薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 の商品レビュー
始め1/3くらいはどこが面白いのかわからず、読了できないかと思った。 途中から少し話が動き出してようやく読了したが、結局何が書きたかったのだろう。 わかる人にはわかるのだろうが。
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恋の始まりは人それぞれで予期できない 「エネルギーがあるから恋愛をするわけではなく、恋愛がエネルギーを産むのだ」
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短編なのかと思っていたら、登場人物がやたら多い長編だった。 誰が誰の妻で夫で恋人かわからなくなるかと思ったけど人間関係を把握するのはそれほど大変ではなかった。 それよりも、登場人物の感情、行動を理解する方が大変だった。 何を考えているのか、よくわからない。 何を伝える物語なのか、...
短編なのかと思っていたら、登場人物がやたら多い長編だった。 誰が誰の妻で夫で恋人かわからなくなるかと思ったけど人間関係を把握するのはそれほど大変ではなかった。 それよりも、登場人物の感情、行動を理解する方が大変だった。 何を考えているのか、よくわからない。 何を伝える物語なのか、よくわからない。 一人一人に物語があるのよってこと?
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主婦、編集者、花屋、etc. 9人の女性たちの恋愛を描いた作品。江國香織が描く恋愛はとてもリアル、そしてドラマチックだと思う。「こんな恋がしたい!」とか思わせる要素が一切ないのに、人が恋に落ちてしまう必然性のようなものに、妙に共感してしまう。 彼女の作品で、もうひとつ重要なキー...
主婦、編集者、花屋、etc. 9人の女性たちの恋愛を描いた作品。江國香織が描く恋愛はとてもリアル、そしてドラマチックだと思う。「こんな恋がしたい!」とか思わせる要素が一切ないのに、人が恋に落ちてしまう必然性のようなものに、妙に共感してしまう。 彼女の作品で、もうひとつ重要なキーワードが「結婚」だ。江國香織の作品の中で描かれる夫婦は、一見幸せなカップルに見えるが、実は心の中に大きな違和感、苦しみ、あるいは後悔などの感情を抱いていることが多い。そして、それを誰にも打ち明けられない。夫(または妻)や親友にも。そして、それが新たな恋へのトリガーになったりする。 だからと言って、彼女の作品の登場人物が全て不幸だとか、作品が不幸な結末で終わるわけではない。登場人物はみな自分の選んだ「恋愛」を、たとえそれがどういう形のものであれ、ある程度納得してたんたんと受け入れている。それが、江國香織の小説のリアルさであり、すごいところかもしれない。
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女、女、女、女、女、たまに男。 いろんな人が交錯してそれぞれの日常がつづられる。 どの登場人物も理解できないようでいて、ふとこういう気持ちかもと思いつくような。 この本を読んでいると人ってみんな、ちょっと不幸で、それは自分としてはどうしようもない不幸と考えていて、ちょっと幸福、でも幸福にはあまり気づいていないんだな。 身勝手にもいろんな形があるもんだ。 解説を読んで初めてこれは恋愛小説だったのか!と驚く。あ、後ろにも書いてあった。「恋愛運動小説」? 確かにいろんな形の恋愛?が出てきたけれど。 江國香織さんの変わらないものと変わっていくものの描き方がとても好き。 あと丁寧に家事をする描写には憧れさえある。 陶子や綾やれいこのように家事を楽しめる女性に憧れる。 でも実際は綾のイライラ部分に共感し、エリ子のような生き方をしてしまいそう。 「きちんとした妻でいることが、自分にとって大事であるために。たとえば夫や息子のためにしているのであれば、きっとこんなに孤独ではないのに」 結局、自分の思うように行動が出来るのは収入があるから? 途中まではチクチクと棘が散りばめられていて、登場人物たちがもどかしく読み進めるのが辛かった。 それがポロポロと皮が剥がれるように変わっていく人々が出てくる。 たとえば陶子の本音、衿やれいこの不安、近藤の情熱。エリ子の孤独。 その辺りからホッとして読むことができた。 「誰かを好きになったからといって、夫をきらいになれるわけじゃないもの」 「でも、もう二度と、夫に男性的な魅力は感じられないと思うわ」 女性が強いお話でしたが、世の中「オタガイサマ」なことも忘れずにいたいもの。
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出てくる女の人みんな魅力的ですが、桜子だけは何回読んでもほんとに嫌い(笑) ピラウドワイフのくだりは、結婚30年を迎えた母が同じことを言っていてびっくりしたことがあります。
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長そうで少し躊躇し読み始めは登場人物の整理ができなかったけど、すぐ入り込めてあっという間に読み終えた。長さも登場人物も話もわりとこのくらいがちょうど良かった。
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9人の女性の恋愛が、交互にリズムよく展開されていく。 解説にもあるように 「恋愛運動小説」 そんな言葉がしっくりくる一冊。
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恋愛が日常茶飯事的に、誰かの心に入り込んで、誰もが主役で、そして誰もが自分勝手で。 柔らかい言葉で描かれていて、潤いがある。 終りのない物語。また読み返したくなる。
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東京にいる頃はハードカバーを、今は文庫を持っているけれど、引っ越しのときに売らなければよかったと悔やむ本の一つ。 久しぶりに読み返したら、素敵な文章がたくさんあった。 25「けんかをするとき、水沼は声も態度も荒げない。非常に不愉快そうな顔をして、不愉快そうな声をだすだけだ。その声は、陶子をひどくうすら寒くさせる。」 26「わかった」 自分でも思いがけないほど深く納得した声が出て、衿はきまりが悪くなる。ほとんど反射的に、すっきりとした笑顔をつくる。 27「衿は、自分で自分を狭量だと思っていた。せっかちでこまかいことが気になるし、何事も、白黒はっきりさせないと気のすまないところがある。それが、土屋といるときだけはどういうわけか穏やかになれた。土屋と一緒にいまここでこうしているということのほかは、なに一つたいして重要ではない、という気になれるのだ。」 恋愛小説〜。
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