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人はなぜ逃げおくれるのか の商品レビュー

3.7

43件のお客様レビュー

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2018/05/01

災害における人間の心理とは?という興味で手にとったものの、災害の心理学というよりも防災に軸足どころか両足をのせた一冊。 防災という観点から見れば、かなり硬めの内容で新書サイズによく収まっているので俯瞰しやすく読みやすい。昨日に読んだ『人は皆「自分だけは死なない」と思っている』と...

災害における人間の心理とは?という興味で手にとったものの、災害の心理学というよりも防災に軸足どころか両足をのせた一冊。 防災という観点から見れば、かなり硬めの内容で新書サイズによく収まっているので俯瞰しやすく読みやすい。昨日に読んだ『人は皆「自分だけは死なない」と思っている』と似たような内容ではあるものの、こちらの方が情報が整理されていてよく感じたが、やはり気になったのは心理学としての情報の少なさか。

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2017/12/22

地震や火災など、予期せぬ災害に遭遇すると人間はどんな行動をとるか。心理学的アプローチと過去の事例から、危険を回避する具体的な方策をアドバイスする。危険な時代を生き抜くための必読の書。(商品紹介より引用) ・防災のジレンマ 災害は、予知することはできない。しかし、防災をしなくては...

地震や火災など、予期せぬ災害に遭遇すると人間はどんな行動をとるか。心理学的アプローチと過去の事例から、危険を回避する具体的な方策をアドバイスする。危険な時代を生き抜くための必読の書。(商品紹介より引用) ・防災のジレンマ 災害は、予知することはできない。しかし、防災をしなくてはいけない。という第一のジレンマ。 また、災害発生後にも、防災をしていて効果があったのかどうかを示すすべはない。 という第二のジレンマ。 それでも、我々は防災に努力しなければならない。 ・災害時の家族の重要性 親は子のため、子は親のために自己犠牲を厭わない。その力が個々でいるよりも、生命存続には大切になる。 ・生き残ったことを誇ることのできる世の中に 海外では、災害を生き延びた人を「サバイバー」呼ぶのが、日本にはそれに相当する言葉がない。 日本では、「被災者」であり、「被害者」。特に、日本では生き残ったことに対する罪の意識が強い。 実際に世界中で起こった災害を例にしているので、時々その恐ろしさに背中がゾワっとすることが多々ありました。 防災とは、しなくてはいけないと思いながらも、出来ていないことNo.1ではないでしょうか。 滅多に起こることではないし、上記にあるように防災していたからといって、それが正しいことだったのかも分からない。 けれど、していなくて後悔するよりも、今できることは全力でしたいと私は考えます。 また、防災も大切ですが、゛忘災″してはいけない。とても、この言葉に納得した。 私自身は、関西在住で阪神淡路大震災のときは、まだ、赤ん坊でしたので、全く記憶はありません。 しかし、これからの残りの人生で何があるか分からない。地震かもしれないし、火災かもしれない。備えあれば患いなし。 防災を改めて考えるよいきっかけになる本でした。

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2016/09/05

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA65340030

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2016/07/12

自然は長大な歳月をかけて少しずつ変化してゆくが、人間の営みは環境を一気に変えてしまう。抑えつけたエネルギーは蓄積する。自然を整備するという発想は人類の大いなる錯覚である。エントロピーは増大する。秩序は必ず無秩序へ向かうのだ。 https://sessendo.blogspot.j...

自然は長大な歳月をかけて少しずつ変化してゆくが、人間の営みは環境を一気に変えてしまう。抑えつけたエネルギーは蓄積する。自然を整備するという発想は人類の大いなる錯覚である。エントロピーは増大する。秩序は必ず無秩序へ向かうのだ。 https://sessendo.blogspot.jp/2016/07/blog-post_12.html

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2016/06/03

東日本大震災のとき、結果として僕はたぶん正しい行動をとれた(それなりに正しくリスクを計算できていた)と思うんだけど、それって懸命だったわけではなく、単に「正常バイアス」が強かっただけなのかも、と思ったりする。 そんな感じで、災害の際の人間心理をさまざま紹介してくれていて興味深かっ...

東日本大震災のとき、結果として僕はたぶん正しい行動をとれた(それなりに正しくリスクを計算できていた)と思うんだけど、それって懸命だったわけではなく、単に「正常バイアス」が強かっただけなのかも、と思ったりする。 そんな感じで、災害の際の人間心理をさまざま紹介してくれていて興味深かった。パニックのあたりが白眉かな。 ただこれ、ずいぶん前の本なんだよね。 マスコミについての記述は古さが否めない。SNS全盛になった今の状況を著者にはまた書いてほしいなあ。

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2015/02/01

災害時に、パニックが稀にしか発生しないということは意外であった。 また、災害時の心理として、正常性バイアスが被害を拡大させることに、災害から逃げることの困難さを感じた。

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2014/07/08

災害のあと多くの被災者は心身の不調を訴える。 災害を前にしても、多くの人が避難したがらないのは、災害に対する正確な認識が持てないためだ。身に及ぶ危険があるという実感をもつことが避難行動を起こすために書くことのできない条件である。 災害リスクに直面している人は正確な情報を求めてい...

