遺稿集 毒笑 の商品レビュー
タイトルが面白そうなので、読んでみました。 この本は一昨年夏、77才で亡くなった作家の遺稿集だそう。。。 初めて読む作家さん、なんだけど、 芥川賞候補にも、直木賞候補にもなったことがあるとか。。。 短編が10篇収録されているのだけれど、 どれも、年代を感じさせない文章で、読みや...
タイトルが面白そうなので、読んでみました。 この本は一昨年夏、77才で亡くなった作家の遺稿集だそう。。。 初めて読む作家さん、なんだけど、 芥川賞候補にも、直木賞候補にもなったことがあるとか。。。 短編が10篇収録されているのだけれど、 どれも、年代を感じさせない文章で、読みやすい。 「毒笑」では、建設会社の課長補佐が、自殺に追い込まれる、 「寂しい科学者」では、妻子と別居して暮らしていた科学者が、脳溢血で倒れる、 「消えた老人」では、いつも神社の境内のベンチに座っていた老人が、 突然、姿を消す。。。など、 どれも、社会の片隅で、小さな幸せを大切にしながら生きている人々を、 主人公とし、あたたかい目で見つめ描かれているのが解かる。 しかし、そこに忍び寄る影。。。 それが、物語の深みでもあり、切なさでもあり、どれも、心に残る作品。 地味。。。と言えなくもないが、落ち着いていて、 本格的というか、私は、すごく気に入った! 他の作品もぜひ、読んでみたいと思う。
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