知的生産の技術 の商品レビュー
【読者ログ1冊目】知的生産の技術 京都大学で教授をされていた梅棹忠夫さんがインプットからアウトプットに至るまでに必要な技術、守るべき様式について書いた本。 本を読むまで知らなかったのですが、戦後の文化人類学の大家として数々の著作を残された方です。 個人的にこの方の天才ぶりを...
【読者ログ1冊目】知的生産の技術 京都大学で教授をされていた梅棹忠夫さんがインプットからアウトプットに至るまでに必要な技術、守るべき様式について書いた本。 本を読むまで知らなかったのですが、戦後の文化人類学の大家として数々の著作を残された方です。 個人的にこの方の天才ぶりを感じたのは下記の文章。 わたしは、たとえばコンピュターのプログラムのかきかたなどが、個人としてのもっとも基礎的な技能になる日が、意外にはやくくるのではないかとかんがえている。(中略)社会が、いままでのように人間だけでなりたっているものではなくなって、人間と機械とが緊密にむすびあった体系という意味で、いわゆるマン・マシンシステムの展開へすすむことが必至であるとするならば、それも当然であろう。(p.15) 情報の時代における個人のありかたを十分にかんがえておかないと、組織の敷設した合理主義の路線を、個人はただひたすらにはしらされる、ということにもなりかねないのである。(p.18) この書籍の初版が1969年。今から50年前に書かれた文章です。おそらく当時これを読んでピンと来た人はそう多くはなかったのでなないかと思います。 50年後の今まさに議論されていることを言い当てられていて、その未来予測力にただただ驚かされました。 本題の「知的生産の技術」についても、非常に勉強になる部分がたくさんありました。 いかんせん50年前の本なので、内容をそのまま適用するのが難しい場合(例えば切り抜きやタイプライターの使い方など)もありますが、今あるITツールに置き換えて実践することも十分可能です。 アイデアを発想し、それをかたちにする技術や心得について学べるので、興味がある方はぜひ読んでみてください!
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たまたま国立民族学博物館へ行った際、著者のことを知ったので読んでみた。 著者は同博物館の初代館長を務められた梅棹忠夫先生。 まず、50年も前に書かれたものとは思えない新しさに驚愕した。 同時に、細部に至るまで、僭越ながら自分も同じようなことを考えていたので、とても勇気を得た。 ...
たまたま国立民族学博物館へ行った際、著者のことを知ったので読んでみた。 著者は同博物館の初代館長を務められた梅棹忠夫先生。 まず、50年も前に書かれたものとは思えない新しさに驚愕した。 同時に、細部に至るまで、僭越ながら自分も同じようなことを考えていたので、とても勇気を得た。 (そしてこれをきっかけに梅棹ワールドにはまっていく・・・。) この世代の京大・東大出身者は優秀な人が多い。 戦後の高度経済成長の背景には、こうした学者さんたちの活発な議論があったのだろうということが推察される。 停滞している今こそ広く読まれるべき本。
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当時なら参考になったと思うが、これほどに技術が発達していると、カードではなくてスマホやパソコンに頼ってしまいたくなる。前田社長の「メモの魔力」を思い出した。メモの方が私には向いてるかも。日記について、“自分への業務報告”と捉える考えに対しては、なるほど!と思った。
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京大式カードの創始者である著者による、知的生産の方法論。初版が1969年でスマホもパソコンもない時代だが、今でも通用する内容ということに驚かされる。文章を書く上で情報を集めて組み立てるには、地道な鍛練を積み上げていくのが一番だ、ということに、改めて納得。
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noteにて感想文を書くため、数年振りに再読した。 何度読んでも驚かされるのは、古典にも関わらず非常に読み易いのと、現代での知的生産活動でも通じる手法が提案されていることである。 流石にタイプライターは「時代だなあ」と苦笑いせざるを得ないが、今では高性能はパソコンがある。データ...
