三つの冠の物語 の商品レビュー
とても純粋な気持ちになれる清々しい短編小説でした。 文字の大きさが大きく、話も短い三話(それぞれの話に関連はありません)でした。 気軽に読めるので、軽い気持ちで読んでみてもいいかもしれません。
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こちらは古代を舞台にしたサトクリフの短編集です。 タイトルどおり3つの冠にまつわるお話で、1作目の「ヒースの花冠」が1,2世紀頃にブリテン島に住んでいたケルト人部族での物語、2作目の「樫(オーク)の葉の冠」が3,4世紀頃のピクト人と戦うローマ軍での物語、3作目の「野生のオリーブ...
こちらは古代を舞台にしたサトクリフの短編集です。 タイトルどおり3つの冠にまつわるお話で、1作目の「ヒースの花冠」が1,2世紀頃にブリテン島に住んでいたケルト人部族での物語、2作目の「樫(オーク)の葉の冠」が3,4世紀頃のピクト人と戦うローマ軍での物語、3作目の「野生のオリーブの栄冠」が紀元前ギリシャのオリンピックでの物語です。 どの作品も戦いや対立の中で出会う2人の人物の友情の物語で、その友情にこれら3つの冠が関わっているという仕掛けになっています。 舞台も登場人物もバラバラな3つの物語であるにも関わらず、この「冠」という共通項がこの物語全編を貫く「核」のような働きをしていて、彼らが示した「美しいもの」を象徴するかの如く、心に残ります。 3作品、優劣はつけ難いのですが、個人的な趣味としては最後の「野生のオリーブの栄冠」が最も好きなタイプのお話だったと思います。 やっぱり舞台装置が半端じゃなくドラマティックなんですよね~。 古代オリンピックにおけるアテネとスパルタの陸上選手の友情物語で、当時この2都市は戦争中だったのですが、「オリンピック開催のための休戦」というある種の特別期間における物語。 で、メインとなる2人が現段階では戦闘には参加していないいわゆる「未成年(≒ 少年)」で、もう間もなく大人の仲間入り(≒ 出兵)というホントに限られたタイミングに出会うんですよ。 いずれには戦に駆り出されることになることはわかっているけれど、戦自体がまだまだ実体験にはなっていないというあまりにも微妙な時期に・・・・・。 (全文はブログにて)
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ヒース・オーク・オリーブ〜ヒースの冠:ウェールズにケルト人がいた時代,アイルランドから侵入し捕虜となった少年を救った族長の娘。泉の許には巨石が建ち,女神としてヒースの冠が架けられていたが,仲間の許に逃げ帰る少年が巨石の根本から槍を引き抜いたことにより,城には飲料水が再び流れるよう...
ヒース・オーク・オリーブ〜ヒースの冠:ウェールズにケルト人がいた時代,アイルランドから侵入し捕虜となった少年を救った族長の娘。泉の許には巨石が建ち,女神としてヒースの冠が架けられていたが,仲間の許に逃げ帰る少年が巨石の根本から槍を引き抜いたことにより,城には飲料水が再び流れるようになる。オークの冠:ピクト人の攻撃に曝されていたブリテンの居酒屋で,金メッキされたオークの冠を貰ったのは俺かも知れないと話す馬丁の許に,メッキの剥げた冠が届けられる。オリーブの冠:アテネからオリンピックのスタディオン往復走に参加した少年は,スパルタの少年と知り合い,競技までの1ヶ月間のグラウンド整備と練習を行っていたが,誰かが忘れた鎌でスパルタの少年が傷を負ってしまう。競技当日,アテネとスパルタの一騎打ちとなり,アテネの少年は雑念を捨てて勝利を収める〜やっぱり,ローマン・ブリテン時代の作品が佳い。乗馬は得意でも心臓に病を抱えていなかったブリテン人が自分とそっくりのダキア騎兵が戦闘を前に尻込みしている姿に,入れ替えを決め,軍功を挙げる・・・なさそうな,あったら嬉しい物語だ。サトクリフの人生をなぞるようだしね
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