ゆっくりさよならをとなえる の商品レビュー
本を読むこと、まごまごと日常を送ること。 そうして過ぎていく時間の中に、在りし日のセイシュンの姿を重ね合わせる。 「こういうよろこびをいったい何というのだろう。「ささやかな幸せ」というやつだろうか。青春と呼ばれる時代にはあんなにささやかな幸せを忌み嫌ってきたのに、人間変わるもの...
本を読むこと、まごまごと日常を送ること。 そうして過ぎていく時間の中に、在りし日のセイシュンの姿を重ね合わせる。 「こういうよろこびをいったい何というのだろう。「ささやかな幸せ」というやつだろうか。青春と呼ばれる時代にはあんなにささやかな幸せを忌み嫌ってきたのに、人間変わるものだなあと思いを致した夏でもあった。人間変わるものだ、などという感慨も、そういえば昔は忌み嫌っていたっけ」(P.48) 教訓を引き出さず、ただ楽しみのために本を読み、幾つもの場面に、逐一日常の面白さを見出すことができるとしたら、、「生きることは歓びなんだよ」(P.150)という、著者がためらって言えなかった言葉も、いつか言えるようになるのだろうか。
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ゆるゆると流れる日常を綴ったエッセイ。 川上さんのこのまったりペースにはまると息をすることも大切に感じます。 本にまつわる話もあり、日常の微妙な出来事だったり、バラエティに富んだ内容です。
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久々に読み返した、川上弘美さんのエッセイ集。 本にまつわる文章が多いのが楽しい。 「スパナポ」の話は印象に残る。あと、「見くびる」の話。これは初めて読んだときにはあまり印象に残らなかったんだけど、ほぼ同じことを考えたことがあって、とても共感。
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再読。 ゆるっと掻い摘んで読むつもりがどうにも止められず、 結局最後までガッツリと読み込んでしまう事に。 面白いなぁ、良いなぁ、なんて、いちいち脳内でつぶやきながら。 刺激され、意識が一瞬本から離れ、ふと思い耽ってはまた戻る…なんて事を繰り返しながら。 エッセイを繰り返し読むとい...
再読。 ゆるっと掻い摘んで読むつもりがどうにも止められず、 結局最後までガッツリと読み込んでしまう事に。 面白いなぁ、良いなぁ、なんて、いちいち脳内でつぶやきながら。 刺激され、意識が一瞬本から離れ、ふと思い耽ってはまた戻る…なんて事を繰り返しながら。 エッセイを繰り返し読むという事はあまりしないのですけれど、 この本はやっぱり特別でした。
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・ポジティブで美しいエッセイは好き。 ・最後が良い。表題作をめくる前のドキドキ感といったらない。 ・というかまさか、川上弘美が大女とはしらなかった。 ・紹介されてる本とか、何気なく出てくる本に興味が沸いた。読んでみよう。
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今までエッセイをあまり好まなかったのだけど、彼女の紡ぐ日常のひとこまが、彼女の流れるように綺麗な文章で綴られると、一気に引き込まれる。 どの話も好い。 本が読みたくなる。 美味しいものが食べたくなる。
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読み終わったあとは寂しい気分になった。ゆっくりと流れる時間に癒された。川上弘美のエッセイは、日常的なことも美しく書いている。だから、私ももう少し頑張って、日常生活の中に潜むそのような出来事を探してみよう、という気になる。身の回りで色々なことが起きすぎて疲れたときに読むと、まだまだ...
読み終わったあとは寂しい気分になった。ゆっくりと流れる時間に癒された。川上弘美のエッセイは、日常的なことも美しく書いている。だから、私ももう少し頑張って、日常生活の中に潜むそのような出来事を探してみよう、という気になる。身の回りで色々なことが起きすぎて疲れたときに読むと、まだまだ人生捨てたもんじゃないな、と感じる本。紹介されていた本を読んでみようと思う。
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さらりと。 やっぱり食べ物のエッセイには惹かれてしまう。 おくらの話と、みかんの話。 あと共感したのは、図書館に行く気分の時と 本屋に行く気分の時のちがい。 川上さんのおばあちゃんの話もすきだった。 表題作のような書き方もだいすき。
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仕事帰りの電車中で読む。 独特の句読点の使い方に、残業でまだ高ぶった神経が、スローなペースにクールダウン。 心地よい。 本屋好きな話に共感。 なかなかに楽しい。
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この本は、出版は2001年と随分時間がたっているのですが読む本がないな~と思う時に手にとって繰り返し読んでいます。 川上弘美さんの本は小説もだいたいは読んでいるのですがエッセイのほうが好きですね。小説は終着点がないような感じで私にとってはつかみどころないように思えます。 この...
この本は、出版は2001年と随分時間がたっているのですが読む本がないな~と思う時に手にとって繰り返し読んでいます。 川上弘美さんの本は小説もだいたいは読んでいるのですがエッセイのほうが好きですね。小説は終着点がないような感じで私にとってはつかみどころないように思えます。 このエッセイは著者の日々のあれこれがつづってあり、また気に入った本が少し紹介されています。その本の紹介の文章がどれもとても魅力的に書かれています。私はここで紹介されているうちの本で田辺聖子さんの本とドロシー・ギルマンの本を知り、その後に読んでみました。一冊の本を開くことでさらに他の本とつながってくる、何か嬉しいですね。 もちろん著者の生活が垣間見える様子も読んでいて楽しいです。こんな風に過ごしていて、こんなことを思っているのかなど。 小説を読む気分じゃないな~、でも何か読みたいなと思う時にお勧めです。
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