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みんな山が大好きだった の商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

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2022/02/21

まさしくアルピニストへの鎮魂歌というような作品です。 私は純インドア人間なので、山に赴き危険をおかす気持ちはちょっと理解できないのですが、下界での生活は整えられすぎていて満足出来ない、死と隣り合わせにあってこそ生の実感があるというような感覚は頭では理解出来る。 ある意味自分に正直...

まさしくアルピニストへの鎮魂歌というような作品です。 私は純インドア人間なので、山に赴き危険をおかす気持ちはちょっと理解できないのですが、下界での生活は整えられすぎていて満足出来ない、死と隣り合わせにあってこそ生の実感があるというような感覚は頭では理解出来る。 ある意味自分に正直な生き様と言えるかと思う。 山際さんの人間という生き物への目線が好きです。

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2021/08/30

タイトルは「みんな山が好きだった」だけれど、 山が好きとかそんな生易しいものじゃない。 普通の生活には馴染めず、 山に登らずにはいられない者たち。 「山男たちの死に方 ~雪煙の彼方に何があるか~」 元のタイトルの方が、 この本の壮絶な内容をよく表している。 山に生き、山で死んだ武...

タイトルは「みんな山が好きだった」だけれど、 山が好きとかそんな生易しいものじゃない。 普通の生活には馴染めず、 山に登らずにはいられない者たち。 「山男たちの死に方 ~雪煙の彼方に何があるか~」 元のタイトルの方が、 この本の壮絶な内容をよく表している。 山に生き、山で死んだ武骨な男たちの記録だ。 山際淳司は穏やかでスマート、 都会的で洗練された印象がある。 でもこの人の根底には、 間違いなく泥臭く煮えたぎる激情がある。 爽やかな外見の下で、マグマが渦巻いている。 危険が排除され快適で安全、 そんな生活へのアンチテーゼがこの本にはある。 この本が書かれた1995年から四半世紀、 世の中はさらに便利になり、 危険なもの鋭利なものは 丁寧に取り除かれようとしている。 人と人との間は滑らかに保たれ、 穏やかな交流がもてはやされる。 この文庫のあとがきを書く予定の中で、 山際淳司は逝ったそうだ。 だからあとがきを奥さんが書いている。 まえがきで山際淳司は 幸福な死に方について述べている。 最後まで書き続けた彼の死は、 幸福の中にあったと思いたい。

Posted byブクログ

2020/05/19

山に憑かれ山に倒れたアルピニストたちを描く。山際淳司が闘病中に執筆した遺作。 単に登山の本かと思い深く考えず読む。思いのほかシリアスな内容。 究極の正にデスマッチ。困難な条件での登山を繰り返し命を落とした登山家ラアルピニストたちの壮絶な人生。 スポーツノンフィクションの名手...

山に憑かれ山に倒れたアルピニストたちを描く。山際淳司が闘病中に執筆した遺作。 単に登山の本かと思い深く考えず読む。思いのほかシリアスな内容。 究極の正にデスマッチ。困難な条件での登山を繰り返し命を落とした登山家ラアルピニストたちの壮絶な人生。 スポーツノンフィクションの名手だけに、「登山」という体を使う行動についての深い洞察が素晴らしい。 筆者が46歳で病死したこともあり、人生について深く考えさせられる。平凡に生きるだけが人生ではない。

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2019/05/04

スローカーブをもう一球、が大変面白かった山際さんの本、ということで見つけた瞬間に即買い。有名なアルピニストの最期をノンフィクションで描く。男たちはなぜ危険とわかる山に登り、そして山に散っていったのか… その問いに答えはない。それは本人さえも明確な答えはなかったかもしれない。だから...

スローカーブをもう一球、が大変面白かった山際さんの本、ということで見つけた瞬間に即買い。有名なアルピニストの最期をノンフィクションで描く。男たちはなぜ危険とわかる山に登り、そして山に散っていったのか… その問いに答えはない。それは本人さえも明確な答えはなかったかもしれない。だからこそ、想像するのだ。死にゆく瞬間に何を思ったのか。何を考えたのか。後悔はしたのか。それとも自分の生き方を誇りに思ったのか。その美学を表現したのがこの本だと思う。自分は助かるかもしれない状況にもかかわらず、死を覚悟し友ととどまりつづけ殴り書きで最後の言葉を残す… 男の臭いダンディズム、では語れない儚くて潔い美しさがある。

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2019/02/05

山で遭難や滑落して亡くなった名アルピニストたちの実話 名アルピニストたちがいかに消えていったかを検証してるのですが 正直 本当の山好きじゃないと 面白くないかもしれません ^_^; ですので 今回の紹介の本は 勧めません ^_^; 特に これから 山登りしようと考えてる人は読ま...

