1,800円以上の注文で送料無料

嫌われ松子の一生 の商品レビュー

3.7

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    39

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2023/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

若い頃の浅はかとも言える行動で自業自得とも思い読んでいたが、それだけでもなく。 ただそれだけの判断ミスがあれよあれよと地の底に転がっていく人生は他人事ではなく当に誰にでも起こりうるんだよなぁとも思いながら読んだ。 場当たり的な行動をしたりするが松子のスペックはとても高いから少し違うだけで劇的に人生は変わっただろうに。 最後まで本当に救いがないがなんだろう、またいつか再読したい、そう思った。

Posted byブクログ

2023/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

果てしなく要領が悪くて、場当たり的に取り返しのつかないことをしてしまう人生。 そのせいで実家にも一生帰れず、新しい家族を作ることも叶わず、本当に救いがない。 やっと立ち直って明るい人生が見えるかと思ったところで、見知らぬ若者たちにリンチされて死んでしまうなんて… でも、死ぬ前に本当は妹のことが大好きだったことに気づいて、その妹が待つ天国へ旅立っていけたのはせめてもの救いだろう。 それに、死後ではあるが愛して信じてくれる甥っ子がいて、何十年かぶりに川尻家の一員となった実感があったのではないかと思う。 松子自信の人生は余りにも悲惨なものであるが、甥っ子がその人生を追う構成のため、松子の人生が肯定されるニュアンスもあって、読み手としては暗い気持ちになりすぎずに読み終えることができた。

Posted byブクログ

2022/02/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「男に流されて仕事をやめ、体を売るわクスリは打つは。ソープ嬢のときヒモを殺して投獄、脱獄未遂あり。」 概略だけまとめると、とてもまともな人とは思えない、そりゃ一族の面汚しと言われるのも仕方ないと思っちゃう。 けど、遺品整理を進めながら、松子を知る人の話を聞いていくと、どうもそんな簡単に片づけられる人生ではなかった気がしてくる。とんでもない人生だし、成功した人生でもないけれど、少なくとも一人の人がこの世に生まれて、自分なりに苦しんでもがいて立ち上がって、必死に生きた一生であったことが見えてくる。 そうして男子大学生は、見知らぬ叔母さんの人生を通して、初めて自分の人生を考え始める。 という感じのストーリー。 感想としては、もう、怖いですよね、人生。 山田詠美「学問」を読んで以降の僕の圧倒的な人生の実感は、「青春は綱渡り、死と隣り合わせ」である。これを大人はみんな(ほとんどそれとは知らないうちに)死に物狂いで向こう岸に渡り切ってきたのだ。奇跡的に。 松子はそれを踏み外した。残念ながら。悪い人だから踏み外す訳じゃない。それが怖い。中村文則「土の中の子供」に見られるように、生い立ちが踏み外させることもあるし、絶望的な生い立ちでありながらも渡り切る人だっている。 変な言い方ですけど、まともな両親のもとに生まれてくること、その両親がまともに育ててくれること、自分を破壊するような人が周囲にいないこと、自分自身の性格が自己破壊的でないこと。これらの確率が仮に全て8割だと、つまり8割は大丈夫だと仮定しても、これら4つの条件すべてを満たす確率は、0.8の4乗で、わずか4割程度。10人に6人は踏み外すことになる。そう考えると、踏み外さないよう導いてくれた両親に感謝するし、関わってきたすべての友人たちに感謝するし、神にも仏にも感謝するし、生きてるだけでほんと有難いって気持ちになる。 そして、頼むから子供たちよ、なんとか、渡り切ってくれ!と願う。 いかん、もうほとんどの作品の感想がこの切り口になってきとる。

Posted byブクログ

2020/01/23

タイトルだけしか知らなかった作品をやっと読んだ。読む前は、なんだか任侠道に生きた女傑の話なのかと勘違いしていたけどまったく違い、ひたすら真の愛を探し続けたけれども しかし哀れで悲しい愚かな道を歩んでしまった可哀想な女「松子」の話だった。ちょっとタイトルが一人歩きした感がある作品だ...

タイトルだけしか知らなかった作品をやっと読んだ。読む前は、なんだか任侠道に生きた女傑の話なのかと勘違いしていたけどまったく違い、ひたすら真の愛を探し続けたけれども しかし哀れで悲しい愚かな道を歩んでしまった可哀想な女「松子」の話だった。ちょっとタイトルが一人歩きした感がある作品だけど、福岡県人としたら馴染み深い地域や界隈や言葉がいっぱいあり親近感が持ててウンウンと頷きながら読了。

Posted byブクログ

2019/08/31

 中学校教諭だった松子さんが、どんどん転落していく。一生懸命生きているのに… 幸せになれなかった松子さんに合掌。  「百年法」「ギフテッド」で私の評価5の山田宗樹さんの3作目の評価5です!

