灰と土 の商品レビュー
名誉に関わる復讐、それが存在意義とも変わり得る伝統を持つ社会で、復讐の連鎖を断とうとする者の葛藤。 百ページ強の短編だが、悲劇を知らされない序盤と、悲劇の決着の付け方に翻弄される終盤との間に、濃厚なドラマと土地の歴史が展開される。抑制された短文の積み重なりが、この土地を見舞った地...
名誉に関わる復讐、それが存在意義とも変わり得る伝統を持つ社会で、復讐の連鎖を断とうとする者の葛藤。 百ページ強の短編だが、悲劇を知らされない序盤と、悲劇の決着の付け方に翻弄される終盤との間に、濃厚なドラマと土地の歴史が展開される。抑制された短文の積み重なりが、この土地を見舞った地獄を、冷静に思慮深く伝えることに成功している。 訳者による解説がまた秀逸。アフガン文学と、インドやペルシャ、欧州との関わりを分かりやすく解説している。
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世界の小説を読む第13冊目アフガニスタン 「灰と土」アティーク・ラヒーミー ああ、衝撃、衝撃、ただひたすら衝撃の一冊。咎めと悔悟を含んだ「君は」の二人称で、恐ろしくスローペースに、土埃にまみれながら道端で途方に暮れる老人を描写する。彼の傍には幼い子が一人。そこからの老人の行動一つ...
世界の小説を読む第13冊目アフガニスタン 「灰と土」アティーク・ラヒーミー ああ、衝撃、衝撃、ただひたすら衝撃の一冊。咎めと悔悟を含んだ「君は」の二人称で、恐ろしくスローペースに、土埃にまみれながら道端で途方に暮れる老人を描写する。彼の傍には幼い子が一人。そこからの老人の行動一つ一つに、言葉には尽くしがたい重みが伴いつつ、ゆっくりと悲痛な物語が紐解かれる。老人が目にしたものは何なのか。そして、今何を一心に語ろうとしているのか。びっくりする程活字が大きく行間も広かったので一瞬で読み終わったが、その字数の少なさとは裏腹に、砂漠一つを抱えているかと思う程重かった。とにかく、とにかくこんな一冊があるとは思わなかった。今すぐにでも他の著作を読んでみたい。
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悲劇に打ちひしがれた老人の葛藤・・・。 渇いてる、とにかく渇いてる。 こんな悲劇がそこらじゅう溢れてるのだろう、今でもアフガニスタンでは。
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