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巷説百物語 の商品レビュー

4.1

281件のお客様レビュー

  1. 5つ

    96

  2. 4つ

    109

  3. 3つ

    50

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2024/07/21

【2024年142冊目】 御行奉為――ある雨の日に山小屋に居合わせた人々。足止めを食らった彼らが始めたのは、江戸で流行している百物語だった。ひとり、またひとりと語るに連れ、一人の男の様子がおかしくなっていく。ついに男は雨の中――。小豆洗いから始まり帷子辻で終わる7つの短編集。巷説...

【2024年142冊目】 御行奉為――ある雨の日に山小屋に居合わせた人々。足止めを食らった彼らが始めたのは、江戸で流行している百物語だった。ひとり、またひとりと語るに連れ、一人の男の様子がおかしくなっていく。ついに男は雨の中――。小豆洗いから始まり帷子辻で終わる7つの短編集。巷説百物語シリーズ第一弾。 再読です。読み始めのあの感覚は、何も知らずに読んだ方がきっと面白いので、未読の方はあらすじも何も読まずに読んで欲しいなと思います。そ後は、多少の流れは理解した上で読むことになるわけですが、どの話も「はい、はい、最後はそうなりますね」とはならない仕掛けが施されており、毎話「んぐわぁー!そういうことね!」と思って大変楽しめる建付けになっています。 これは人気のシリーズになったのも頷けますし、シリーズものはあんまり続けて読まずに、間に違う本を入れて読もうと思ってるのですが、続いてこのシリーズに手を伸ばしたくなってしまいました。んん。 一番好きなのは狸のお話です。私も狸と会話してみたい。

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2024/06/27

ものすごーく、久々に。 了のためにシリーズ再読。 いやー、改めて面白いの一言に尽きる。 憑き物落としとはまた違った味わい深さで。 どれを読んでも、全てが終わった後の読後感がとても好きだ。 仕掛けが分かった爽快感もありつつ、その裏にある無常さ…寂寥感がなんともたまらない。

Posted byブクログ

2024/06/26

奇談怪談を蒐集するために諸国を旅する戯作者志望の青年山岡百助は、雨宿りに寄った越後の山奥で不思議な者たちと出会う。 妖怪時代小説連作短編集、七篇収録。 とりあえず「小豆洗い」から読んでくれ。話はそれからだッ!……ってレベルでなんも話せなぬ→ 小豆洗い読んで、膝を打ったよね。そ...

奇談怪談を蒐集するために諸国を旅する戯作者志望の青年山岡百助は、雨宿りに寄った越後の山奥で不思議な者たちと出会う。 妖怪時代小説連作短編集、七篇収録。 とりあえず「小豆洗い」から読んでくれ。話はそれからだッ!……ってレベルでなんも話せなぬ→ 小豆洗い読んで、膝を打ったよね。そういうことかぁ!って(笑) 続く「白蔵主」「舞首」はライトな読み心地で楽しく読んで……「芝右衛門狸」でかなり読み心地が変わり、そこからの「塩の長司」「柳女」「帷子辻」と京極テイストがアップする。いやもう、最高デス。シリーズ一巻だからか→ すごく読みやすい。「姑獲鳥の夏」は長編で読みづらいんだよなぁっていう京極ビギナーにはこちらから入るのもアリ寄りのアリ!時代小説苦手な私もグイグイ引き込まれてあっという間に読み終わったし。 イチオシは「芝右衛門狸」の芝右衛門。あと事触れの治平。好きだぁぁぁ!!

Posted byブクログ

2024/06/14

 「小豆洗い」・「白蔵主」・「舞首」・「芝右衛門狸」・「塩の長司」・「柳女」・「帷子辻」を収録。アニメ版もよかったが、こちらのほうが生きた人間の暗部が表れているように感じた。  晴らすに晴らせぬ恨み、闇に葬られる手前の事件の解決を金で請け負う小股潜りの又市をはじめとした小悪党一味...

 「小豆洗い」・「白蔵主」・「舞首」・「芝右衛門狸」・「塩の長司」・「柳女」・「帷子辻」を収録。アニメ版もよかったが、こちらのほうが生きた人間の暗部が表れているように感じた。  晴らすに晴らせぬ恨み、闇に葬られる手前の事件の解決を金で請け負う小股潜りの又市をはじめとした小悪党一味。鮮やかな手練手管を以て逃れ潜む咎人を見出し、捕らえ、罪を暴く彼らの“仕掛け”は毎回見事。「小豆洗い」では偶然の参加者の一人に過ぎなかった山岡百介が、「白蔵主」以降は一味の協力者--彼が関係先に現れ、事情に因む怪異譚を語ることで“仕掛け”に真実味が加わる--として活躍する姿が頼もしい。又市と山猫廻しのおぎん・事触れの治平との悪口混じりの会話は、一味の気が置けないが気易くはない間柄が窺えるうえに、落語講談のようなおかしみもあって楽しい。

