デッドエンドの思い出 の商品レビュー
収録されている5つの物語はどれも「ハッピーエンド」ではないが「バッドエンド」でもない。強いて言えば(ゲーム的に言えば)「トゥルーエンド」のようなものだと思う。ネガティブな状況から解放されていく物語はありきたりでご都合主義なものになりがちだが、よしもとばななの描く主人公はどこかあっ...
収録されている5つの物語はどれも「ハッピーエンド」ではないが「バッドエンド」でもない。強いて言えば(ゲーム的に言えば)「トゥルーエンド」のようなものだと思う。ネガティブな状況から解放されていく物語はありきたりでご都合主義なものになりがちだが、よしもとばななの描く主人公はどこかあっけらかんとしていて、逆境を”ゆっくりと時間をかけて良く咀嚼して嚥下していく”ような印象があり、読者をシラケさせない。
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よしもとばななさんの小説を初めて読みました。 お気に入りのカフェで始めの数ページを読んで、すらすらと頭の中に入ってきたので購入してみました。 よしもとさんの書く表現や考えかたが、素敵だな〜と思える文ばかりで、「幽霊の家」と「デッドエンドの思い出」はこれから先も何回も読み直すん...
よしもとばななさんの小説を初めて読みました。 お気に入りのカフェで始めの数ページを読んで、すらすらと頭の中に入ってきたので購入してみました。 よしもとさんの書く表現や考えかたが、素敵だな〜と思える文ばかりで、「幽霊の家」と「デッドエンドの思い出」はこれから先も何回も読み直すんだろうな、と読み終わってすぐに思いました。 2回目を読むときは、お気に入りの文を書き出したりしたいです*
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
よしもとばななの短篇集。たぶん高校生のときに読んだことがあったと思うが、あまり理解できなかった記憶がある。人々の会話や言葉がうつくしくしつこくなく書かれているのがお気に入り。 「幽霊の家」がいちばん好き。ロールケーキ屋の息子と洋食屋の娘の恋愛模様がやさしく描かれている。極めて現実的で、だけど飾らない言葉の数々がすごくいい。そこに、幽霊が出てくる。恐ろしいものではなくて心が穏やかになるような人の生活の痕のようなものだ。 「おかあさーん!」も雰囲気は「幽霊の家」に似ている。突然毒を盛られた主人公。事故に近いが。ほんの些細なきっかけが感情の爆発と人の縁を生む。 「あったかくなんかない」はとても短い。小さい頃の話、今はもういないまことくんという男の子の話。 「ともちゃんの幸せ」はよくわからなかった。のんびりとしたともちゃんの人生と淡い恋が描かれているのだがなぜともちゃんはいつでもひとりぼっちではなかったのか。 最後は「デットエンドの思い出」。婚約した恋人を取られる女の子。他人である西山君との会話が、「キッチン」のみかげと雄一の会話を思わせた。西山くんとはみかげと雄一と同じで恋人同士ではないけれど人との関わりの良さを思わせる話だった。人と出会って別れることは嬉しくて楽しくて辛くて、そういう感情が当たり前だけど大切だと思えた。
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吉本さんからよしもとさんに変わったのか。あまりにも久しぶり過ぎて名前を変える経緯が全くわからないけれど、文体や表現力、文章のもつ透明さは昔読んだ作品となんら変わっていなかった。 静かに流れる時間とシンとした少し冷たいような空気のなかにあるひだまりのような関係と温もりいっぱいの人た...
吉本さんからよしもとさんに変わったのか。あまりにも久しぶり過ぎて名前を変える経緯が全くわからないけれど、文体や表現力、文章のもつ透明さは昔読んだ作品となんら変わっていなかった。 静かに流れる時間とシンとした少し冷たいような空気のなかにあるひだまりのような関係と温もりいっぱいの人たち。ドロドロとしたものが苦手で、嫌なものや嫌いなタイプの人達を深く描写しようとしない感じ。 この作品は5つの短編で構成された小説だけれども、主人公の持つ雰囲気が同一で出てくる男の子の系統も同じ。私を読了へと向かわせるのはこの人の持つ繊細な表現力以外にないんだよな~。 嫌いではないけれど、次に読むのはまた10年後でもよいかな。
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5つの話で構成された短編集。 様々なことがきっかけで人生につまずいてしまった主人公達が、 ほんわかした温かみのある、吉本ばなな特有の文章で綴られている。 内容も、苦かったり辛かったり、 すべてが恋にまつわってはいるけれど、 読み終えた後は家族や友達、自分を支えてくれている身の...
5つの話で構成された短編集。 様々なことがきっかけで人生につまずいてしまった主人公達が、 ほんわかした温かみのある、吉本ばなな特有の文章で綴られている。 内容も、苦かったり辛かったり、 すべてが恋にまつわってはいるけれど、 読み終えた後は家族や友達、自分を支えてくれている身の回りの人達の顔を思い出して、 ありがとうって無性に言いたくなる。 なんだか温かくて幸せな一冊。
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ずっと読みたくて狙っていたのにタイミングが合わず借りれなかった本。ようやく読むことができました、今度本やでこの本を見つけたら購入しようと思います。 「あったかくなんかない」の冒頭が、すごい。この文章に出会えたこと、それを言語化してはっきり伝えることができる著者の鋭い感覚にやられて...
ずっと読みたくて狙っていたのにタイミングが合わず借りれなかった本。ようやく読むことができました、今度本やでこの本を見つけたら購入しようと思います。 「あったかくなんかない」の冒頭が、すごい。この文章に出会えたこと、それを言語化してはっきり伝えることができる著者の鋭い感覚にやられてしまった。 表紙からオーラ。
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すきだった人がすきだと言った本。 この本をすきだと言った彼のこと、やっぱり結構すきだな、と思った。
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やわらかい表現なのにどこまでも生々しくて、でもそれは感覚的な綴り方、なのに私のいつも言いたくて詰まってることを上手く代弁してくれる。
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