六人の超音波科学者 の商品レビュー
本を開き, そこに研究所の見取り図を見た時, まるで車窓からあのテーマパークの入場ゲートやシンボルのお城が見えた時の興奮を想起させる思いに駆られる。 そして, 研究所でのミステリィを読み進めていくうちに, 大好きな乗り物の列に並び, どんどん自分の順番が近づいてくる, あの高揚感...
本を開き, そこに研究所の見取り図を見た時, まるで車窓からあのテーマパークの入場ゲートやシンボルのお城が見えた時の興奮を想起させる思いに駆られる。 そして, 研究所でのミステリィを読み進めていくうちに, 大好きな乗り物の列に並び, どんどん自分の順番が近づいてくる, あの高揚感を感じる。 森ミステリィ×研究所という方程式は, それ程までに私にとって嬉しい組み合わせなのだ。そして, その期待を裏切らない。 「すべてがFになる」を彷彿とさせる読み応えだった。 いつも以上に紅子がかっこよすぎた。
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Vシリーズ七作目。 今度は紅子と練無が私設の超音波研究所のパーティに招待されます。なんとその紹介者は桜鳴六角邸の前住人・小田原。 そして山奥なので車で送りに行った保呂草とついでに一緒の紫子。 なんともまあ都合よく(?)保呂草の車はバッテリーが上がって動けなくなり、撮影に来ていたテ...
Vシリーズ七作目。 今度は紅子と練無が私設の超音波研究所のパーティに招待されます。なんとその紹介者は桜鳴六角邸の前住人・小田原。 そして山奥なので車で送りに行った保呂草とついでに一緒の紫子。 なんともまあ都合よく(?)保呂草の車はバッテリーが上がって動けなくなり、撮影に来ていたテレビ関係者の手伝いをすることに。 そして警察に届いた橋爆破の予告。七夏たちが駆け付け調べている最中に本当に爆破されてしまいます。七夏一人橋の向こう側。仕方なしに山の上まで徒歩で向かうことに。雨まで降って踏んだり蹴ったりでたどり着けば、研究所では死体が二つ。しかも他の警察の面々が駆け付けた時には死体が消えてしまうのです。 事件自体は紅子がさっくりと解決しますが、元夫を巡って紅子と七夏の攻防が面白かったです。私、七夏は嫌いじゃないのです。
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Vシリーズ7作目 土井超音波研究所と呼ばれる橋のみによって外界と接せる場所でパーティが行なわれ、死体が発見される。 小鳥遊くんが殺されかけて、紅子さんが本当に怒っているのがわかるところが、とても印象深い。 解決に関してはある小説に似ているところもあるが、根本的な部分は違い、こちら...
Vシリーズ7作目 土井超音波研究所と呼ばれる橋のみによって外界と接せる場所でパーティが行なわれ、死体が発見される。 小鳥遊くんが殺されかけて、紅子さんが本当に怒っているのがわかるところが、とても印象深い。 解決に関してはある小説に似ているところもあるが、根本的な部分は違い、こちらはなぜか美しいと感じさせられた。
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シリーズの中で一番ミステリしていた。ミステリ部分がハマれば、当然全体が面白くなる。頭部と両手首の切断の理由や、残されたメッセージの示すものなど、衝撃や驚きもしっかり用意されていた。 エピローグの語りがいつも以上に素晴らしく、印象的なフレーズがいくつもありました。
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【あらすじ】 土井超音波研究所、山中深くに位置し橋によってのみ外界と接する、隔絶された場所。所内で開かれたパーティに紅子と阿漕荘の面々が出席中、死体が発見される。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す。真相究明に乗り出す紅子の怜悧な論理。美しいロジック溢れる推理長編。 【感想】 稚拙な表現だけれど、本当にすごい話だと思った。こんなことが起こりうるのだろうか。そう考え込んでしまった。今回の事件は人里離れた研究所で始まる。この研究所の造りがまた変わっていて、それも細かくきちんと図面化されていて…そんな中でいろいろな出来事が起こるものだから、どこで何が起きているのかついていけなかった。でも、一番はいつもの面々が危険な面に遭わされたこと。それが何より衝撃的で、思わず息を止めてそこを読んでいた。わたしは、自分が思っていた以上に、阿漕荘のみんなと紅子さんや、祖父江さんたちが、大好きになっていたんだな、ということに、この瞬間気付かされた。みんなのことが、一人一人のことが、わたしは大好きだ。
