滴り落ちる時計たちの波紋 の商品レビュー
図書館より ジャンルは純文学になるのかな? 残念ながら自分には合わず最後まで読み通すことが出来ませんでした……短編集だったので、何編か読んで思ったことをつらつらと書いてみます。 まず結末がいまいちよくわからない話が多かったです。何かしらのメッセージを込めて書かれた作品ばか...
図書館より ジャンルは純文学になるのかな? 残念ながら自分には合わず最後まで読み通すことが出来ませんでした……短編集だったので、何編か読んで思ったことをつらつらと書いてみます。 まず結末がいまいちよくわからない話が多かったです。何かしらのメッセージを込めて書かれた作品ばかりだと思うのですが、ズバリ何を伝えたかったのか、と考えるとうーんと考え込まざるをえない。そもそもメッセージ自体あったのかどうか、そもそも何が書きたいのかもよくわからないというか…… 実験的な作品が多いらしく、そう言われると今まで読んだ本と違う印象を受けたのにはある意味納得がいくのですが、それがいいかどうかとなるとまた別問題なわけで…… 他の小説とは違う見方で挑まないと、この本の良さというのは分からないのかなあ、という感じがしました。 筆力については芥川賞を受賞されているだけあって十分に読みごたえがあったのですが、あまり心に響いてくる感じではなかったです。またそのうち違う作品で再挑戦してみようと思います。
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「バベルのコンピューター」、読み始める前に難しそう、拒絶されそうと思っていたが(数字の単位と脚注の細かい文字にくらくらし)おもしろかった!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「初七日」戦争を経験した父が秘める「地獄」をいつの間にか共有する長男。本作の中で最も作品としてまとまっている。 「珍事」星新一風のシニカルな掌編だが落ちが見え見え。 「閉じ込められた少年」作品全体が回文のように左右対称の構成で面白い。 「最後の変身」カフカ『変身』解釈+俺の肥大する自尊心。 『バベルのコンピューター』架空の作品論という構成自体は決して目新しくないが、作中作品が面白い。 そのほかは人間の「悪意」が滲み出すような物語で愉快ではない。 技巧が先に立ち、全体的に文章がこなれていない。実験作というよりは習作に近い。もっと洗練された言葉で語ってほしい。 「最後の変身」がそうだが、やはり作者にとって自意識は一つのテーマのようだ。
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「最後の変身」が非常におもしろかった。カフカの「変身」とドストエフスキーの「地下室の手記」を読む際のおもしろい視点の獲得になったと思う。
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バラエティにとんだ短編集。 難解だけど、独創性があり面白い。 「最後の変身」が・・・虫が・・・むし・・・。
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4月3日購入。24日読了。最後の変身は面白かった。あとはなんか惰性で読んでしまいました。ちゃんと読み返す必要があります,はい。
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バラエティに富んだ短編集だ。中でも過去の文学作品を現代に応用したものが多いようである。 「最後の変身」がこの中で最も惹かれた。主人公は存外一般的な生活を送る、どこにでもいそうな男であるが、人一倍自尊心や自我が強すぎ謙虚を装った卑屈な生き方しか出来ずにやがてネットに溺れるように...
バラエティに富んだ短編集だ。中でも過去の文学作品を現代に応用したものが多いようである。 「最後の変身」がこの中で最も惹かれた。主人公は存外一般的な生活を送る、どこにでもいそうな男であるが、人一倍自尊心や自我が強すぎ謙虚を装った卑屈な生き方しか出来ずにやがてネットに溺れるようになっていく。 文体は口語体でリズムが良く、!や?を多用することがありヒップホップを思わせる箇所がある。ドストエフスキーも参考にしたに違いない。「畜生!いらいらする!まったくいらいらする!クソッ!」とか特に。 ネットの黎明期を通過し、Web2.0と呼ばれる双方向性などネットがやっと当初の理想を現実にしてきた今どういう風に読めるのかということでも興味深い。 性質上、斬新!と言える作品集ではないけれども、楽しく読ませてもらった。
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主題はわかりやすいし、文章も読みやすい。 傍点やら太文字が多すぎるきらいはあるけれども。 あと一作目がポーの短編に似てるなと思いました。 でもまぁ読み返していないのでうかつなことはいえません。 個人的には悪くないけど別によくもない、と言うのが感想です。 芥川賞最年少...
主題はわかりやすいし、文章も読みやすい。 傍点やら太文字が多すぎるきらいはあるけれども。 あと一作目がポーの短編に似てるなと思いました。 でもまぁ読み返していないのでうかつなことはいえません。 個人的には悪くないけど別によくもない、と言うのが感想です。 芥川賞最年少受賞で騒がれたなぁと懐かしく思い出しました。 「日蝕」のときにすごい騒がれたから何となすごい人だというくイメージ先行だったんですが意外と普通でした。 でも非常に頭がいいのが滲み出てました。
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様々な「実験小説」が、ほとんど無意味に羅列されたような作品集。書くことがないなら書かなくてもいいのに。平野啓一郎の小説は全部読んでいるけど、今回のはちょっと救いようがない。本人が美しいと思って書いていることが見え見えな文章が連なり、こちらを疲れさせる。輝かしい『日蝕』以来、かなり...
様々な「実験小説」が、ほとんど無意味に羅列されたような作品集。書くことがないなら書かなくてもいいのに。平野啓一郎の小説は全部読んでいるけど、今回のはちょっと救いようがない。本人が美しいと思って書いていることが見え見えな文章が連なり、こちらを疲れさせる。輝かしい『日蝕』以来、かなり遠くまで後退してしまった。残念。
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≪おそるべき作品集 9篇の小説、9種の企み、9つの輝き、 文学の可能性のすべてがここに。 (帯より)≫ 帯には著者の言葉として ≪この作品集は、僕という作家が「一体、何をしようとしているのか」を、 より具体的に明かしてくれるのではないかと思っています。≫ とも...
≪おそるべき作品集 9篇の小説、9種の企み、9つの輝き、 文学の可能性のすべてがここに。 (帯より)≫ 帯には著者の言葉として ≪この作品集は、僕という作家が「一体、何をしようとしているのか」を、 より具体的に明かしてくれるのではないかと思っています。≫ とも書かれているのだが、正直言って、私には著者が何をしようとしたのかは見当もつかなかった。 『初七日』や『最後の変身』では、その題材や主人公の情動に共感を覚える部分も多かったのだが、この作品たちをこのようにまとめ、並べた意図は、やはりまったく私には理解できなかった。
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