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中国の大盗賊・完全版 の商品レビュー

4.3

36件のお客様レビュー

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2012/02/19
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歴史を淡々と述べているのではなく、盗賊という見方や、つまりどうゆうことかとわかりやすく書いています。元にしている資料もはっきり当てにならない、中国ではこうゆう風に評価されているけど、現実は違うときっぱり書いていて読みやすかったです。この本を読んだ後では、現在の中国の「即死刑」の風潮もわかる気がするし、一人っ子政策もある意味「盗賊防止策」なのかなと思ってしまいます。(そうは書いていませんが)中国の歴史をサッと要点をまとめて読めると思います。

Posted byブクログ

2012/02/03
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中国歴代王朝の殆どは盗賊による創業だ、 というユニークな視点から迫る中国王朝史。 漢の高祖劉邦から現中国共産革命の祖毛沢東までを 大盗賊だと宣うのだから痛快な書ではある。 先ず、著者は盗賊の発生する要件を 氏族社会と近代資本主義社会との中間段階にある農業社会とする。 農村の過剰人口が盗賊の発生母体だ。 農村地域に、働き場のない、あるいは働いても食えない人間が、不断に、また大量に発生する。彼らは流れ歩く閑民となり、盗賊となる。 中国には、大昔から20世紀の今日に至るまで、常に盗賊がいた。 その彼らが権力争いの表舞台へと勇躍登場しては歴史を作ってきたのだ。と。 彼らへの呼称は、単に「盗」といい、また「賊」ともいい、また「寇」ともいう。 清代以後には「匪」とも。 曰く、山賊、海賊、水賊、馬賊、妖賊、教匪、流賊または流寇、土賊、などなど、 活動場所や行動様式によって呼称が異なる。 漢の高祖、劉邦 明の太祖、朱元璋 清王朝の、李自成 太平天国の、洪秀全 そして共産革命の、毛沢東 これら建国の祖はなべて盗賊から出て王朝の開祖となったのだ、という訳で、 各々、章を設けてその経緯をたどる。 1927年に毛沢東が作った中国共産党の軍隊は、中国歴史上の、盗賊の流れに位置づけられるべきもので、 それは、マルクス主義を信仰し、不平知識人が指導し、貧しい農民の味方を標榜する、一大盗賊団なのだ、と。 実際、毛沢東らが政権を取るまでは、「共匪」「紅匪」「毛匪」と呼ばれていたことからも、時の権力や一般の民からは、中国古来からの盗賊扱いの位置づけだったことがわかる、と。 中国独特の「革命」思想にも触れえて、成程そうかと肯かせる。 著者は中国文学のれっきとした学者であり、故なき論を展開しているのではなく、歴史の事実を踏まえたものだけに説得力はある。 まあ、肩の凝らない書ではある。

Posted byブクログ

2011/09/04

 一通り中国歴史上の人物が頭に入っていると痛快に読める。  中国の歴史は盗賊の歴史であり、それは起こるべきして起きていた・・・ 「ああ、なるほど俺もその立場ならそうするかも」と思わせる部分が随所にあり、中国と日本の生い立ちや考え方の違いを分かり易く書いている。  総合年表と地図...

 一通り中国歴史上の人物が頭に入っていると痛快に読める。  中国の歴史は盗賊の歴史であり、それは起こるべきして起きていた・・・ 「ああ、なるほど俺もその立場ならそうするかも」と思わせる部分が随所にあり、中国と日本の生い立ちや考え方の違いを分かり易く書いている。  総合年表と地図情報があればもっと読み易かったと思うので★を一つ減点。  

Posted byブクログ

2011/06/06
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 タイトルから、日本でいう石川五右衛門、フランスでいうアルセーヌ・ルパンのような大泥棒を思い浮かべがちだが、この本では劉邦や朱元璋のような国を盗った大盗賊が挙げられる。そういえば、この二人は農民出身で最初は片田舎の盗賊として挙兵した。  中国では農業からあぶれた者(閑民)が武装して盗賊となるのですが、それでは困るとして国が閑民を兵とすることがよくあった。しかし、この兵のほうが盗賊よりも徹底的に略奪するなどしたから厄介だった。  注目すべきは毛沢東。本書では彼も一地方勢力として旗揚げし、勢力を拡大して中国全土を支配したという点で、劉邦や朱元璋と同じような盗賊皇帝として描かれている。  毛沢東は勢力を拡大していく過程で  ・共産主義(正確に言えば共産党の全面肯定)を一種の宗教のように利用した ・共産党の幹部階級が贅沢な生活を送り、農民は共産党から土地や耕具を与えられ、謂わば共産党の農奴としてその土地を耕すという支配と被支配の関係が成立した ・「共産党は数億の人民に衣食を与えることに成功した」などの嘘が罷り通した(つまり国家による言論や情報の統制) ことから、中華人民共和国も、実は清以前の王朝時代と根本は変わらない(あえて言うなら共産党帝国)のかもしれない。

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2011/09/09

高島先生の中国の歴史学者たちに対する言葉が辛辣。「盗賊」という言葉の響きが、とっても悪いので、えっみんな盗賊だったの?といいたくなるが、でかい中国のことだから、盗賊もスケールが違うし、盗賊も正義に変化して、国を治めちゃうのです。すごいね。

Posted byブクログ

2011/04/24
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盗賊ってなんだろう?というところから始まり中国の大盗賊を紹介しています。勝てば官軍とか後付神格化とかの裏をみたら実は盗賊でしたとか、ヒーローと悪人ってとても紙一重なのねと。物語ではかっこよく書かれていても実際はこれかと思うとちょっと萎えますが、面白い本でした。

Posted byブクログ

2011/04/03

易姓革命などソレらしいことをいうが、言ったもん勝ちの後付の説明みたいなもんで、実際は、権謀術数と疑心暗鬼と大虐殺が満載の大盗賊たちの権力闘争。人間らしいっちゃぁ、実に人間らしい。 筆者は、史上最強の大盗賊は毛沢東だとして、こんなふうにバッサリと片付ける。 「つまり毛沢東の伝記の...

