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職業としての学問 の商品レビュー

3.8

95件のお客様レビュー

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2017/01/21
  • ネタバレ

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1980年(底訳本1936年、底本1968年)刊。1919年、ミュンヘンにて学生(大学生)向けに実施された講演録。話が二転三転し、比喩・例示も挿入されるので論旨は掴まえにくいが、職業として学問に従事する人(大学教師が主か)には役立つ内容かな。ただし、小中学生が生徒の時はともかく、高大では教師の主観的立場を一定程度開陳しても害は小さいと思う。特に、法律解釈学・立法政策学は、過去や現状分析に止まらず、未来のあるべき社会を展望しつつ一貫した主張を行う必要があるため、論者の主観的立場は大きなファクターとなるのだ。 このように純客観的とはいいきれない学問が大学でなされる場合もある。加えて、高校大学になれば、教師の教示事項に対する批判的な目線は必要であり、かつ可能ともいえる。また、その取捨選択が出来る能力こそが重要ともいえる。その意味で、ウェーバーの見解をそのまま受容することは、個人的には無理である。

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2016/10/03

以前読んだものが意訳(現代意訳?)が激しいものだったので、機会もありこっちの方を。 旧訳序文でも述べられているように、言ってることは情勢・学問への姿勢・教えることへの姿勢に分けられる。 個人的には、終盤に何かもうひとつ主張しているような気がするけどその辺は何を言っているのか(具体...

以前読んだものが意訳(現代意訳?)が激しいものだったので、機会もありこっちの方を。 旧訳序文でも述べられているように、言ってることは情勢・学問への姿勢・教えることへの姿勢に分けられる。 個人的には、終盤に何かもうひとつ主張しているような気がするけどその辺は何を言っているのか(具体例を述べてただけなのか)また読み込む必要がありそう。 情勢や学問への姿勢はまぁそれでよいとして、教えることへの姿勢に関してはちょい思うところあり。 そもそもここでは教える側の絶対性のような何かが前提になっている気がする(そしてそれは確かに多くの場合において正しいとは思う)けど、教わる側は教師に対して批判的であることが可能(批判的であるべき?)なのではないかという部分をもうちょい掘り下げて考えてみたいところである。

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2016/08/29

現代風に言えば職業指南書であり、人気シリーズ『職業としての~』といったところか。 マックス・ウェーバーの学生向けの講演が基となっており、活字メディアが主だった当時、本講演は職業選択をするうえで非常に有益であったと推察できる。氏は、学問を生業、仕事、志の側面で語っており、米国事情...

現代風に言えば職業指南書であり、人気シリーズ『職業としての~』といったところか。 マックス・ウェーバーの学生向けの講演が基となっており、活字メディアが主だった当時、本講演は職業選択をするうえで非常に有益であったと推察できる。氏は、学問を生業、仕事、志の側面で語っており、米国事情との独対比、顧客視点=学生視点での教育者の在り方論は相当新鮮であったであろう。むしろ100年近く経た今読んであまり違和感を感じないのは、驚くべき先見の明といえるかもしれない。 奇しくも本書が発刊された1919年にドイツ労働者党が発足しヒトラーが入党し、残念ながら国家を戦争へと傾けていく。ドイツにはウェーバー氏のような聡明で熱意ある優れた頭脳が豊富に居た。ウェーバーが存命であればドイツの運命は如何様になっていたであろう?戦争によって人類の叡智のに停滞期が生まれたことは誠に遺憾なことである。

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2016/06/11

想像以上に面白い本。古くて 例示がわかりにくく、展開が変わりやすい 最後の「知性の犠牲」については 理解度が低いので、再読時に 確認する。「学問の意味、役割は何か」が テーマ

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2016/04/21

学問についての情熱的講義録邦訳。第一次世界大戦後にドイツで行われた講義だそうだが、ここで指摘される問題点はこんにちの日本に至ってもまるで改善されていない。一般に「世間に甚大な影響を与えた書物」を名著と呼ぶそうだが、それではこの本は名著とは呼べないのだろうか。そんな暗澹たる気持ちに...