山で遭難や滑落して亡くなった名アルピニストたちの実話 名アルピニストたちがいかに消えていったかを検証してるのですが 正直 本当の山好きじゃないと 面白くないかもしれません ^_^; ですので 今回の紹介の本は 勧めません ^_^; 特に これから 山登りしようと考えてる人は読まない方が良いかも ^_^; でも 興味がある方は ぜひ 読んでみてください ^_^ 追信 雪山に登る自分には 良かったと思います ^_^v

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2018/11/03

あまりスポーツドキュメント作品は読みません。ただ、沢木耕太郎さんの「敗れざる者たち」と山際淳司さんの「江夏の21球」は、記憶に残っています。今回の作品も面白かったです。山に魅せられた男たちの生き様や死に様が、作者の優しい視線で描かれています。私には到底できない生き方をした男たちに...

あまりスポーツドキュメント作品は読みません。ただ、沢木耕太郎さんの「敗れざる者たち」と山際淳司さんの「江夏の21球」は、記憶に残っています。今回の作品も面白かったです。山に魅せられた男たちの生き様や死に様が、作者の優しい視線で描かれています。私には到底できない生き方をした男たちに憧憬を感じました。

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2018/11/21

山際淳司氏が生きていたら、このスポーツはどう描くのだろうとか、 ふと本を読み返したり、手に取ったりすると考えることがある。 この世にもしはないことがわかっていても考えてしまうわけで・・・ 本著は、アルピニストの生きざまを描いたノンフィクションです。 加藤保男、森田勝、長谷川...

山際淳司氏が生きていたら、このスポーツはどう描くのだろうとか、 ふと本を読み返したり、手に取ったりすると考えることがある。 この世にもしはないことがわかっていても考えてしまうわけで・・・ 本著は、アルピニストの生きざまを描いたノンフィクションです。 加藤保男、森田勝、長谷川恒男etc... 山に登る人たちは、自分の極限を見ているのかもしれない、時として命を落とすことがあっても それを覚悟して山に登る 沢木耕太郎氏の凍を読んだ時にも同じような感じを描いたのを思い出す。 彼らは、自分との死闘の末、雪山に消えていく・・ 文章表現が秀逸、何とも言い難いこの感じをうまく証言できない自分がもどかしい。 山に興味がない人も読んでほしい1冊

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2018/04/12

改題前のタイトルはなんと、「山男たちの死に方」 故人となったアルピニストたちの足跡と、壮絶な遭難事故の状況が綴られ、彼らの死生観に深く切り込んでいる。 本作が山際氏の遺作で、闘病末期に描かれた事をあとがきで知る。

Posted byブクログ

2019/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2018/1/10 Amazonより届く。 2019/6/24〜6/26 「江夏の21球」で有名な山際淳司さんが伝説的なクライマー、登山家を取り上げたエッセイ。加藤保男、森田勝、長谷川恒男、松濤明、加藤文太郎ら邦人の他にも、欧米人のクライマー達の山に対する姿勢が描かれる。山に登る意味を再考させられた。

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2017/08/20

著者のノンフィクションは冷徹な筆致。だからといって一切の主観を交えないというものではなく、随所に著者の考察を挟む。ときには、今の若者は。。。みたいな紋切り型のオッサンの批評が出てきてため息をつくこともあるけれど。概ね、透明で冷涼な印象を保っている。嫌な汗臭さがなく、過度に熱くなら...

著者のノンフィクションは冷徹な筆致。だからといって一切の主観を交えないというものではなく、随所に著者の考察を挟む。ときには、今の若者は。。。みたいな紋切り型のオッサンの批評が出てきてため息をつくこともあるけれど。概ね、透明で冷涼な印象を保っている。嫌な汗臭さがなく、過度に熱くならず、それでも対象に迫り、内在的な論理を暴きだそうとする。不思議な文体だなーと思う。 特に印象的だったのは、終盤の単独クライマーを扱っているあたり。単独なので記録や証言が少ないというハンデを背負いながらも、数少ないメモなどからクライマーの物語を紡ぎ出し、でも絶対に主観で肉付けを行わない。淡々としているという印象になるので、不思議。

Posted byブクログ