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金で買えるアメリカ民主主義 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2009/10/04

 調査報道の旗手が新自由主義の本質を具体的な事例で明らかにする。それは、権力を金で買える国・アメリカの素顔でもある。アメリカという国家というよりもアメリカの企業によって世界がいかに支配されているかがよくわかる。そのためのシステムがIMFであり世界銀行なのだ。ただし、自由市場と規制...

 調査報道の旗手が新自由主義の本質を具体的な事例で明らかにする。それは、権力を金で買える国・アメリカの素顔でもある。アメリカという国家というよりもアメリカの企業によって世界がいかに支配されているかがよくわかる。そのためのシステムがIMFであり世界銀行なのだ。ただし、自由市場と規制緩和の新世界秩序は、あくまで輸出用で、アメリカ国内では州政府の権力を通して大衆が独占公益企業の価格や利益を規制するというから、アメリカという国は自国外からの富の強奪によって成り立っている国とも言えるのではないだろうか。

Posted byブクログ

2009/10/04

アメリカでの有数の気骨あるジャーナリストである筆者によるアメリカの民主主義の偽善を大々的に暴いたノンフィクション。 アメリカによる世界各国の民主主義化の裏側にある政治家や大企業の偽善を数多くの証言や資料を基に告発し、あまりにも豊富な具体例を提示している。その内容は非常に生々しい説...

アメリカでの有数の気骨あるジャーナリストである筆者によるアメリカの民主主義の偽善を大々的に暴いたノンフィクション。 アメリカによる世界各国の民主主義化の裏側にある政治家や大企業の偽善を数多くの証言や資料を基に告発し、あまりにも豊富な具体例を提示している。その内容は非常に生々しい説得力を伴うが、やや議論がアメリカ批判一辺倒である一方的過ぎる感は受けざるを得ない。 とはいえ、この書では、アフガニスタンへの空爆やイラク戦争、世界各国の民主化・グローバリゼーションにより、誰が儲かっているかを明らかにしている。その点で、読んでいてアメリカ民主主義の持つ、薄ら寒い営利主義を痛感した。 中でも、民営化の進展と同時に当該国の政治家の私腹が肥やされているという大胆な記述には、今の日本の郵政民営化をめぐる議論を投影せずにはいられなかった。 アメリカのばら色の民主主義の裏に、多国籍企業の思惑が、大きく関与しているということを知る上でも、必読であると言えよう。 アメリカ民主主義の信奉者もそうでない人も読んでいて損はない一冊だ。筆者の皮肉に満ち溢れた文章には虜になること間違いなしだ。

Posted byブクログ