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饗宴 の商品レビュー

4

66件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    15

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2014/09/07

【本質的な恋愛論を語る】 『饗宴』は、パイドロス、パウサニアス、エリュクシマコス、アリストパネス、アガトン、ソクラテスの6人が、ギリシア神話のエロス神を称えるという形で進んでいく。 アリストパネスが説く恋愛論は、元々男女一緒だった肉体だったが、神によって引き裂かれ、その片割れを...

【本質的な恋愛論を語る】 『饗宴』は、パイドロス、パウサニアス、エリュクシマコス、アリストパネス、アガトン、ソクラテスの6人が、ギリシア神話のエロス神を称えるという形で進んでいく。 アリストパネスが説く恋愛論は、元々男女一緒だった肉体だったが、神によって引き裂かれ、その片割れを探すために恋愛をし続けるものであるが、フィクションチックであるものの、面白い。 http://shira-chan.deviantart.com/art/Plato-s-Symposium-298480016 ソクラテスは、生殖の目的は不死のためだという。自分の分身を作り続けることで、滅びるものは生き続けることができる。だからこそ自分の分身を守るためには、自分の身を投げ捨てることを厭わない。 恋愛については、「肉体美→精神美→思想」へと考えを巡らせていくことが大事だという。思想へ恋愛が至った時、本質的な「愛」を理解し、本当に愛する人を見つけ、一生愛することができるとする。 現代に言い換えれば、「かわいいなぁ/抱きたいなぁ」から入ることはなんら悪くない。しかし、その後相手の精神/教養までにも美を見出し、それを抽象化させ「愛」の思想へと発展させる必要がある。思想まで辿り着いた時、「他人になんと言われようとこの人を愛している」という状況が出来上がる。

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2014/08/28

酒飲みながらでも恥ずかしい内容(愛がどうとか、おまけに永遠の生だもん。)の話で、もし居酒屋で出くわしたら…と思うと舌噛んで死のうかと思ってしまう。節操が無いと評判の会社帰りのサラリーマンでももう少し節度のある内容の話してるよ。

Posted byブクログ

2013/12/30

2013 12/30読了。Amazonで購入。 元は「シュンポシオン(饗宴)ってなんだ?」という疑問から、その題がついている本を読んでみるべ・・・と思い手にとった本。 その意図は達成された。なるほど、宴会の余興に即興で演説やったりするんだね古代ギリシア。 ソクラテスが招かれた友人...

2013 12/30読了。Amazonで購入。 元は「シュンポシオン(饗宴)ってなんだ?」という疑問から、その題がついている本を読んでみるべ・・・と思い手にとった本。 その意図は達成された。なるほど、宴会の余興に即興で演説やったりするんだね古代ギリシア。 ソクラテスが招かれた友人宅での宴会で、酒の余興として愛の神エロスを賛美する演説を一人ずつやっていこうという話になり、ソクラテスを最後に置いて7人がそれぞれ演説をぶつ。 最後にはさらにソクラテスに焦がれる若人が入ってきて、ソクラテスを讃える演説を打つ・・・という筋。 他の6人が専ら、愛によってもたらされるものとか、こんなに凄い、というようなエピソードを盛ることで演説をするのに対し、ソクラテスは愛とはなにか、その真実を述べるとして話はじめていく。 ソクラテス自身もまた別の女性との問答の中でそれを教えられてきた、というエピソードを語り、そもそもこの宴の様子も宴そのものの描写ではなく、数年後に参加していたある人が語った話、という演出がなされていて、もちろんそれらすべてプラトンが人々の口を借りて、ソクラテスを描写しつつ自説を述べるものでもあるわけで・・・と複層の入れ子になっている。 ・愛=善いもの(美しいものも=善)を永久に所有したいという欲求  ←・欲求とは現に自分が持たないものに対するもののはずなので、エロス自身は美しくも善でもない  ⇔・美しくも善でもないことは醜く悪しきことを意味しない、中立、真実と誤りの間にはどちらともはっきりしない「意見」がある   ・神は美しく善であるはずなのでエロスは神ではなく神霊 ・少年愛が当たり前、かつ善きものとして扱われていることに慣れてないと読んでてぎょっとするかも。シーンを想像するとエグく思えるのだが、それもまた偏見

