亡国のゲーム(上) の商品レビュー

グレン・ミード(著者),戸田裕之(訳者)

大統領をはじめ米政府…

[文庫ＯＦＦ]

大統領をはじめ米政府上層部は対応に苦慮するが、ワシントン周辺にあるはずの凶器を探し出し、実行犯を捕らえようと秘密裡に大規模な探索を開始する。

2015/01/25

非常に強化された神経ガスがイスラムテロリストの手で密かにワシントンDCに持ち込まれ、無辜の市民を人質に湾岸諸国からのアメリカ軍の撤退が要求される。このフィクションが9.11の後に構想され、執筆されたものであれば、さして、驚くにはあたらないがこれが9.11直前にほぼ最終稿までいきながら、事件の後暫く経つての出版されたことには驚きを禁じ得ない。取材の過程でイスラム原理主義者による大規模テロの可能性を確信したという著者の後書きも未然に食い止めることが出来なかった現実の前では虚しく響く。

さて、ストーリーはワシントン市民を人質にされた合衆国政府が文字通り必死の交渉を試みつつ、一方でFBIによる徹底的な市中の探索が開始されるも一向に成果が上がらず焦燥感に包まれながら下巻へ続く。

中々、期待できる構成である