リアルワールド の商品レビュー
女子高生と親殺しの男子高校生が主人公、5人みんなが主人公である小説。 するするっと読めるけれども、読後、自分の人生と他人の人生に対する責任、人と人がお互いに影響し合い、他人の人生も自分の人生も変えていくことについてしばし考えてしまった。 若いから、「あんたのせいでこんなことに...
女子高生と親殺しの男子高校生が主人公、5人みんなが主人公である小説。 するするっと読めるけれども、読後、自分の人生と他人の人生に対する責任、人と人がお互いに影響し合い、他人の人生も自分の人生も変えていくことについてしばし考えてしまった。 若いから、「あんたのせいでこんなことになった」と言える。でも、自分でもそんなことはない、自分が悪かったんだ、って思ってしまう。 大人になるっていうのは、他人を責めずに自分のなかにものごとの原因を求めることなのかなとも思った。 だから、17歳のテラウチは、その重さに耐えきれずに自殺する。母親を殺した少年は、自分の人生の責任を母親に負わせた。 でも、テラウチは、心の中で母親に捨てられたことを認識して、その母親への愛も葬ろうとしてた。それは、彼女のなかでは確かに殺人だった。これは生き地獄だなー。愛する対象を失いながらも、その対象は自分の人生を生きてるわけで。すごく共感できる。 若い時って、愛されたい愛されたいって気持ちがすごく強いんだよね。若いときは気がつかないんだけど・・・若いときのこの渇望が満たされなかったら、あとあと苦労すんだよなぁ。 17歳、まだ子供であっていいのだから、他人(または家族)を責めて非難させてあげてもいいんじゃないかなと・・・世の中は逆の方向に向かってるようだけど。 とまあ、いろいろ考えた青春小説だった。 こういう本も書ける桐野さん、やっぱすごい。
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桐野夏生はじめました。「女性のドロドロっぷりを描いている」と聞いて。でもこの作品は 違う要素の作品。 女子高生の仲良し4人組が、同年代の殺人犯と個別で関わるうちにそれぞれの本質が明らかに なっていく・・というお話。 高校生というのは微妙な年頃ゆえに、4人それぞれが独自の価...
桐野夏生はじめました。「女性のドロドロっぷりを描いている」と聞いて。でもこの作品は 違う要素の作品。 女子高生の仲良し4人組が、同年代の殺人犯と個別で関わるうちにそれぞれの本質が明らかに なっていく・・というお話。 高校生というのは微妙な年頃ゆえに、4人それぞれが独自の価値観や過去を持つ(この4人は 3人はすごくワケアリ。)と描かれる。そのため、最後には全員がそれぞれの結果を迎える・・わけでもないか。 でも二人は死亡する。その過程を分析しようと思うと、一度読んだだけでは足りない。 ポイントは、小説自体が章ごとに別のキャラの視点で進む(こういう小説よく見るなぁ)ところと 少年少女の年齢相応の考え方・心情がよく描かれているところかと思う。 タイトルの「リアルワールド」って、物語中でそれっぽいキーワードが何度も出てくるけど、 それを解釈し切るのは難しい気がする。では日常が「偽りの世界」とでも言っているんだろうか?
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女子高生達の心の葛藤。 ある日、隣の家の少年が母親を殺した。 とっさに嘘を付いてしまった少女、そして巻き込まれ、自ら飛び込んでいく友人たち。 親を殺したい、いなかったらいいのに、そんな誰もが抱く思いを、実行に移してしまったら。 非日常に憧れ、実際に日常から外れてしまったら、待...
女子高生達の心の葛藤。 ある日、隣の家の少年が母親を殺した。 とっさに嘘を付いてしまった少女、そして巻き込まれ、自ら飛び込んでいく友人たち。 親を殺したい、いなかったらいいのに、そんな誰もが抱く思いを、実行に移してしまったら。 非日常に憧れ、実際に日常から外れてしまったら、待っているのは未来のない闇。 心の奥の闇と、闘う少女たち。 出口はどこに。
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ひとつの事件の犯人に、興味から自ら関わっていった女子高生たち。それぞれの視点で展開が描かれてます。女子高生たちがそれぞれに抱える悩みはわりとよくあることで…だからこそ、なんでこんなことになるのかなぁ?と、気持ち悪い感じもしました。が、それでページをめくる手が止まるわけではなくて。...
