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寺山修司詩集 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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郷愁、童心、土俗………

郷愁、童心、土俗……寺山修司の様々な世界が楽しめます。

文庫OFF

初心者向けな1冊。有…

初心者向けな1冊。有名な詩が多く収録されています。土俗的でありながらノスタルジックな世界に浸れます。

文庫OFF

2018/08/06

「海が好きだったら」 本になにをかきのこすことが できるだろうか たぶんなにを書いても すぐ消えてしまうことだろう だが 私は水に書く詩人である 私は水に愛を書く たとえ 水に書いた詩が消えてしまっても 海に来るたびに 愛を思い出せるように 彼の最初の試論『戦後詩』では、...

「海が好きだったら」 本になにをかきのこすことが できるだろうか たぶんなにを書いても すぐ消えてしまうことだろう だが 私は水に書く詩人である 私は水に愛を書く たとえ 水に書いた詩が消えてしまっても 海に来るたびに 愛を思い出せるように 彼の最初の試論『戦後詩』では、書物の世界に閉じ込もった現代詩における読者不在のモノローグ性を批判するとともに、読者とのコミュニケーションの場を生成するためにダイアローグとしての詩を主張している 詩人は、読者に話しかけるべきであり、そのためには、作者自身による朗読のすすめや、またあるいは歌手の身体を媒体として語りかける歌謡詩の可能性などにも言及した。 今日では、ごく当たり前の風景である詩人による朗読会や、パフォーマンスとのコラボレーション、あらにはリングの上で交わされる詩のボクシングマッチなども、身体によることばの回復というこの流れの上にあることは、あきらかである。 詩は作者の内部だけで自足するものではなく、読者に語りかけ、読者とのダイアローグによって成立するものだというのが、寺山修司の終生変わらぬコミュニケーション論だった。(白石 征)

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2018/04/15

日本経済新聞社小中大 記事利用について 印刷 印刷 こころの玉手箱漫画家 弘兼憲史(4) 寺山修司編「男の詩集」 2018/4/12付日本経済新聞 夕刊  高水高校付属中学で入部したのが体操部。しかし、自分の才能を生かす場はここでないと感じ、まもなくやめてしまう。続いて軟式テ...

日本経済新聞社小中大 記事利用について 印刷 印刷 こころの玉手箱漫画家 弘兼憲史(4) 寺山修司編「男の詩集」 2018/4/12付日本経済新聞 夕刊  高水高校付属中学で入部したのが体操部。しかし、自分の才能を生かす場はここでないと感じ、まもなくやめてしまう。続いて軟式テニス部に入るが、とにかく練習がめんどくさい。半年後に退部した。 気持ちにピタッとくる言葉に出合うたび何度も口ずさんだ 気持ちにピタッとくる言葉に出合うたび何度も口ずさんだ  最終的にはクラスで作った文集がきっかけとなり、文芸部を創部した。夏目漱石、森鴎外、三島由紀夫、大江健三郎らの作品を読んだ。トルストイらロシア文学にも挑んだが、こちらは登場人物の名前が覚えられず、苦戦した記憶がある。高校に進んでからは、北原白秋、萩原朔太郎、ボードレールらのまねっこをして詩も書いた。  早稲田大学では漫画研究会に所属する一方で、小説も執筆した。ある文学賞に公募したところ、最終候補4編に残った。前祝いをしようという友人たちの誘いに乗って、賞金2万円を当てにした飲み会を開いたところ、結果は受賞ならず。学生にとっては痛い出費となった。  そのころ読んだのが「男の詩集」。詩、短歌、演劇など幅広いジャンルで活躍した寺山修司が、ドイツの詩人で作家のエーリッヒ・ケストナーの「人生処方詩集」にならって、様々な詩を集めたものだ。  例えば「故郷を思い出したかったら」という章には「ふるさとは遠きにありて思ふもの」で始まる室生犀星の詩、石川啄木の短歌「ふるさとの訛(なまり)なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく」、井沢八郎が歌った「あゝ上野駅」(作詞は関口義明)の歌詞などを収める。自分の気持ちにピタッとくる言葉に出合うたび、何度も口ずさんだものだ。  そうした名作とは比べられないが、僕も自分の漫画には、はっとするような言葉を盛り込みたいと考えている。中高年の恋愛を描く短編「黄昏(たそがれ)流星群」を「ビッグコミックオリジナル誌」に現在連載中だが、ストーリー作りに悩むことはあまりない。でも状況を説明するナレーションや心情を示すモノローグの部分は、どういう言葉を使うかで結構考える。  そこで役立つのが、これまで読んできた詩や小説。常に引き出しの数を増やすように心がけている。