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2013/12/07
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ソクラテス先生 飲み会で友人達と愛について語り合うの巻。 ソクラテス四大福音書の一つらしい。 他の三つと違って友人の家で飲み会をし、 愛について語り合うという何とも楽しい内容だが、 大正時代に訳された原稿を50年前に書き直した物なので、 難しい言葉が多く、読むのはなかなかしんどい。 「愛とは不死のための欲求である」 というのがこの本で主張したいことなんだろうけど、 様々な人物に愛についての意見を語らせて、 最後にソクラテスが他者から聞いた話という形で、 結論を持ってくるという構成が見事。流石プラトン。 一つだけ毛色の違うこの本が、 四大福音書に一つに数えられているのも頷ける。

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2014/03/14

池田さんの影響。1971版。読めない漢字が多くて大変だった… こんな風にギリシアのポリス市民は宴会をしていたのだと思うと、こんな素晴らしい宴会はないと思う。 倫理か何かの教科書だったか参考書に、この本について「同性愛か異性愛どちらがすばらしいかについて対話している」みたいなことが...

池田さんの影響。1971版。読めない漢字が多くて大変だった… こんな風にギリシアのポリス市民は宴会をしていたのだと思うと、こんな素晴らしい宴会はないと思う。 倫理か何かの教科書だったか参考書に、この本について「同性愛か異性愛どちらがすばらしいかについて対話している」みたいなことが書いてあったが、全くのでたらめだ。そんな小さな一手段を書くためにプラトンは言葉にして書き起こしたのではない。 演説として数名の人物が愛(エロス)について述べたところはなんだか難解で小難しく思われたが、ソクラテスの発言(ターン)になると途端にすっとわかってしまった。池田さんが書いていたように、ソクラテスは哲学そのものだから何度でも蘇る。 ソクラテスの発言で終わったかのように思われるが、最後に乱入(?)してきたアルキビヤデスによってソクラテスについて語られる。善く生きる彼の為人があますとこなく語られる。彼は考えたことをきちんとその魂で体現していた。徳孤ならず、必ず隣あり。とても言い当てている。

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2013/09/10
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プラトンの饗宴、これは愛についての対話だ。 あまりに多忙で感想を書く時間すらなかったこの1週間。 ようやく簡単な感想を書きます。 愛とは異性への愛だけだと思っていただけど、 プラトンのいうエロス(愛)は異性への愛はもちろん、家族愛、自然愛、 博愛などものすごく広義の愛をエロスと言っている。 エロスはそもそも神(全能)でもなく、無知な者でもなく、 中間の位置にあるダイモーンだといい、そして美を求めると説いている。 人間も実は、立ち位置としてはエロスと同じなのだ。人間は新しいことを常に欲求するし、 かといってすべてを放棄して何もしないということもしないからだ。 そしてプラトン自身の考える愛とは哲学(philosophy)の語源となったフィロソフィア、 つまり知への愛が愛の最終形だと説いている。 僕はプラトンのいう知への愛まで達していないのだけど、 少なくともまず女性と向き合い、女性を愛することができるのではないかと考えた (注:今までの僕はかなり否定的でした。 そのうえであの婚活宣言をだした。 一番感動的だったシーンはソクラテスがアガトンの間違いを正していくシーン。 まるで推理探偵のように論理的に相手を論駁していくさまはものすごくかっこいい。 そして愛とは何かを自分が語るのではなく、 ディオティマという巫女が語ったとするところも説得力抜群だ。 自分が話したとするより、○○がこう語ったということを私が学んだということで、 すごく謙虚にもなっている。ソクラテスらしい対話の仕方なのかな。 饗宴は素晴らしい哲学書です。 これを皆さんにもぜひ読んでもらいたいです。