ひとつの事件の犯人に、興味から自ら関わっていった女子高生たち。それぞれの視点で展開が描かれてます。女子高生たちがそれぞれに抱える悩みはわりとよくあることで…だからこそ、なんでこんなことになるのかなぁ?と、気持ち悪い感じもしました。が、それでページをめくる手が止まるわけではなくて。読みやすさもあり一気読みしました。
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登場人物全員が同等にストーリーに参加し、多数の観点からストーリーを展開した割には、丁寧に感情を描いている人物と、そうでない人物の差が激しかったように思う。そこまで重要でなかった人物に焦点を当て、話をまとめようとしても、感情移入することなく、ふーん…と客観的に読んで終わってしまった。
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女の子4人と男の子1人が出てきますが、 どの子にも感情移入は出来ませんでした。 どの子も気持ち悪くて。 中でも嫌なのは、ミミズとキラリンですが、 どうしてこう、後先考えないのかな~と、 イライラしました。 あ、こういう「今、楽しけりゃいいじゃん」 みたいな感覚が、若さなのかし...
女の子4人と男の子1人が出てきますが、 どの子にも感情移入は出来ませんでした。 どの子も気持ち悪くて。 中でも嫌なのは、ミミズとキラリンですが、 どうしてこう、後先考えないのかな~と、 イライラしました。 あ、こういう「今、楽しけりゃいいじゃん」 みたいな感覚が、若さなのかしら。 テラウチのことが、一番わけわかんなかった。
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なんとも後味の悪い話。 まぁ、読後感の悪い小説なんか、世の中にいくらでもあるんだが、これはその中でもかなり上位だな。 桐野夏生の小説は、後味の悪い話が多いけど、この本は、もう、読後感どころか、最初の20ページまで読んだ時点で気分が悪い。 話の中身は、母親を撲殺して逃亡する高校生...
なんとも後味の悪い話。 まぁ、読後感の悪い小説なんか、世の中にいくらでもあるんだが、これはその中でもかなり上位だな。 桐野夏生の小説は、後味の悪い話が多いけど、この本は、もう、読後感どころか、最初の20ページまで読んだ時点で気分が悪い。 話の中身は、母親を撲殺して逃亡する高校生と、4人の女子高生の話だが、この登場人物達に感情移入できない。 あまりにバカだから・・・。 これ、本屋で買ってきた本だったら激怒してるとこだが、図書館で借りた本だから、駄作だろうが読後感が悪かろうが、まぁ良いけど・・・。 途中で投げ出したくなる本って、いくら借りた本でも不愉快だ。
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子供の話。 いつもこの人の話は後味が悪くてあーーすっきりしねええという印象が強いんですが、この本はあんまし読んでても興味なかったというか結末がどうであれまあいいやという感じだったので、読後の感想はへーでした。 子供の話でした。
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三浦しをん「三四郎はそれから門を出た」より。いやー、面白かった。4人の女子高校生が母親を殺した男子高校生をめぐってそれぞれの違いが明らかになってくような話。桐野夏生、面白いなー。こういう微妙な関係に成り立つ思春期の友達関係というのはすごく良く分かる。相手を知らないのに、知った気になって、好き嫌いを決めている。トシちゃん=ホリニンナが自分に一番近いか。でもここまでの感受性はない。ほんと生きるのって大変、と思っちゃう。高校時代を脱出してほんとに良かった。桐野夏生はまるなー。
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最近、桐野夏生が気になるけど、どれから読めばいいか迷って手にとってみた。2冊目だから、まだちょっと好きか嫌いかは分かんない。 読み終わって、「ルー・ガルー」が読みたくなった。
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