巷説百物語 の商品レビュー
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小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平らが敷いたからくりによって巧みに事件を解決するシリーズ第一弾 『小豆あらい』『白蔵主』『舞首』『芝右衛門狸』『塩の長司』『柳女』『帷子辻』 孫娘を何者かによって惨殺された芝右衛門の元に1匹の狸が現れた。憂いていた芝右衛門はその人懐っこい狸に癒される。ある時、彼はその狸に「何か芸でもあるのなら人に化けて訪ねてくれないか」と言う。翌晩、その狸は人に化けて芝右衛門の元に現れた。 人形芝居の一座を営む松之輔は、さる人物のお世話をするようにと淡州城城代家老の稲田九郎兵衛より内密を賜る。屋敷の離れでお世話するも、松之輔が危惧したとおりその若侍は日増しに荒れ、ある日従者の一人が手打ちにされる。若侍の従者である藤左衛門は松之輔に若侍は物の怪(狸)に悩まされており、そして人斬りの病があると告白した。【芝右衛門狸より】 この中では芝右衛門狸が好きなので、粗筋を書いてみました↑ 短編なので読むのが楽ですね(笑) 先行してアニメを見てたので、又市のキャラ(姿&声)が固定されてたのと、ちくっと違和感があった・・・のは仕方ないですな。 「塩の長司」はアニメ版の話の方が好みでしたね。でも芝右衛門狸はこっちの方が断然好み。見事なからくりでした。 このシリーズを簡単に言うなら必殺仕事人(笑) でも、人を殺めないのが良いですね。口八丁手八丁で四方を丸く治めてしまうのが鮮やかです。 全てが終った後に、ネタバレ・・・というか事件全容を語るという手法なので、後付けっぽい感じに受けますが、そこはそれ、ちゃんと計算されてますので巧み也、と読ませてくれます。 先に「嗤う伊右衛門」を読んでいたので、「帷子辻」での又市の憂いた部分がなんとも物悲しい。 それにつけても、又市の口調は良いですね。ああいう口調はすげく好み。 又市は当然の如く、その周りの知人等も口が悪く、互いに相手を扱き下ろすのが常だが、その会話がテンポ良くて小気味好いです。
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