博士の愛した数式 の商品レビュー
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80分しか記憶が持たない数学博士と、その世話をすることになった家政婦、家政婦の息子「ルート」のお話。 登場人物の描写は満点。特にルート。博士との二人の留守番の際に怪我をし、涙を流した理由が「少しでも母が博士を疑ったのが許せない」という場面は一番良かった。 ただ、ストーリーがどうしても単調で、感動の場面がもう少しあるのかと思っていた分、拍子抜けしてしまった。(やはり作品に過度に期待しすぎるのは良くないな…とこの後反省……) 博士と義理の姉の関係も、もう少し描ききった方が個人的には良かったかな。あれでは何か不倫にも取れるし、清い関係にも取れるし、よくわからん。 (写真に寄り添って笑顔で写ってるっていう描写や、何もかも忘れてしまうけど私のことは覚えてる、の台詞とか) 個人的にはもう少し波が欲しかったです。(ストーリーの) そして野球に詳しくないから、野球の場面もあまり燃えないという…
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ふわっと終わってびっくりした。 最後に真実が明らかにされたり、怒涛の展開やどんでん返しがあるものを読んでいたので、「終わっちゃった」と思った。 記憶が80分しかもたない元数学者の老人、博士が、数学を通して家政婦とその息子と友達になり、毎日初めましてを繰り返し日々を送る話。 3人で経験した楽しいことも嫌なことも忘れてしまう時が止まった博士。 全て覚えていて、それらの経験について落ち込んだり、嬉しくなったりしながら、博士を愛する2人。 80分しか記憶がもたない博士には、普通では考えつかないような悲しみ、やるせなさ、戸惑い、ストレスがあることを匂わせながら、すべては書かれてない。 どれだけ素敵なエピソードが出てきても、それが博士の中には残っていないのだと思うと、読んでいて辛くなる。楽しいことが起こるほど辛くなる。 逆に、ショックな、博士と2人の関係に大きく傷を付けるような出来事が起こった時は、あぁでもこれも残らないのか、と少し安心する。 相手に何も残らないなら、私はその人に何もしたくなくなる気がする。それは、見返りを求めているということなのか。この人との関係を良くしたい、という思いから、喜んでほしい、楽しませたいが生まれているからなのか。 2人は、後に何も残らない博士を野球観戦に連れ出し、誕生日パーティーを開き、博士との日々を楽しいものにしようとした。たとえ残らない時間であっても博士が楽しんでることに意味があるということなのかな。 それとも、博士が素敵な人だから、記憶に残る残らないに関わらず「今」博士に楽しんでほしいということなのかな。 わからなかった。 明日楽しかった話ができなくても、明日また知らない人に戻されても、それでもその人と楽しいことがしたいと思うものなのか 純粋に、博士という人間と一緒にいること自体が楽しいのか。
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心温まるお話。博士の生きる上での苦しみと、喜び。その博士にそっと寄り添う、家政婦と息子のルート。細かい描写が美しくて、文章が心に染み入ってくるような感じがした。
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神様の手帳、という表現が好きです。 それを誰も見ることはできないけれど、数式だけがそこに書かれていることを表すことができる。 1+1=2 1や2は概念で見えないものなのに、誰でも理解することができます。 これって、人の想いもそうじゃないかなぁ。 誰かが誰かを想ってるなんて、目...
神様の手帳、という表現が好きです。 それを誰も見ることはできないけれど、数式だけがそこに書かれていることを表すことができる。 1+1=2 1や2は概念で見えないものなのに、誰でも理解することができます。 これって、人の想いもそうじゃないかなぁ。 誰かが誰かを想ってるなんて、目に見えなくても誰しもが分かりますよね。 目に見えない世界が、目に見える世界を支えているって、こういうことなんじゃないかな。 書かれていないエピソードも、あえてそうしているような気がします。 いつか、人の想いも数式で表すことができる日が来るのかもしれませんね。
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本日は、2021年4月29日。 この本は、2016/01/05に読了済み。 著者の小川洋子さん、ウィキペディアによると、 小川 洋子(おがわ ようこ、1962年3月30日 - )は、日本の小説家である。岡山県岡山市中区森下町出身。 兵庫県芦屋市在住。既婚で長男がいる。旧姓...
本日は、2021年4月29日。 この本は、2016/01/05に読了済み。 著者の小川洋子さん、ウィキペディアによると、 小川 洋子(おがわ ようこ、1962年3月30日 - )は、日本の小説家である。岡山県岡山市中区森下町出身。 兵庫県芦屋市在住。既婚で長男がいる。旧姓は本郷。祖父は金光教の教師であり、両親とも金光教の信者という家庭で育つ。父親は国家公務員。生家も教会の敷地内の離れだった。教会では祖父母、伯父伯母。従兄らが暮らしていた。
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最初から過去形で書かれた、終わることが約束された物語。刹那的な悲しさと報われることを望んでいない深い愛情が入り交り、独特の空気感があった。 最後に「私」が博士にルートの報告をしたところに、報われない、でもそういう小さな愛情ではない心情を感じて泣いてしまった。
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数学は苦手意識が有るが数字一つにも意味が有るというのが知れた事、登場人物一人一人の魅力などが良かった。
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映画を知ってから、あらためて作品を読みました。 江夏豊というところがわらった。 人としての素のままの姿を教授に感じました。自分だったらどうだろうとおもってよみました。
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見えるようで簡単には気がつけない日常に散りばめられた数学の魅力に気付かされました。数学が好きになりました。
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すごく綺麗な物語 心温まる物語 数字の秘めた力に感激した 数字って素敵って思った 数字って楽しいなって思った 0の存在意義にほほぅと思った 友愛数220と284 80分しか記憶がもたない博士に対するルートくんの優しさで温かい気持ちになった
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