完璧な病室 の商品レビュー

小川洋子(著者)

初期作品ですが、魅力…

[文庫ＯＦＦ]

初期作品ですが、魅力は十分です。この方の観察力と感性にはいつも驚かされます。やはり表題作がおすすめです。

静謐な文体に惹かれま…

[文庫ＯＦＦ]

静謐な文体に惹かれます。初期の作品にこそ、文体の魅力が強いと思う。

初期作品だからか、ま…

[文庫ＯＦＦ]

初期作品だからか、まだ少しぎすぎすしている感じがします。

2024/09/25

初期作品短編集。表題作とダイヴィング～は同じフェチ全開主人公で相手も同タイプ。＝著者のフェチ丸出しっぷりが初期っぽさなのかなと感じた。揚羽蝶～は難解だが全話繊細で丁寧な印象の短編集。

2023/04/24

柔らかい文章と切ない表現の中にゾッとする感情
初期の小川洋子作品の特徴のように僕は思っている
それがとても心地よくて、切なくて温かい

2023/02/24

「完璧な病室」と「揚羽蝶が壊れる時」の二篇、著者がまだ二十代後半の頃の作品だけど特徴がしっかり現れていて興味深い。
丁寧な日本語遣いと静謐な表現、癖になる偏執的な展開などこれぞ作者ならでは♪
まだ後ろにバーコードの無い旧い本で読みましたが作者の原点を読めてよかった。
でもやっぱり「博士の愛した数式」の印象が鮮烈に残っていて、わたしにはベストです。

2023/01/29

薬指の標本がめちゃくちゃ好きだから読んで｢え！ヤってる……(絶望)｣となった。いいんだけどね。
小川洋子に関わらず致してる文章ってちょっと苦手なんだよな。致しの文章ってその後に関わる重大な伏線とかないからさ、｢さあ！今から致しです！致しの雰囲気を味わってくださいね！｣というかんじがしてあんまり…なんよ。さらっと書いてるから気にならない人は気にならないんだろうがね。
静謐な雰囲気は良い。小川洋子のそれが好きなんだ。

2023/01/03

小川洋子さんの初期の作品。
全体に流れる生と死。心に潜む不安を描いているように思えました。
「冷めない紅茶」「完璧な病室」が
特に良かったです。

2022/12/29

【あらすじ】「わたし」には、余命僅かな弟がいる。21歳の彼は、生きるということ、生活の喜びをまだ理解しないまま死んでゆく。
一方の「わたし」は、生きること…食べることなどの生理的な行動のすべてを雑然と汚らしく感じている。弟が横たわる病室の清潔な空間だけが、わたしに安らぎをもたらす。(表題作)

【感想】
繊細で透明感のある1篇。

生活感を嫌う主人公の目を通して描かれる世界は、透き通り、軽やかで、乾燥していて冷たい。作者の筆致や世界観作りには目を見張るものがある。
一方で、わたしの感性とだいぶ違う主人公の考え方や行動には、なかなか感情移入が出来なかった。特に旦那さんとの関係が難しい。

2021/02/07

小川洋子さんの書く文章は、生の臭いが強い。口臭の臭い。しかし、クセになる臭いだ。
完璧な病室とダイヴィング・プールという、2つの姉妹的な短編に挟まれた揚羽蝶が壊れる時、冷めない紅茶の不穏感。読者をザワザワさせて、物語を終わらせる感覚。しかし、4つの話に出てくる男の共通した諦観さは、私を不穏にさせた。