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環境リスク学 の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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2011/01/17

友人に進められて読んだ。ナカナカ興味深い内容であった。 1970年代当時、工場排水は自治体で処理するのが普通であった 人間は1人の生死が問題、生物は種の絶滅をリスク評価 時と場所を得た人が知りえた事実を明らかにする 思想の違いを超えて認めることの出来る「事実」が大事 米国...

友人に進められて読んだ。ナカナカ興味深い内容であった。 1970年代当時、工場排水は自治体で処理するのが普通であった 人間は1人の生死が問題、生物は種の絶滅をリスク評価 時と場所を得た人が知りえた事実を明らかにする 思想の違いを超えて認めることの出来る「事実」が大事 米国では高リスクの仕事は給料が高い、日本はこの傾向がはっきり出ない 住民運動(市民運動)は粉砕するだけではダメ、自分たちの安全を守るためへの「提案」が必要 リスク予測を自分たちの責任で行う 1970年代半ばまで使われていた水田除草剤の不純物がいまだ(1998年ころかな?)に東京湾の底質に残っている リスク論;リスクの大きさを比較して小さい方を選ぶ。リスク回避にはお金がかかる。つまりリスクマネージメント(リスク管理)が必要になる。

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2010/04/29

中西準子さんが、「環境リスク学」という新たな学問分野を開拓するまでの過程と、その学問分野についての解説が書かれた本。 私たちの日常生活の中には様々なリスクが潜んでいるが、それらを直接的に認識する機会は少ない。また、そのようなリスクはマスメディアを通して伝えられることが多く、私た...

中西準子さんが、「環境リスク学」という新たな学問分野を開拓するまでの過程と、その学問分野についての解説が書かれた本。 私たちの日常生活の中には様々なリスクが潜んでいるが、それらを直接的に認識する機会は少ない。また、そのようなリスクはマスメディアを通して伝えられることが多く、私たちは科学的な裏付け無しにそのリスクを過大、あるいは過小評価してしまいがちである(最近では地球温暖化問題等)。リスクの定量化を目指す環境リスク学は、正しい政策決定が行われ、私たちが快適な日常生活を送っていくために不可欠なものであり、非常に意義ある取り組みのように感じられた。 もう一つ本書で詳細に描かれていることは、新しい学問分野を切り開く際に直面する数々の障害や苦しみ、悩みである。特に学界における新しい取り組みが、どのような困難に直面することになるかが描かれているため、学者を志す方にも参考になると思う。 中西さんが新しい分野を切り開くに当たって、最も重要だったことはデータに基づく強い信念であったことは言うまでも無い。ただ、少数ではあったものの、一部の方々からの力強い支えがあったということも見逃せない。自分自身も、そのような取り組みを行う人間、あるいはそれを支えることが出来るような人間を目指したい。

Posted byブクログ

2009/10/04

環境が与える目に見えない影響の大きさや性質を、目に見える形にする「環境リスク評価」で話題になった本。 人からおススメされて読んだが、いったいなぜ名著なのか…。 根っからの文系人間の自分には全然読みやすくなく、 論調も、人から何を言われようと自分はこうやって地道に頑張って成果出...

環境が与える目に見えない影響の大きさや性質を、目に見える形にする「環境リスク評価」で話題になった本。 人からおススメされて読んだが、いったいなぜ名著なのか…。 根っからの文系人間の自分には全然読みやすくなく、 論調も、人から何を言われようと自分はこうやって地道に頑張って成果出しました、のような、 「人と違って自分がすごい」という姿勢が見え隠れし、イラッとしてしまった。 学問的価値は素晴らしいのかもしれないが、全くの素人の自分には全然ダメな一冊でした。

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2009/10/04

リスクの実態がはっきりしない段階で、リスクとそのリスクに対処するリスクとを比較して、どうすれば一番適切なのか考えなくてはいけない、という提起は説得力あり。やたらと危機を煽るメディアも、とにかく全面的に禁止すればいいという当局も、どっちも正しい態度ではない。

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2009/10/04

環境問題に、「リスク」の概念を導入して、社会不安をいたずらに煽ることなく、注目されていない重大なリスクを見逃すことなく、バランスの取れた対処ができるよう研究を続けてきた著者の手による良書。 内容は、ダイオキシン、環境ホルモン、BSEなど、最近日本で社会不安を招いたもの。 研究者ら...

環境問題に、「リスク」の概念を導入して、社会不安をいたずらに煽ることなく、注目されていない重大なリスクを見逃すことなく、バランスの取れた対処ができるよう研究を続けてきた著者の手による良書。 内容は、ダイオキシン、環境ホルモン、BSEなど、最近日本で社会不安を招いたもの。 研究者らしく、データや調査方法を明示し冷静に解説してあるので、マスコミに踊らされてしまった人が読んでも抵抗なく受け入れられるはず。 不安だらけの世の中で生きていくために、ぜひ一度読んでおきたい本。

Posted byブクログ

2009/10/04

健康、安全に迷わず飛びつき、危険と聞くとよく見もせずに放り出すのはやめた方がいいんじゃないか。何だって、良い部分もあれば悪い部分もある。そろそろそんな当たり前のバランス感覚に生きる術を僕らは学ぶべきじゃないだろうか。

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2009/10/07

万人必読。不安を煽る「環境屋」に惑わされないために。(正解とは限らないにしても)合理的な判断をするために。専門家に任せず、自分で決めるために。

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2009/10/04

現代社会に生きるすべての人が読む価値がある本である。 著者は環境分野におけるリスク論を牽引してきた第一人者。第一章は、今春、横浜国大を退官する際の最終講義模様の再録。孤立にも圧力にも負けず、前人のいない世界を切り開いてきた学者の姿がここにはある。淡々とした記述だが感動を覚える。第...

現代社会に生きるすべての人が読む価値がある本である。 著者は環境分野におけるリスク論を牽引してきた第一人者。第一章は、今春、横浜国大を退官する際の最終講義模様の再録。孤立にも圧力にも負けず、前人のいない世界を切り開いてきた学者の姿がここにはある。淡々とした記述だが感動を覚える。第二章は、リスク論の基礎的Q&A。第三章以下はBSEや環境ホルモンなどを具体的な素材を掲げながらリスク論の思考方法について解く。個々の問題に対する評価については必ずしも著者に賛同しない方もいるかもしれない。しかし、ここで重要なのは、リスク論の本質をなす思考方式を理解することである。建設的な議論と自立した判断を行なうための基盤となる有力なツールがリスク論である。高邁な思想と高度内容を誰にも理解できる平易な表現で説いている。強く勧めたい。

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