関ヶ原(下) の商品レビュー
個人的に、初めて読んだ歴史小説がこの作品。 物語の時代の視点で描かれながらも、時折現代の筆者の視点に移ることで、史実を客観的に捉えながら、かつ当事者たちの視点で歴史を体感することができた。 関ヶ原合戦という一つのテーマに対して、合戦に関わった大小様々な大名たちの視点から多角的に描...
個人的に、初めて読んだ歴史小説がこの作品。 物語の時代の視点で描かれながらも、時折現代の筆者の視点に移ることで、史実を客観的に捉えながら、かつ当事者たちの視点で歴史を体感することができた。 関ヶ原合戦という一つのテーマに対して、合戦に関わった大小様々な大名たちの視点から多角的に描かれているのが印象的だった。 角度を変えると物の見え方が変わることの再認識と、"唯一絶対の解釈"が存在しない歴史の奥深さに感動した作品。 単に"歴史上の人物"として認識していた戦国大名たちも、一人一人が生身の人間であることを実感し、また言葉の描写の美しさにも心を惹かれた。歴史小説、そして司馬遼太郎作品に強い関心を抱くきっかけになった作品。
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disney+の将軍を観て、司馬遼太郎の関ヶ原を読み返しました。情報戦・調略により、東軍の勝ちは確定しているのに、色々そうだったんだ的な気付きも多く愉しめました
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昨年、1年見続けていた「どうする家康」。物語の大サビである「関ヶ原の戦い」が、なんとなくサラッと描かれていて、もう少し深掘りしたく読み始めました。 尾張派(北政所) VS 近江派(茶々) の代理戦争であったこと、滋賀の小さい一大名の石田三成が徳川家康と対等に戦えるまでになったこ...
昨年、1年見続けていた「どうする家康」。物語の大サビである「関ヶ原の戦い」が、なんとなくサラッと描かれていて、もう少し深掘りしたく読み始めました。 尾張派(北政所) VS 近江派(茶々) の代理戦争であったこと、滋賀の小さい一大名の石田三成が徳川家康と対等に戦えるまでになったこと、各諸大名にもそれぞれのドラマがあること(真田は生き残るために兄弟でどっちにもついたり)など、興味深いことが多いです。 西軍について敗北した毛利(長州)、島津(薩摩)、長宗我部(土佐)から討幕の動きがあることを考えると、関ヶ原って250年も影響し続けて、ほんとに天下分け目やったんやなと思うとります。
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天下分け目の決戦を小説として読むことができ、非常に面白い内容だった。結局人は利で動かされるのは、いつの時代もこれが人間の性分かと思うとある意味辛くもあるが、考えさせられることが多い。石田三成の生き様をもう少し深掘りして歴史を学んでみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
義と利 最期、石田三成が義を貫いた?思い出した? シーンも感動です。 ボタンの掛け違いのように、思い込みで負けた光成。 石橋を叩きすぎる家康。 性善説の光成。 性悪説の家康。 少しの違いで歴史が変わるのかと思えた、 非常に読みごたえがありました。
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関ヶ原合戦、西軍の奮闘、小早川の裏切り、死闘。大谷吉継が最期まで名将すぎて涙目。島左近の17歳の息子さえ戦場で華々しく散った、というのも切なかった。 石田三成が戦場離脱したのには「あれ?大谷吉継は自刃したのに?」と戸惑ったけど、結局自首して潔く処されたのは(性格的に)筋が通ってて...
関ヶ原合戦、西軍の奮闘、小早川の裏切り、死闘。大谷吉継が最期まで名将すぎて涙目。島左近の17歳の息子さえ戦場で華々しく散った、というのも切なかった。 石田三成が戦場離脱したのには「あれ?大谷吉継は自刃したのに?」と戸惑ったけど、結局自首して潔く処されたのは(性格的に)筋が通ってて良かった。 これまで読んだ司馬遼太郎作品で上位にくる面白さだった。
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結局、自身が動員できる軍事力がすべてなんだな。 家康250万石、三成19万石では諸侯を動かす力が違う。西軍の戦力が働けば話は違ったろうに。 で、これは今も変わらない。どんなに高邁な理想を掲げても、それを支える力がなければ理想は形にならない。 そしてもう一つ。人は義ではなく利によっ...
結局、自身が動員できる軍事力がすべてなんだな。 家康250万石、三成19万石では諸侯を動かす力が違う。西軍の戦力が働けば話は違ったろうに。 で、これは今も変わらない。どんなに高邁な理想を掲げても、それを支える力がなければ理想は形にならない。 そしてもう一つ。人は義ではなく利によって動くもの。進歩がないねぇ。
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みんなからの嫌われ者、石田三成を自分も序盤からずっと好きになれなかったのだけど、最後の最後でその感情も全く逆になった。感動した。 本当に義を貫いた人だったんだ。 裏切って家康についた将たちは、その後どんな運命を辿ったのか気になった。 次読むテーマにしたい。
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今年の大河ドラマは「どうする家康」。司馬遼太郎が家康を書いた『覇王の家』を読んでも関ヶ原合戦の部分はあまり書かれていない。それはもうすでに他の本に書いたからだと言う。それで『関ケ原』を読み返してみることにした。 石田三成の視線から見た関ケ原合戦がよく分かった。
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西軍は負けてしまったが、戦の内容としては、かなり良いところまで行ったんだなと思った。大谷吉継の最期にグッときた。 家康は人がほしいものを与え、「利」や飴と鞭をうまく利用する。家康の方がすべて上手で、西軍が勝ったところで乱世は終わらなかったかもしれない。 それでも、この戦の「義...
西軍は負けてしまったが、戦の内容としては、かなり良いところまで行ったんだなと思った。大谷吉継の最期にグッときた。 家康は人がほしいものを与え、「利」や飴と鞭をうまく利用する。家康の方がすべて上手で、西軍が勝ったところで乱世は終わらなかったかもしれない。 それでも、この戦の「義」は三成にあったと思うし、死ぬ最期の瞬間まで、その姿勢を貫き通す姿がとても尊かった。
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