきました。それだけに、薫平たちがどのように対抗していくのか、とても興味がありました。少し人とは違う読み方でしょうが。
　最終的に思ったのは、人間は１人であり、１人ではいられないということ。一致団結しているように思えても、その心の裏には様々なものがあり、団結には温度差がある、といっても人間は孤独にたった一人で生きていくことはできず、誰かを頼ろうとし探している。そんなことを思いました。