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2013/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 死ぬまでに読んでおいても以下略。有名な部分の前後だけはぱらっと読んでたけど、最初から読んではなかったんよ。読んだっつってもさらっと眺めただけで、内容は理解してないよ、日本語でおk状態。  この年になってようやく気付いたけど、この系統は序説とか解説はすっ飛ばすべきだわ。本編に入る前になんじゃこら、ってなって結局読めないまま放置する。内容わかんなくても、とにかく本編を読むことに努めた方が全然ましだわ。  ええと、愛、エロスについてとにかく褒めまくる宴会のお話。  ちゃんとメモ取りながら読めばよかったけど、読み流したから、解釈違い、勘違いが多いとおもう。  ファイドロス、パゥサニヤス、エリュキシマコス、アリストファネス、アガトン、ソクラテスの順。  ファイドロスさんが言うには、エロスってすげー偉大なのよ、最古の神なのよ、少年を愛するのがそのエロスを得ること?なのよみたいな。  パゥサニヤスさんは、エロスってのは二種類あってね、天上の愛と万人向けの愛でね、天上の愛がすごいのよ、みたいな。  エリュキシマコスさんはお医者さんで、医学的見地からのエロス賞賛。エロスってのはいたるところで大切なのよ、みたいな。  アリストファネスさんの部分が有名だよね、人間はもともと顔を二つ、手足を四本持ってたのよ、完全なる一になるために、運命の相手を探すのよ、それを成就させるのがエロスなのよ。  アガトンさん、エロスってのは一番美しいし、一番幸い。  ソクラテスさんのお話は、ディオティマという女のひとから聞いたお話を伝えてる感じ。エロスってのは完全無欠じゃねぇよ、むしろ美しくもなく醜くもなく、善でも悪でもない、その中間にいるのよ。じゃないと、美しいものを求めたり、善なるものを求めたりしないでしょ。求めることが愛でしょ、と。  で、ソクラテスの演説が終わったときに、アルキビヤデスさんが乱入してきて、「みんな聞いてソクラテスってひどいひとなの、でもすごいひとなの!」とぶちかます、と。正直、最後の「僕はこんなにもソクラテスが好きなのにアガトンといちゃいちゃして悔しい!」っていうアルキビヤデスさんに全部持ってかれた感がある。  抜粋、ソクラテスの演説中のディオティマさんの言葉。 「(前略)こういう訳ですから、正しき意見〔ドクサ〕とは明かに智見〔フロネーシス〕と無知〔アマテイヤ〕との中間に位するようなものというべきでしょう。」

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2013/07/25

饗宴・・・まあ、今風に言えば「飲み会」でしょうか。 それで、酒を飲んで酔っぱらいながら、「エロース」(恋、恋の神)について真面目に(?)哲学していくわけです。 といっても、当時のアテナイの恋の対象は美少年(!) やべwwおもしろいんだけどこれ。 それでいて真面目で美しい...