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2017/02/11

幸福が遠すぎたら という詩を手元に置いておきたくて買いました。 人生別離足る、をさよならだけが人生だ、と訳した井伏のセンスも素敵ですが、さよならだけが人生ならば、まだ見ぬ春はなんだろうとうたう寺山の心理の方に共感を得ます。

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2016/10/23

六ペンス、恋人に歌ってあげたかったら、幸福が遠すぎたら、ひとりというなのとり、かなしみというしみ ちょっとユーモアというか、皮肉というのか、ひねりが効いているのが面白かったです。

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2012/01/30

寺山さん、中学生の頃良く読みました。 この詩集の中では、「あなたに」が一番好き。あと「事物のフォークロア」もいいな。

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2011/07/23

さよならだけが人生ならば、……と言うその口で、別の詩ではさよならだけが人生だとつづる。 沸き立つ希望も何もないけれど、ほんの少しだけ救いがあるようななんだか寂しい詩集です。 寺山修二のキーワードは雲雀、母、父の不在 これら3つが、この詩集の中に多く登場します。場を変え、表現を変...

さよならだけが人生ならば、……と言うその口で、別の詩ではさよならだけが人生だとつづる。 沸き立つ希望も何もないけれど、ほんの少しだけ救いがあるようななんだか寂しい詩集です。 寺山修二のキーワードは雲雀、母、父の不在 これら3つが、この詩集の中に多く登場します。場を変え、表現を変え、それでも伝えたいことは同じ気がします。それだけ彼の中に根付くものだったんでしょう

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2010/02/26

「我が撃ちし鳥は拾わで帰るなり もはや飛ばざるものは妬まぬ」 という句が好き。気持ちはよくわかります。

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2009/10/04

寺山 修司の【寺山修司 詩集】を読んだ。 寺山 修司と言えば【書を捨てよ、町へ出よう】を思い浮かべる人が多いだろう。このエッセイ集は寺山 修司の入門書として、一般的に有名であるからだ。 が、僕が寺山修司入門に選らんだのは【寺山修司 詩集】だった。 ある日、書店に行ったのは...

寺山 修司の【寺山修司 詩集】を読んだ。 寺山 修司と言えば【書を捨てよ、町へ出よう】を思い浮かべる人が多いだろう。このエッセイ集は寺山 修司の入門書として、一般的に有名であるからだ。 が、僕が寺山修司入門に選らんだのは【寺山修司 詩集】だった。 ある日、書店に行ったのは寺山修司の【書を捨てよ、町へ出よう】を買おうとしたからだ。そしてなぜ か、【書を捨てよ〜】の隣にあったこの詩集を僕は買った。パラパラと捲ったページに並ぶ、言葉の美し さと、そこに潜む悲しみと愛が、僕の心を直撃したからだ。 この詩集には、詩の他に短歌や俳句、歌謡詩、劇詩などが収められている。歌人、俳人、劇作家などあら ゆる分野での鬼才ぶりが、この1冊で堪能できる。 寺山修司の中には悲しみと優しさが溢れている。 戦争で父親を失った悲しみ、その慟哭を惜しげもなく曝け出し、父親への憧憬と愛を詠う。 愛する母や恋人へ、心の底から愛と喜びを詠い、ロマンチックな詩を捧げる。 人生における、苦悩や葛藤を赤裸々に詠う。 寺山修司という人間の喜怒哀楽と思想、思考が惜しげもなく、その言葉を通して滲み出る。 これほどまでに「言葉」というものを自分のすべてに変えた人を僕は久しぶりに見た気がする。 選ぶ言葉のひとつひとつが寺山修司そのものだ。 若くしてその才能を開花し、47年という短い生涯を疾風の如く駆け抜けた鬼才に、我々が学ぶものは大 きい。 僕はあらゆる才能に出会った時、いつも思う。 賢人の言葉や感性というものは、どんなに時が流れようと、色あせないものであると。 最後に僕が一番好きな詩を紹介します。 幸福が遠すぎたら            寺山 修司  さよならだけが    人生ならば    また来る春は何だろう     はるかなはるかな地の果てに      咲いてる野の百合何だろう  さよならだけが   人生ならば    めぐりあう日は何だろう     やさしいやさしい夕焼と      ふたりの愛は何だろう  さよならだけが   人生ならば    建てたわが家は何だろう     さみしいさみしい平原に      ともす灯りは何だろう  さよならだけが   人生ならば    人生なんか いりません

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