易姓革命などソレらしいことをいうが、言ったもん勝ちの後付の説明みたいなもんで、実際は、権謀術数と疑心暗鬼と大虐殺が満載の大盗賊たちの権力闘争。人間らしいっちゃぁ、実に人間らしい。 筆者は、史上最強の大盗賊は毛沢東だとして、こんなふうにバッサリと片付ける。 「つまり毛沢東の伝記の面白さは、共産党が人民を解放したの民衆が立ちあがったのというヨタを聞くのがおもしろいのではさらさらなくて、こいつの前では朱元璋も李自成もケチなコソ泥ぐらいに見えてくるという大盗賊が、中国をムチャクチャに引っかきまわすという、一般中国人にとっては迷惑千万の歴史が面白いのである。」(p259) 常にひどい目に合わされる庶民はたまったもんじゃないが、その分、中国人民がしたたかでアナーキーになるのも当然のことだろうと思った。

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2011/03/13

これ、すごく面白い本です。 タイトルにある「大盗賊」とは単なる泥棒のことではなく、もう大物中の大物で、皇帝にまで成り上がった人、あと少しで皇帝だったけど惜しくも戦いに敗れた人、革命を成功させた人という、そういうレベルの「大盗賊」です。 こんな中国史のヒーローをしれっと盗賊呼ば...

これ、すごく面白い本です。 タイトルにある「大盗賊」とは単なる泥棒のことではなく、もう大物中の大物で、皇帝にまで成り上がった人、あと少しで皇帝だったけど惜しくも戦いに敗れた人、革命を成功させた人という、そういうレベルの「大盗賊」です。 こんな中国史のヒーローをしれっと盗賊呼ばわりしてしまう、そんなドライなでユニークな視点が本書の面白さです。ちなみに本当に彼らはもともと盗賊だったので(史実です)、侮辱や中傷が目的の本ではありません。 一介の盗賊が成り上がって支配者になり、そして没するまでのエピソードが、一歩引いた視点からわかりやすく語られていて、歴史に詳しくない人でも十分に楽しめます。

Posted byブクログ

2010/12/13

[ 内容 ] 昔、中国に「盗賊」というものがいた。 いつでもいたし、どこにでもいた。 日本のどろぼうとはちょっとちがう。 中国の「盗賊」はかならず集団である。 これが力をたのんで村や町を襲い、食料や金や女を奪う。 へんぴな田舎のほうでコソコソやっているようなのは、めんどうだから当...

[ 内容 ] 昔、中国に「盗賊」というものがいた。 いつでもいたし、どこにでもいた。 日本のどろぼうとはちょっとちがう。 中国の「盗賊」はかならず集団である。 これが力をたのんで村や町を襲い、食料や金や女を奪う。 へんぴな田舎のほうでコソコソやっているようなのは、めんどうだから当局もほうっておく。 ところがそのうちに大きくなって、都市を一つ占拠して居坐ったりすると、なかなか手がつけられなくなる。 さらに大きくなって、一地方、日本のいくつかの県をあわせたくらいの地域を支配したなんてのは史上いくらでも例がある。 しまいには国都を狙い、天下を狙う。 実際に天下を取ってしまったというのも、また例にとぼしくないのである。 幻の原稿150枚を完全復元。 共産党の中国とは盗賊王朝である。 劉邦から毛沢東まで伝説の完全版がよみがえる。 [ 目次 ] 序章 「盗賊」とはどういうものか 第1章 元祖盗賊皇帝―陳勝・劉邦 第2章 玉座に登った乞食坊主―朱元璋 第3章 人気は抜群われらの闖王―李自成 第4章 十字架かついだ落第書生―洪秀全 第5章 これぞキワメツケ最後の盗賊皇帝―毛沢東 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2019/01/16

中国という国がどういう権力争いで今まで続き、そしてそれぞれの時代の王となったかを分かりやすく、史実を調べて書かれており、中国という国を理解するのには実に有用な本だと思った。 これを読めば、日本と本当に考え方や行動の仕方が違うのがこの国だからこそああなるんだという事に気がつく。 ...

中国という国がどういう権力争いで今まで続き、そしてそれぞれの時代の王となったかを分かりやすく、史実を調べて書かれており、中国という国を理解するのには実に有用な本だと思った。 これを読めば、日本と本当に考え方や行動の仕方が違うのがこの国だからこそああなるんだという事に気がつく。 ヒョッとしたらまだまだ中国は新しい王朝が現れて今と違う国がまた出来るのではないだろうかと思ってしまう(^_^;)

Posted byブクログ