饗宴・・・まあ、今風に言えば「飲み会」でしょうか。 それで、酒を飲んで酔っぱらいながら、「エロース」(恋、恋の神)について真面目に(?)哲学していくわけです。 といっても、当時のアテナイの恋の対象は美少年(!) やべwwおもしろいんだけどこれ。 それでいて真面目で美しいお話。 エロースというのは、どんな性質の神であるかについてみんなで意見を出し合っていきます。 ソクラテス、最初召使が呼んでも、外でたたずんでるwww。彼の悪い癖だって。 まずは、エロースというのは偉大な神であり、驚嘆すべき神であるということ。 醜いものに関して恥じ、美しいものに対しては功名を競う心。 次に、少年への恋(パイデラスティアー)に関するものと、愛知やその他すべての徳に関するものと、この二つを合わせてひとつのものにしなければならない。 エロースの肉体的なものと、精神的なものに対する二面性が語られる。 ここで、医学について。 美しい恋と醜い恋を診断し判別する者が医学に最も秀でた者である。 一なるものとは、弓やリュラ琴の調和(ハルモニアー)のごとく、分裂抗争しつつもそれ自身それ自身と一致合一しているようなものであること。 エロースとは何か。 本来の姿が二つに断ち切られたので、皆それぞれ自分の半身を求めて一緒になったということ。それは人間の昔の本然の姿へと結合するものであり、二つの半身を一体にして人間本来の姿を癒し回復させようと企てるものである。 完全なものへのこの欲求と追求に、恋(エロース)という名がつけられた。 エロースは、一番幸福で、美しく高貴で、年若い神である。 では、エロースは何ものへの恋(エロース)でもないものか、あるものへの恋なのか。 あるものへの恋である。 エロースが欲求し恋求めるのは、その対象を持っていないときのものである。 欲求するものは自分に欠けているものを欲求するのか、あるいは欠けていないときには欲求しないのか。 彼らが現に持っているものはすべて、かれらは欲求すると否とにかかわらず必然的にそれを持っていなければならない。 つまり、エロースは1.あるものに対してであり、2.自分に欠けているものに対してである。 どんどん謎が深まっていく。 エロースは、美を欠き美を持っていないということになる。 では、美を欠き美を所有していないものを美しいというだろうか。 エロースが何者であり、いかなる性質のものか。次にその働きについて。 エロースは偉大な神であり、美しいものに向かう。それでいて、エロースは美しいものでもよいものでもない。 しかし、神はすべて幸福であり美しいものである。 では、エロースは神でないのか。 死すべきものと不死なるものの中間にあるのだ、という。それは偉大な神霊(ダイモーン)である。 エロースは、美である女神アプロディテに従い仕える者となった。生まれつき美しいものを恋する者であり、しかもアプロディテそのものが美しい。半面父の血をうけて美しいものとよきものとを狙うものである。 恋(エロース)とは、よきものが永遠に自分のものであることを目指すものとなる。 また、妊娠、出産という行為は、神的な行為である。死すべきものである生物のうちに、不死なるものとして内在しているからである。 死すべきものは、永遠に存在し不死であることを、出生において求める。 肉体に関する美は些少なものとなる。 目的は、永遠に存在して生成も消滅もせず、増大も減少もしないもの。また、あるところでは美しいが、あるところでは醜いというものでもない。 恋の道は、つまり地上のもろもろの美しいものから出発して、絶えずかの美しいものを目的として上昇していくが、その場合階段を使うように、ひとつの美しい肉体から二つの美しい肉体へ・・・最終的には、ほかならぬ美そのものを対象とするところのかの学問に行きついて、まさに美そのものを遂に知るに至る。 ・・・あとは、なんかみんな酔っ払ってべろんべろん・・・なような気がするのは私だけ?笑

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2013/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ソクラテス『アガトン 君は「エロースとは美を求める美しい神」といった。エロースとは、何かに対する愛なのだろうか?それとも、どんなものへの愛でもないのだろうか?』 アガトン『もちろん何かへの愛です。』 ソクラテス『それではエロースは愛するその対象を欲求しているのか、いないのか?』 アガトン『もちろん欲求しています』 ソクラテス『欲求するというのは愛するその対象を持っている時かね?それとも持っていない時にかね?』 アガトン『どうやら持っていない時です。』 ソクラテス『だれであっても 欲求する人は手元にないもの 現にないものを欲求しているのでありつまり【欠けているもの】を欲求するのだ』 アガトン『まったくそのとおりです』 ソクラテス『アガトン きみはエロースは美を求めるといった。とするとエロースは美を欠いていて美を持っていないことになる。美を持っていないものを君は【美しい】と言うだろうか。君はエロースが美しいと同意するだろうか?』 アガトン『私はおそらくソクラテスよ先ほど語った事柄について何一つ知ってはいなかったのです』

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2013/05/30

再読。愛=エロスの本質を求めて男達が語り合い、愛の絶頂即ちイデアを求めて昇り詰めていく対話のエクスタシー。エロス、それは賢者と愚者の狭間であり神と人間の中間にいる神霊(ダイモーン)的存在。善きものの永久の所有を欲求するそれは肉体的不死/生殖へ向かい、それを心霊的生産へと向けること...

再読。愛=エロスの本質を求めて男達が語り合い、愛の絶頂即ちイデアを求めて昇り詰めていく対話のエクスタシー。エロス、それは賢者と愚者の狭間であり神と人間の中間にいる神霊(ダイモーン)的存在。善きものの永久の所有を欲求するそれは肉体的不死/生殖へ向かい、それを心霊的生産へと向けることで徳へと至る精神を形成する。初読時には同性愛讃歌と思っていたが完全な誤読。とはいえ相変わらず恋愛体質で愛されボーイなソクラテスの口説き文句は絶好調。「こんなにオシャレをしたのは、美しい人の所へは美しくなって行こうと思ったからだよ」

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