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国盗り物語(四) の商品レビュー

4.3

120件のお客様レビュー

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    50

  2. 4つ

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2024/06/08

気になった箇所は史実を調べたり地図で確認したりして途中の寄り道を楽しみながら全巻読破。 第四巻は語り部である光秀の内なる葛藤がメイン。 光秀は信長の卓抜さを認めながらも有り余る才能と高潔すぎる精神ゆえに対抗心が怖れとなり決定的に溝を深めていく。 読み終わってからもつい考えてしまう...

気になった箇所は史実を調べたり地図で確認したりして途中の寄り道を楽しみながら全巻読破。 第四巻は語り部である光秀の内なる葛藤がメイン。 光秀は信長の卓抜さを認めながらも有り余る才能と高潔すぎる精神ゆえに対抗心が怖れとなり決定的に溝を深めていく。 読み終わってからもつい考えてしまう。 「もし本能寺の変が起きず信長が天下を取っていたら」、「その政権の中枢で光秀が辣腕を振るっていたら」・・・想像したらキリがない。 歴史に「もしも」はない。しかしその「もしも」をあれこれ想像するのも歴史を楽しむ要素の一つだろう。 したたかに「時代」を掴み乗りこなした鬼才・斎藤道三。 旧体制を破壊し苛烈に「時代」を駆け抜けた天才・織田信長。 「時代」と向き合いながらも愛されなかった秀才・明智光秀。 こんな個性豊かな人物たちが躍動した戦国の激しさと、英雄と時代を魅力的に表現した「司馬遼」作品の面白さを再確認。

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2018/02/04

最終巻。 斎藤道三の意志を受け継いだ織田信長と明智光秀、2人の争いを描いています。 そして本能寺の変が訪れる。 まさに大河小説!

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2017/12/12

信長が権力を手にするところから本能寺の変を経て、光秀が秀吉に討たれるまでのお話。歴史にたらればは禁物だが、もし光秀が謀反を起こさなかったらどうなっていただろうと考える。戦国の世も現代も、先に動いたものが勝つ。同時に周到な準備と分析、人心掌握術。起業に通ずるものがある。

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2017/10/27

久しぶりの司馬さんでした。30年くらい前に初めて読んだ司馬作品がこの本でした。30年ぶりの再読。司馬さんのあとがきの最後を見たら、もう50年以上前の作品なんですね!ちっとも色褪せない文章のうまさと心情描写、背景の説明は、やはり脱帽です。堪能しました。感謝。

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2017/05/18
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信長と光秀の物語の完結。浅井朝倉攻略~本能寺を一気に描いている。坂の上の雲に引き続きの司馬作品だが、こちらも時代を事例にしたマネジメント関連本を読んでいる気になり大変楽しい内容。 いつの時代も革新的なことを起こすのには既存の概念にとらわれない大胆な発想と行動力。 慣習や先例にとらわれず、延暦寺までを焼き尽くした信長は時代を変えるために行動し続けていたのがまさにそう。 儀礼や慣習に引きずられていては、革新が起こせないのは現代も同じだろう。 一方の光秀は己の美徳に従いすぎて、最後は秀吉に討たれてしまう。 優秀であったが、時代の潮目にあって天下を取るには懐古主義的でありすぎたと描かれている。 あとがきで細川藤孝に触れられている。 いつの時代も根回しが重要であることを学ぶ。

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2017/04/06
  • ネタバレ

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次第に不穏になっていく光秀と信長。 パワハラ上司にびくびくする部下、という現代人にも共感できる構図です。 ただ、光秀はただの社畜というわけではなく、確固とした野望があるというところが見ていて面白かったな。 確固とした自分があったからこそ、本能寺に至ったのだろう。 次第に不穏になっていく両者の描き方もさることながら、本能寺の前夜の葛藤するシーンは、特に圧巻。 全体を通して思い返すと、国盗り感は道三編に多くて、信長編は国盗りというよりは、人間関係を緻密に描いたヒューマンドラマだと思います。 わくわくと感動を同時に味わえる名作と感じました。

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2016/11/05
  • ネタバレ

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斎藤道三の国盗りの夢は、その2人の分身に受け継がれる。古典的教養を受け継いだ明智光秀。戦争や政治での機略と決断を受け継いだ織田信長。ふたりの分身の運命は交わり、最後は対立する。 主人公は前半は斎藤道三、後半は織田信長となっているけれど、後半の主人公は明智光秀といってもいい。智謀がありながらも、繊細な精神を持ったこの人物が、織田信長というサイコパス的人物とのかかわりのなかでいかに苦悩したか。その姿はあわれでありながら、なんか共感してしまう。

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2016/05/26

織田信長〈後編〉読了。 斎藤道三の物語から、その意志を継ぐ信長と光秀の物語へ・・・。 後半はほとんど光秀メインなのですが、終盤の彼の苦悩が手に取るように伝わってきて、読んでて辛かったほど。 信長も、光秀の性格ごと受け入れて好きになれていたら、彼自身も楽だったはずですよね。誰より...

織田信長〈後編〉読了。 斎藤道三の物語から、その意志を継ぐ信長と光秀の物語へ・・・。 後半はほとんど光秀メインなのですが、終盤の彼の苦悩が手に取るように伝わってきて、読んでて辛かったほど。 信長も、光秀の性格ごと受け入れて好きになれていたら、彼自身も楽だったはずですよね。誰よりも光秀の能力を認めていたのだから。。。「是非もなし」とか、本当せつないです。 この切なさが、読後に余韻として残ります。まさに名作。

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2016/04/18

司馬遼太郎没後20年を契機に、かつて読み残していた司馬遼太郎の長編を久々に堪能した。 斎藤道三から始まり、明智光秀、織田信長と続く、まさに天下統一という国盗り物語。 明智光秀は斎藤道三の配下であり、道三の娘で信長に嫁ぐ濃姫の従兄妹という関係を本著で始めて知った。しかも道三の遺...

司馬遼太郎没後20年を契機に、かつて読み残していた司馬遼太郎の長編を久々に堪能した。 斎藤道三から始まり、明智光秀、織田信長と続く、まさに天下統一という国盗り物語。 明智光秀は斎藤道三の配下であり、道三の娘で信長に嫁ぐ濃姫の従兄妹という関係を本著で始めて知った。しかも道三の遺志を継ぐ者としての「光秀・信長」として描かれている。 前半は法連房という乞食坊主から松波庄九郎になり、油商の奈良屋に婿入りし、奈良屋庄九郎、山崎屋庄九郎と名前を替えながら、美濃一国を取るまでの話。そして後半は明智光秀という目を通して信長の天下統一を描き、本能寺の変、山崎の合戦で終わる。 前半の斎藤道三の部分は資料が少ないこともあると思うが「時代小説」風なロマン溢れる物語として書かれ、後半部分は、後の歴史作家としての名声を確立する司馬遼太郎らしい「歴史小説」という傾向が強くなっていく。 特に後半の主人公は信長ではなく明智光秀。 光秀の目を通して見た織田信長という視点で描かれており、光秀の古い伝統的な思考方法との対比で、破壊者としての信長が一層際立って見える。こういう視点は流石と思う。 また、明智光秀という人物をここまでよく具体化できたなと感心する。

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2016/01/04

【読了メモ】(160104 15:56)司馬遼太郎『国盗り物語』第四巻 織田信長編 後編/新潮文庫/1971 Dec 20th/九十三刷 2007 Nov 10th

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