世界遺産 の商品レビュー

寺沢精哲

2013/05/25

　世界の34の文化遺産を紹介し、その歴史を解説したもの。ヨーロッパ以外にもイスラエルやインド、ウズベキスタン、ハイチ、ラオス、マリ、ブラジルなど、あまり高校の世界史では扱われない地域が多く取り上げられ、観光としての世界遺産よりも世界史好きな人にぴったりな本。
　おれは世界史オンチなので、結構流して読んで終わってしまったのが残念だった。アメリカにも「アナサジ族の集合住宅（メサ・ヴェルデ）」とか、「巨大マウンド（カホキア土塁州立遺跡）」といったものがあって、そういった遺産の説明を読むのは初めてだった。34のうち行ったことがあったのは北京の周口店だけだった。どの国の調査団もあきらめて帰ってしまった後に頭蓋骨が発見されるというのが面白い。旧日本軍が絡んでいるというのも初めて知った。今年の夏行くポーランドのワルシャワや、英語史で習ったハドリアヌスの城壁は興味を持って読めた。ほんと世界史オンチなので、スリランカの歴史、とかましてやハイチの歴史とか言われるとどんだけマニアックなんだろう、とか思ってしまった。もう少し世界史が分かってから読むと面白かっただろうと思った。最後が日本の自然遺産候補が簡単な説明で示されているが、この本の趣旨とどう関係あるのかまったく分からないのが良くない。(13/05/25)