Posted byブクログ

2018/07/16

三十年前、美人教師、松子二十四歳。泣きながら故郷を捨てたあの日。一瞬にして人生の歯車が狂ったー。 百年法以来の山田宗樹san。現在(平成13年)と当時(昭和45年)からの同時進行。とても読みやすい構成と文章で、あっという間の読了。悲劇、不幸、躓き・・どうしてやってもいないことを言...

三十年前、美人教師、松子二十四歳。泣きながら故郷を捨てたあの日。一瞬にして人生の歯車が狂ったー。 百年法以来の山田宗樹san。現在(平成13年)と当時(昭和45年)からの同時進行。とても読みやすい構成と文章で、あっという間の読了。悲劇、不幸、躓き・・どうしてやってもいないことを言うの!とハラハラしながら読んでいました。第五章で幼少期のショウと松子が出会っていたシーンには、胸が熱くなりました。

Posted byブクログ

2018/03/24

だいぶ前ですけど、読みました。 別に松子が悪いわけじゃないのに、すべてが悪いほうに向かっていく人生。 それでも、自分はちょっと特別だと思っているとこが松子らしい。そうじゃなきゃ、こんな波乱万丈になりません。 読みやすかったけど、軽く書きすぎて何が言いたいのかよく分かんなか...

だいぶ前ですけど、読みました。 別に松子が悪いわけじゃないのに、すべてが悪いほうに向かっていく人生。 それでも、自分はちょっと特別だと思っているとこが松子らしい。そうじゃなきゃ、こんな波乱万丈になりません。 読みやすかったけど、軽く書きすぎて何が言いたいのかよく分かんなかったなぁ。 映画は★★★★★

Posted byブクログ

2020/02/26

壮絶で悲惨な松子という女性の生涯。 これ程、あれやこれやに惑わされる人がいるのだろうか。 頭が良くて、何でもすぐにこなせるようになる器用な人。 なのに、最後はその人生を不遇のままに閉じることになる。 松子は嫌われ、では決してなかった。 境遇から、最後は一人になったけれど、その...

壮絶で悲惨な松子という女性の生涯。 これ程、あれやこれやに惑わされる人がいるのだろうか。 頭が良くて、何でもすぐにこなせるようになる器用な人。 なのに、最後はその人生を不遇のままに閉じることになる。 松子は嫌われ、では決してなかった。 境遇から、最後は一人になったけれど、その都度愛する人がいた、そこは幸せでいられた部分だと思う。 松子に共感できることはない気がしているが、人の人生をのぞき見した感じで、読書としては興味深い時間だった。 最近、この手の誰かの人生をたどる小説に巡り会いがち。 かなり好みの本でした。 2020.02.26 再読 何故松子はあの修学旅行の時に、あのような行動をとったのかが疑問。 頭が良く、なんでもこなせる、実は出来る女のはずなのに、目先のことに惑わされ、短絡的に物事を片付けてしまうところがあった事が、その後の彼女の人生で分かるにつれ、あの行動も松子ならではだったのかと思わされました。 転ぶ先によっては、幸せに暮らせたはずの松子の一生。 物語としては面白かったですが、決して共感は出来ません。 でも、やっぱり好みの作品。 また機会があったら手にすると思います。

Posted byブクログ

2017/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルの「嫌われ松子の一生」は「嫌われたがり松子の一生」の略だと思う。 松子が愚かすぎて感情移入できないという意見も一理ある。 しかし私は男にだまされ利用され捨てられるばかりの松子を馬鹿な女と突き放せるほど賢くも強くも正しくもなく、そうなりたいともあんまり思えない。 人を信じては裏切られる松子の一生。 だがもし彼女と出会った人達がほんのちょっとでもやさしくなく、彼女に情をかけなければ、松子も浅はかな期待をせず、安心して嫌われきることができたのでは?松子も嫌いになりきることができたのでは? 嫌われたがり、愛されたがりだった松子。 彼女の晩年の生活と最期はたしかにどん底の悲惨なものだが、きっとそれだけじゃなかったと信じたい。 旧友と再会した松子が嘗ての勘を取り戻そうと一心不乱にカットの練習をする場面、私はそれ自体が「救い」だと思った。 報われなければ努力する意味がない? 成功が前提になければ耐え忍ぶ価値もない? そうは思わない。 あの頃松子の中で培われ磨き抜かれた技術は、今の松子の中で確かに生きて光っていた。 それは松子が悲惨な人生の過程で得た数少ない誇れるもので、何もかもに捨て鉢だった晩年の松子が、あの時一心不乱に鋏を握った事実、何もかもを失ってそれでもまだ残っていたモノを見出せた事実こそが、悲惨な人生に射した一条の光のごとく心に響く。 だからこそ最後の最後に「おかえり」と笑ってむかえられたのだ。

Posted byブクログ

2017/02/01

肝心なところで自分を抑え込み結局他人に一喜一憂振り回されいつも残念な結果に終わってしまう松子。自分にも似たような経験があるので感情移入して読めた。

Posted byブクログ