災害のあと多くの被災者は心身の不調を訴える。 災害を前にしても、多くの人が避難したがらないのは、災害に対する正確な認識が持てないためだ。身に及ぶ危険があるという実感をもつことが避難行動を起こすために書くことのできない条件である。 災害リスクに直面している人は正確な情報を求めている。災害時にデマを発生させないためにも、放送メディアを中心としたマスメディアが人々の情報ニーズに応える正確な情報を提供する必要がある。

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2013/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

災害心理学を専門とする著者が、これまでの災害を例に、災害時における人間行動や災害復興の仕組みについて分析する。 災害はいつ起こるか分からず、また災害対策の費用対効果も見えないことから、「防災のジレンマ」が存在することを著者は説いている。災害を完全に残すことは不可能であることから、いかにうまく災害と付き合っていくかが重要である。本著は、災害を知る指南書と言えよう。 災害発生時、人々を不安にさせないよう情報を隠ぺいする、あるいは被害があまりないかのような誤報を伝える、といったことをつい考えがちだが、このような行為は集団パニックを助長させるもとであることを知った。著者は、パニックが起こる4つの条件として、「差し迫った脅威を感じている」、「危険を逃れる方法があると信じられている」、「安全は保証されていない」、「相互コミュニケーションが成り立たない」を挙げている。情報の隠ぺいや被害の過少報告は、この4条件にあてはまる状況を生み出すことから、情報は適切に提供すべきだと著者は主張している。 科学技術の進歩とともに、災害の発生メカニズムなどは明らかになるが、予測・予知は完璧ではなく、完全な防災対策は難しい。むしろ、社会が高度化するにつれ、災害規模も高度化すると考えられる。「防災のジレンマ」を抱えながらも、いかに平常時から災害への意識を持つかが、防災・減災への第一歩であると思う。災害復興の仕組みとして、著者は、「災害の規模」よりも、「被災社会システムの活力」と「環境社会システムからの援助量」が大きい場合、復興が促進されると説いている。前者を操作することはできないから、後者をいかに大きくするか、社会のあり方が問われている。 2004年に書かれたものであるため、東日本大震災については触れられていない。著者が主張した内容が東日本大震災でもあてはまっているのかを知ることができなかったのが、やや残念である。

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2012/12/17

 災害心理学の本。災害に遭ったとき、人は案外パニックにならないらしい。むしろある程度の危機を我慢してしまうことで逃げ遅れてしまうケースもあるんだとか。  パニックが起こる条件がいくつか挙げられていて、その中に「危機を逃れる方法があること」とあるのが面白い。完全に逃げ場がないと、...

 災害心理学の本。災害に遭ったとき、人は案外パニックにならないらしい。むしろある程度の危機を我慢してしまうことで逃げ遅れてしまうケースもあるんだとか。  パニックが起こる条件がいくつか挙げられていて、その中に「危機を逃れる方法があること」とあるのが面白い。完全に逃げ場がないと、諦めてしまうからパニックにならない。

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2012/09/28

 災害法制の勉強をしていて、関係ある本を読んでいくと、同じ本と時々二度かって読んでしまう。  この本も二度目。ちょっと情けないが、しょうがない。  今回、気になった点。 (1)十分な資格があると認められるNPOとかNGOに対して、現在地方公共団体が行っている被災者救援の仕事...

 災害法制の勉強をしていて、関係ある本を読んでいくと、同じ本と時々二度かって読んでしまう。  この本も二度目。ちょっと情けないが、しょうがない。  今回、気になった点。 (1)十分な資格があると認められるNPOとかNGOに対して、現在地方公共団体が行っている被災者救援の仕事を、逐次、可能なかぎり権限とともに委譲すべき。(p195)  大災害になれば、ボランティアや民間企業に助けてもらう謙虚な姿勢が大事だと思う。 (2)パニック発生の4条件、「多くの人々が脅威を感じている」「危険を逃れる方法があると信じられている」「脱出は可能であると信じられているが、安全は保証されていない」「人々の間の相互のコミュニケーションが成り立たなくなっている」(p145) (3)放送メディアからの警報は効果がある。(p120)  何度読んでも、学ぶ点はある。

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