noteにて感想文を書くため、数年振りに再読した。 何度読んでも驚かされるのは、古典にも関わらず非常に読み易いのと、現代での知的生産活動でも通じる手法が提案されていることである。 流石にタイプライターは「時代だなあ」と苦笑いせざるを得ないが、今では高性能はパソコンがある。データや情報の管理もクラウドやアプリでチョチョイのチョイ。メモだって、カードを使わずスマホのメモアプリが使える。Evernoteなら尚のこと簡単に効率よく、写真も文章も纏められる。 ただ、余りに便利すぎるので知的生産活動の幅が、著者が生きた時代よりも窮屈なのではと不安にもなる。本書はあくまでも指南書で、ハウツー本ではない。寧ろ知的活動をテーマにしたエッセイだ。 故に、より一層不安と少しの焦りが募る。自分も享受するだけの身から脱して、新しい何かを見つけたり生み出したりしなければ。
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川喜田二郎の発想法を読んだのはもう2、30年前で、この本に紹介されたブレーンストーミング、KJ法にはかなり衝撃を受けた。そのKJ法の祖とも言えるのが梅棹忠夫先生の知的生産の技術、京大式カードだったとは、今週この本を読んで知った。 あまり目新しさはないというか、45年も前の本なの...
川喜田二郎の発想法を読んだのはもう2、30年前で、この本に紹介されたブレーンストーミング、KJ法にはかなり衝撃を受けた。そのKJ法の祖とも言えるのが梅棹忠夫先生の知的生産の技術、京大式カードだったとは、今週この本を読んで知った。 あまり目新しさはないというか、45年も前の本なのに古くさい感じはしなかった。でも、発想法ほどの感動もなかったので、発想法を読み返してみるかな。
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・勝間和代さんの紹介文より図書館で借りた。 1986年の本だが、情報化の創出が必要など 先進的な著者の意見に驚いた。 ・1枚1葉のカードを使う→「京大型カード」 ・整理と事務→「ファイリング」 ・読書法 ・『読書論』小泉信三 ・『私の読書法』大内兵衛・茅誠司 ...
・勝間和代さんの紹介文より図書館で借りた。 1986年の本だが、情報化の創出が必要など 先進的な著者の意見に驚いた。 ・1枚1葉のカードを使う→「京大型カード」 ・整理と事務→「ファイリング」 ・読書法 ・『読書論』小泉信三 ・『私の読書法』大内兵衛・茅誠司 →”読むこと”と”食べること”は似ている。 様々な本を読むこと →著者の思想を正確に理解し、自ら「発見」する。
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情報の蓄積の容易さのための最適なまとめかた(タイプライターで書く、カードで持ち歩く、フォーマット決める)、活用のやり方(カードでの整理)のエッセンスをつかんだ。 残すことの芸術性でなく、中身を大事にしなさい、というメッセージを受け取った気がする。 なお、ひらがなカタカナタイプライ...
情報の蓄積の容易さのための最適なまとめかた(タイプライターで書く、カードで持ち歩く、フォーマット決める)、活用のやり方(カードでの整理)のエッセンスをつかんだ。 残すことの芸術性でなく、中身を大事にしなさい、というメッセージを受け取った気がする。 なお、ひらがなカタカナタイプライターのくだりは、ビジネス書云々でなく普通に読み物として面白かったです。
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なるほど良い本だと思います。自身でもいろいろ工夫してきましたが、まだまだだったようですね…( ̄▽ ̄;)。少し反省しました
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「知的生産の技術」とうたった本はいくつもあるが、知の巨人である梅棹忠夫が書いたものだけに、本書は類書を寄せ付けない説得力を持っている。 知的生産とは、「人間の知的活動が、なにかあたらしい情報の生産にむけられているような場合」のことと定義づけている。梅棹の知的活動は、知識の吸収に向...
「知的生産の技術」とうたった本はいくつもあるが、知の巨人である梅棹忠夫が書いたものだけに、本書は類書を寄せ付けない説得力を持っている。 知的生産とは、「人間の知的活動が、なにかあたらしい情報の生産にむけられているような場合」のことと定義づけている。梅棹の知的活動は、知識の吸収に向けられるよりむしろ、新しい創造に向けられているのである。 1969年に出版された本であるが、内容はまったく古びていない。
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