学問についての情熱的講義録邦訳。第一次世界大戦後にドイツで行われた講義だそうだが、ここで指摘される問題点はこんにちの日本に至ってもまるで改善されていない。一般に「世間に甚大な影響を与えた書物」を名著と呼ぶそうだが、それではこの本は名著とは呼べないのだろうか。そんな暗澹たる気持ちにすらなる。しかし私も、教師というより指導者を求めて大学の講堂に入り込んでいたきらいがあるので、あまり大きなことは言えない……。 大学生になったら、いな大学を志したらとっとと読むといいと思う。時折感情的で、概ね装飾された回りくどい物言いなので、言ってる内容は単純なのになかなかわかりにくいけれど。面白い人だなヴェーバー。

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2016/04/09

語り口からM.ウェーバーという人間に親しみを感じられた。こんなに熱い人だったのか!と。 翻訳者は読みやすさをかなり考えたというからその努力のたまものだろうか。本当に大学で彼の講義を受けてるみたいな気分になった。 ☆学問は工場で何かを作るときみたいにただ決められた製法にしたがって進...

語り口からM.ウェーバーという人間に親しみを感じられた。こんなに熱い人だったのか!と。 翻訳者は読みやすさをかなり考えたというからその努力のたまものだろうか。本当に大学で彼の講義を受けてるみたいな気分になった。 ☆学問は工場で何かを作るときみたいにただ決められた製法にしたがって進められるものではないよ。作業と情熱が合体した時に生まれる。でも、その思い付きが降ってくるのは予期しないときだったりもする。 ☆政治家の街宣は批判を受けるけど大学の講義室は基本的に傾聴者のみが集まるし力関係もあるからなおのこと教師は自分を律しなければならない。 ☆教師の一番大事な仕事は生徒に「都合の悪いこと」を認めさせることを覚えさせること。 ★いたずらに待ち焦がれているだけでは何事もなされない。

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2015/08/01

入門書を読んでぜひ原書を読みたいと思った本。やはりびびっと来た。ウェーバーさんとハーバマスさんは社会の視点として個人側に対比させて読んでいきたい。

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2015/06/03

20世紀初めのドイツ、戦争や不況もあって、若者たちはざわついていた。彼らは学問にすがろうとし、稀代の学者ヴェーバーに講演を依頼するが、ウェーバーはトルストイを引用しこう答える。「それは無意味なものである。」…えっマジで!? 学問とは何か、研究者はどうあるべきか、我々はどうすべきか...

20世紀初めのドイツ、戦争や不況もあって、若者たちはざわついていた。彼らは学問にすがろうとし、稀代の学者ヴェーバーに講演を依頼するが、ウェーバーはトルストイを引用しこう答える。「それは無意味なものである。」…えっマジで!? 学問とは何か、研究者はどうあるべきか、我々はどうすべきか-学問に触れる(触れた)すべての人に突き刺さる、ヴェーバーの学問論。 (DUB.SAR)

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2015/01/12
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巨大ビジネスとしての米国の大学の勢いは止まるところを知らないようにみえる。たとえばハーバードやスタンフォードのMBAから白熱教室へのお見事な変身ぶり!深く巧妙に浸透した資本主義イデオロギーの権力は学問も政策も信仰さえも丸のみし、それとは知られないような美神の意匠でマネーの増殖に余念がない。 「もし悪魔を片付けてやろうと思うならば、こんにち好んでなされるようにこれを避けてばかりはいられない、むしろ悪魔の能力と限界を知るために前もってまず悪魔のやり方を底まで見抜いておかなくてはならない」 わたしはそれを街頭から始めよう。学問なのか?経験なのか? そんなことはどうでもいい。

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2015/01/12
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ザッヘ(日々の仕事)に帰れとのこと。学問を何かの為に用いようとするものに進歩はない。現在でも通ずる普遍性をこの文章は持っている。

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