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2024/05/07

数年かけてやっと読み終えたぞ…!笑。 物語を追うのはあまり得意ではないのだが、この本はスラスラと読める。読み進められる。内容が頭に入ってくる。面白い。他のものも読みたいな。

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2024/04/15

やはり、良いよねぇ。 又さんかっこいい。 読み返すのは “小豆洗い” 「この先はおやめなせぇ」 江戸っ子訛りがうつりそうです。 あんなにかっこよく話せたら気持ちよいでしょう。 今年、最終巻が出ます。

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2023/06/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

巷説百物語シリーズの始まり、やはり御大は面白い…。 『妖怪の宴 妖怪の匣』とかで顕著なんだけど、御大は妖怪の存在自体を信じてはいない。いない側の立ち位置なんだけど、いないのに巷説で語られてきたことにむしろ強く興味を持っている(もちろん、神秘否定というわけではなく、道理が成り立たないからいないとしているに過ぎないのが御大の面白い部分なんだけど)。 つまり妖怪が成り立つ理屈というか、何故そんなものが受け入れられたのか?ということに主題がある。 だから本書は一貫して”妖怪の実在を肯定していない”。けれど、妖怪の仕業とした方が収まりが良いように構成されている。芝右衛門狸なんて特にそうだし、柳女は加害者がその仕組みを利用した形だな。 冥界も妖怪も無いけれど、それを突き詰めていけば破滅しかない。 兎角渡世は生き辛く、故に妖怪/冥界(ブラックボックス)が必要とされる。説明されないことが救いになることもあるってことだな。 御大の妖怪観に馴染んでいると3倍くらい楽しい。思わずシリーズ全館買ってしまった。オススメです

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2023/06/15

一見、不可解な事件を、小悪党の御行一味があやかしに見立てて鮮やかに決着させる。変幻自在な語り口で物語を紡ぐ著者の筆が冴え渡っています。  江戸時代末期の天保年間。怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行...

一見、不可解な事件を、小悪党の御行一味があやかしに見立てて鮮やかに決着させる。変幻自在な語り口で物語を紡ぐ著者の筆が冴え渡っています。  江戸時代末期の天保年間。怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男・小股潜りの又市、垢抜けた女・山猫廻しのおぎん、初老の商人・事触れの治平、そして、何やら顔色の悪い僧・円海。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが…。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れていく…。  「小豆洗い/白蔵主/舞首/芝右衛門狸/塩の長司/柳女/帷子辻」の七編から成る時代小説。血腥い事件とあやかしを結び付けて着地させるだけでも凄いのですが、そこから妄執や情念、果ては人間の業まで立ち昇らせる著者の手腕に唸らせられっぱなしです。また、怪談とは言っても、単なる絵空事ではなく、それを生み出す人間の想像力を介して現実を映し出している作品でもあります。「必殺仕事人」を彷彿とさせるキャラ立ちした登場人物たちの手際の良さも堪能でき、シリーズ化も納得の著者渾身の一作です。

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2023/06/04

再読。 改めて巷説百物語シリーズを「遠巷説百物語」まで揃えたので、第一巻の本作から読み始める。 物怪話しにからめて、世の悪人悪事をバッサバッサと切っていくその手際がまことに鮮やか。又一はじめおぎん、治平がなんとも魅力的で引き込まれる。 どういうふうに落とし前をつけるのだろうと...

再読。 改めて巷説百物語シリーズを「遠巷説百物語」まで揃えたので、第一巻の本作から読み始める。 物怪話しにからめて、世の悪人悪事をバッサバッサと切っていくその手際がまことに鮮やか。又一はじめおぎん、治平がなんとも魅力的で引き込まれる。 どういうふうに落とし前をつけるのだろうという話もあるが、又一達に絡め取られる悪人とおなじように、自分も見事に絡め取られて話の落とし所に納得してしまう。 切ない話も多いのだが基本的に悪事は裁かれるので読後感は悪くない。

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2023/01/24

今まで避けていた作家、京極夏彦さん。 そのわけは、 どの作品も分厚いから。 分厚い本や段組が多い本、文字の小さい本は嫌い。 それなのに今回手に取って読んで見たわけは、又吉さんの「第二図書館係補佐」の中で紹介されていて面白そうに思えたから。 結果、読んでよかったと思いました。 世に...

今まで避けていた作家、京極夏彦さん。 そのわけは、 どの作品も分厚いから。 分厚い本や段組が多い本、文字の小さい本は嫌い。 それなのに今回手に取って読んで見たわけは、又吉さんの「第二図書館係補佐」の中で紹介されていて面白そうに思えたから。 結果、読んでよかったと思いました。 世に広まっている怪談に沿って犯罪を暴いていくそのストーリーの手の込んだところには感嘆せざるを得なかった。 最終章「帷子辻」にあっては生と死に対する思想とも言える内容でとても重く響いた。

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