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3 超音波研究所で起こる偽装殺人事件。土井博士の残した謎の解説が森博嗣らしくなかなか面白い。音階による博士選びや和音の話を絡めたパスコード。研究のため、同意のもと病気で余命のない博士を利用した元々死んでいた土井博士の遺言対応を4人の博士が行う。超音波による認識機能やセンサーの話が面白い、どこまで応用可能か。立川志らくの解説。品とユーモア、粋が大切、想像力を掻き立てることが重要らしい。ユーモアのある表現、七夏は研究所に、紅子があることを知って頭の上にテトラポッドを載せているような重苦しい気分になったとか。落語目線に偏った捉え方な気もするがそういう発想もあるかと思わせる解説。
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ミステリ好きにはたまらない一冊。 森先生のお話は何を読んでも品があって、知的で、 それでいてユーモアに溢れておまけに愛まであって楽しい。 今回は私の一番好きなタイプ。 フーダニット系。橋が破壊されたあたりから、自分の大好きな展開へ(笑) こういうのたまりませんね! しかも頭部...
ミステリ好きにはたまらない一冊。 森先生のお話は何を読んでも品があって、知的で、 それでいてユーモアに溢れておまけに愛まであって楽しい。 今回は私の一番好きなタイプ。 フーダニット系。橋が破壊されたあたりから、自分の大好きな展開へ(笑) こういうのたまりませんね! しかも頭部の無い遺体。何パターンも自分の推理が炸裂して、 小説を読むことと、この後の展開を考えること、二重に楽しむことができた! 大満足っ!!
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久しぶりの館系ミステリー。 でも、なんが懐かしい場面がちらほら。死体発見時の状況とか、すべFっぽい。 今回は紅子さん大活躍。久しぶりだねー。 れんちゃんもしこさんも、なんちゅーかいい感じでキャラが立ってる。 それに対して今回は保呂草さんが地味だな(笑)まぁ、前回があんな感じやっ...
久しぶりの館系ミステリー。 でも、なんが懐かしい場面がちらほら。死体発見時の状況とか、すべFっぽい。 今回は紅子さん大活躍。久しぶりだねー。 れんちゃんもしこさんも、なんちゅーかいい感じでキャラが立ってる。 それに対して今回は保呂草さんが地味だな(笑)まぁ、前回があんな感じやったしそんなもんか。 久しぶりに森さんらしいミステリーが読めたんで満足です。 ……解説がまぁまぁ毒があるけど。ある意味これを通すとかすごいな。
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山中深くに位置し、橋によってのみ外界と接するという隔絶された土井超音波研究所。その所内で開かれたパーティに招かれた紅子と練無。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す… 山中深くに位置し、橋によってのみ外界と接するという隔絶された土井超音波研究所。あ...
山中深くに位置し、橋によってのみ外界と接するという隔絶された土井超音波研究所。その所内で開かれたパーティに招かれた紅子と練無。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す… 山中深くに位置し、橋によってのみ外界と接するという隔絶された土井超音波研究所。ある条件を満たさないと動かないエレベータ。相変わらず、非現実的な設定にちょっと違和感が… クローズドサークル、密室を古典的な推理小説にありがちな設定を施しながら、登場人物たちが少しずつ追い詰められ緊張感が高まる筋ではなく、どちらかというと直ぐに謎を解明する方向に流れる展開は、好みが分かれるところだと思いました。 前作の『恋恋蓮歩の演習』を読んだ時にも感じたことだが、豪華客船や山中深くに位置する研究所という、せっかく凝った舞台を用意したのに、そこで起こる事件のスケールが小さくとても残念な感じがした。それでも前作は、保呂草の粋な計らいに救われたが、今回は、紅子が登場人物を集めて行う独擅場が鼻につき、チューリップの花びらが開くという手の動きは、活字で読むと滑稽にすら感じた。私がどうしても好きになれない紅子は、カオスを深めることによって、実はS&Mシリーズの四季のように、森先生の最終兵器としての力を蓄えているのだろうか…
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