サウンドトラック の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この人のハナシ、一挙に読むってことはできないんだけど、読むのやめようかなーって思うとやっぱり先が知りたいな、って感じで結局最後まで読んでしまう。 「アビシニアン」とか、「13」と共通してるのってサバイバル?好きなのかなぁ。 あと、共通しているのは、軸になる登場人物が複数いて、物語が平行して進み、いつのまにか一本の話になる。終わりがイマイチ。 もうすこし、トウタとヒツジコの考え方を知りたかった。
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ヒートアイランド化の進む東京のお話。…としか、書けない。上手く説明できません。古川さんの本は読むのが結構しんどいですが、おすすめ。
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舞台はヒートアイランド現象が激しい日本。なりゆきで無人島に流れ着いた少年・トウタと少女・ヒツジコ。二年に及ぶ無人島生活から普通の世界に救出された二人。トウタは世間に馴染みきれず「ガイジン」裏社会に入り込み、ヒツジコは養女に貰われていくものの、実の母に捨てたれたトラウマと踊りへの異...
舞台はヒートアイランド現象が激しい日本。なりゆきで無人島に流れ着いた少年・トウタと少女・ヒツジコ。二年に及ぶ無人島生活から普通の世界に救出された二人。トウタは世間に馴染みきれず「ガイジン」裏社会に入り込み、ヒツジコは養女に貰われていくものの、実の母に捨てたれたトラウマと踊りへの異常な関心から、果ては改革者への道を進み・・・とか書いてるとなんか訳わかんないんですが(^^;ここに烏を友とし、映像を武器とする性別不詳のレニの物語が加わってきて、ニシオギ、レバノン(注:日本国内)などを舞台としてなんと説明したらいいのか分からない改革物語が始まります。この物語は3本の話を合体させて加筆して完成させたものなのだそうで、前半部と後半部とで話のイメージが大分違います。全体を通して強烈に伝わってくるのは「開放」というイメージ。うだったような重苦しい空気を様々な手段で、人間や烏を「解放」していく少年少女たち。ある意味全編熱に浮かされたような話で、何が狂気で何が正しいのか、何が無理があって何がありえないのか、どんどん麻痺していってしまい、最終的には「・・・もうなんでもありだ」という気分になってました(苦笑)個人的に好きなのはレニと映画屋さん。そしてヒツジコの戦友(?)のユーコちゃん。面白かったんですが、ちょっと全体がばらばらした感があったのと、ラストがちょっと「え〜?」って感じだったので星4つ。・・・暑い夏にはちょっと暑苦しい本でした(^^;
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前半は文句なく面白い。最初の一行で持っていかれるのは相変わらず。後半、この世界観が好きな人にはいいんだろうけど、私にはちょっと・・・という感じ。京極夏彦の『ルー・ガルー』が好きならお勧め。
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嵐。トウタは乗っていたクルーザーで音楽の死と、父親の死を確認する。 船。ヒツジコは海に投げ出される。波に翻弄される。 二人は無人島に流れ着き、暮らして、いずれ発見されて、東京に行く。 ヒートアイランド化を続ける東京は、いずれ壊れていく。 そんなお話。 例えばこのお話...
嵐。トウタは乗っていたクルーザーで音楽の死と、父親の死を確認する。 船。ヒツジコは海に投げ出される。波に翻弄される。 二人は無人島に流れ着き、暮らして、いずれ発見されて、東京に行く。 ヒートアイランド化を続ける東京は、いずれ壊れていく。 そんなお話。 例えばこのお話に「順位」なんて物をつけようと思ったら、それはもう対象がないから不可能である事だと私は決着をつける。 って、語り口がおかしくなるほど、この本は面白い。 まず、帯に「近未来の東京を描く」なんてありますが、これは近未来のお話ではなく、完全な「SF」であります。同時に、思考実験でもあると思う。実験? 思考遊戯? つまり、細部が忠実であるのに、歪なリアリティが「SF」なのです。 登場人物はこんなに長大な物語なのにそれほど多くはなく、むしろ、トウタとヒツジコ(あともう一人と一匹)以外はこの世界を成り立たせてるただの支柱であると言っても良い。 それが絡まり合う事もなく、しかし各々生きて東京を完成させている「生々しさ」が素晴らしい。 トウタとヒツジコでさえ、途中絡まり合う事はない。無人島に流れ着き、一緒に暮らした経験さえまるで無意味に、繋がらない。 話は跳躍を続けるけれど、それに不自然さはまるでない。超自然的な現象だって、目の前にあるのは現実だと思える。のめり込める。 小説的な伏線も、小説的な盛り上がりも、小説的な躍動感も無く、ただ繰り広げられる(仮想)現実についていくのに読者は疲れてしまう。 でも、達成感にも似た読後感は、たぶんこの本でしか味わえないと思う。ただ長い訳ではない。ただ詰め込まれたわけではないリアリティが、やはり素晴らしい。 最後、物語が終結していく様はとんでもないカタルシスだった。こんな方向へ向かうなんて、と感嘆とする。 たとえばそれって「伏線」が活きているわけなんだろうけれど、上記の通り伏線なぞ関係なく、つまり現実的に凄かったのだ。 まさか東京があんな事になるなんて!(ひっぱろう) 映像化は不可能だし、しなくて良いとも思う。抽象的なはずなのに、がんがん視野に映像が飛び込んでくるような文章がそこにあるから。 素晴らしい装幀に、素晴らしいが癖のある内容。そして1900円。 買うか否かは、任せます。 注・買うつもりならば、公式ページは絶対に見ない方が良いです。
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●幼い子供二人が小笠原諸島でサバイバー! するハナシかと思ったら、違った・・・。 そこで普通の家庭に引き取られて、そこで葛藤するハナシでもなく(←まあしなくもありませんが)、はッと気がつけば、やっぱりSF? 一見して純文学系統なのに、なんだかSFにカテゴライズしてしまいたくなるの...
●幼い子供二人が小笠原諸島でサバイバー! するハナシかと思ったら、違った・・・。 そこで普通の家庭に引き取られて、そこで葛藤するハナシでもなく(←まあしなくもありませんが)、はッと気がつけば、やっぱりSF? 一見して純文学系統なのに、なんだかSFにカテゴライズしてしまいたくなるのは、奥泉光と同じかも。いや同じか?? 自問自答。 ●それはさておき面白かったです。 天童荒太キャラの如く(・・・)悩むのかと思ったトウタが、いつのまにやらサフィアーンみたいに突き抜けてたのが楽しかったよ。 ヒツジコが女の子たちを率いるくだりも、こりゃ美少女戦隊ですかいッ!? て感じだし。 ●しかし、やはり主役は都市。東京。 招き寄せて殺戮し、その豊潤さで腐乱して行く混沌の退廃美。 都市が、世界が滅びる話は、なべて面白く美しいものだと確信させてくれる物語。
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