フラジャイル の商品レビュー
鋭い感性がとらえた儚い青春の日々。「この夜がこの世の中にあることをわたしに知らせるケトルが鳴るよ」「北東にほろびを知らせる星が降るなんて予報じゃ言ってなかった」「夜の中へだまって溶けていいですか月のプールを更紗で包む」「あの星はどんな願いの叶う星天体の死を知らせるひかり」「駅裏の...
鋭い感性がとらえた儚い青春の日々。「この夜がこの世の中にあることをわたしに知らせるケトルが鳴るよ」「北東にほろびを知らせる星が降るなんて予報じゃ言ってなかった」「夜の中へだまって溶けていいですか月のプールを更紗で包む」「あの星はどんな願いの叶う星天体の死を知らせるひかり」「駅裏のへんな形にからまった自転車を見て泣いたはつなつ」「螢いる叢に立つこばまれず闇の一部になりたい夜は」「カーテンを閉ざさぬままに抱き合ったかわたれ夏をふたりで殺す」「しぐるるやタイプライター打つ秘書がひそやかに言う「エルは小文字ね」」「制服を脱いでしまえば何一つ接点のなきひと恋う日々」「もう一度聞きたしけんか腰にして花火きらめく君の説教」「ヘッドホン外した時の静寂にどこか似ている恋の終わりは」「コーヒーをこぼしたばかりのリノリウム 泣いてばかりの十代だった」「東風吹けばみるみる飛んでいくものにまぎれて父が見えなくなりぬ」「ひゃくんねんごだあれもいない陽のしたでなんにもなかったよに目をさます」「「噴水の蛇口をひねる人」というアルバイトなし夏雲高し」
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短歌は一首で一作品なのか、一小編で一作品なのか、あるいは一冊で一作品なのか。とか考えながら読んだ。 もっと読まないとわからない。
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本屋でふと手にとって、一目惚れして即購入。言葉のひとつひとつがきらきらしていて、日本語ってこんなきれいだったんだなあ、と「言葉」が好きになってしまう本。 また歌集が出るのを待ちたい。電子書籍は出ているようだけれど、できれば紙の本で読みたい。
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