ぼくの伯父さんは、のんきな郵便屋さん の商品レビュー
ジャック・タチの映画を観ようにもなかなか手に入らない現状ですが、本作はノベライズ絵本で、沼田元氣さんの訳と解説があるので、タチの作風を知るのにはもってこいではないでしょうか。 装丁も凝った造りになっていて見ていて読者を飽きさせません。 ちなみに、50年代に出版された三笠...
ジャック・タチの映画を観ようにもなかなか手に入らない現状ですが、本作はノベライズ絵本で、沼田元氣さんの訳と解説があるので、タチの作風を知るのにはもってこいではないでしょうか。 装丁も凝った造りになっていて見ていて読者を飽きさせません。 ちなみに、50年代に出版された三笠書房・若草文庫からの『ぼくの伯父さん』は、ネット通販でプレミア価格となっており、そちらもなかなか手に入らないので、私は本作を読むことにしました。 一読して、「ああ、いいな」と感じました。フランスといえばパリでの都市旅行を夢みたりする方々も多いとは思いますが、本作の舞台サント・セヴェール村は、パリから2時間以上も離れたフランス南西部です。そこに住む人達の暮らしも映画撮影当時の様子も沼田さんの解説でうかがい知ることができます。 道徳や教訓ではなく、ある種の物の見方とそれを面白がることを伝えようとしたジャック・タチ(沼田さん・意訳)とのことですが、タチが伝えようとしたことの方が、普遍的な価値があるのではないかなと、今思っています。それで「ああ、いいな」です。 (本書からの脱線ですが、)むかし大学入試の問題に<アメリカ合理主義的生き方vsイタリア楽観主義的生き方>のどちらかの立場で小論文を書く問題がありました。何故かその問題をいま想起しています。 あれから20年ほど経ちましたが、私自身はすっかりアメリカ式になってしまっているような気がします。それはそれでよかったのかもしれないけど、別の道もあったのだろうし、いまの私自身の閉塞感を突破するのに、タチ作品になんらかのヒントがあるかもなと思ったりしています。 そこにある人生への幸せと、ここにいる自分へのユーモア。 本作はこれらを思い出させてくれたように思います。
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フランスの郵便配達人ふらんそわは、自転車でマイペースで配達しています。ところが、お祭りの日に見た映画のアメリカの郵便配達は、飛行機からパラシュートで降りたり、バイクで火の中を通り抜けたり、とにかく早い! 次の日から、フランソワはアメリカ人に負けじと猛スピードで配達し始めますが…。...
フランスの郵便配達人ふらんそわは、自転車でマイペースで配達しています。ところが、お祭りの日に見た映画のアメリカの郵便配達は、飛行機からパラシュートで降りたり、バイクで火の中を通り抜けたり、とにかく早い! 次の日から、フランソワはアメリカ人に負けじと猛スピードで配達し始めますが…。 タチのお話しも楽しいけど、ラモットの挿し絵も最高です!
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