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新ネットワーク思考 の商品レビュー

4.1

56件のお客様レビュー

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    19

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  3. 3つ

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2010/07/09

ダンカン・ワッツの本を前に読んだので、今度はバラバシを。ワッツの研究がどちらかといえば既存のネットワークの性質を読み取るというような静的な印象を受けたのに対して、バラバシのほうはもっと動的。ネットワークが成長していくとき、それ自身の性質でどんな形に進化していくのか、という感じ。 ...

ダンカン・ワッツの本を前に読んだので、今度はバラバシを。ワッツの研究がどちらかといえば既存のネットワークの性質を読み取るというような静的な印象を受けたのに対して、バラバシのほうはもっと動的。ネットワークが成長していくとき、それ自身の性質でどんな形に進化していくのか、という感じ。 特に、富めるものがいっそう富む、という法則が、ネットワーク自身の特性からせつめいされてしまうというのはとても興味深い。つまり、なにか人為的なボトルネックやバイアスでネットワークの機能が制限されるからではなくて、ネットワークが完璧に機能するからこそ富の偏在が起こるということなんだろう。市場の規制や政策による所得配分を正当化する根拠になる日がくるのかも知れない。

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2010/03/30

ネットワークを拡大するためには”成長”、”優先的選択”、”適応度”という3つの概念について知ると良い。 ■成長 ネットワークは少数のノード(頂点)から始まり、新しいノードがリンクされる(つながる)ことによって勝手に成長していく。 友達は日々増えていく。ウェブページも日々増えてい...

ネットワークを拡大するためには”成長”、”優先的選択”、”適応度”という3つの概念について知ると良い。 ■成長 ネットワークは少数のノード(頂点)から始まり、新しいノードがリンクされる(つながる)ことによって勝手に成長していく。 友達は日々増えていく。ウェブページも日々増えていく。早稲田大学の卒業生も日々増えていく。 ■優先的選択 新しいノードは、リンクの多いノードに優先的にリンクしようとする。 交流会に出席して、とりあえず主催者には声をかけようと思うだろう。ウェブを開き、検索しようとするのは、googleかyahoo!だろう。日本の新聞を読もうと思ったら、多くの人が最初に買おうと思うのは朝日、読売、日経、産経などであって、地方新聞ではないだろう。 ■適応度 有名でなくても、そのネットワークにより適応していれば、そうでないノードよりもたくさんのリンクを獲得できる。 サークルの新人でもアホみたいに酒が飲めれば、一気にサークル内の人気者となり、たくさんのつながりができる。googleは検索エンジンとしては後発だが、その高性能によって高いシェアを獲得した。 (感想)人的ネットワークを拡大するためには、 ・できるだけ早くネットワークに入る(初期メンバーになる、一期生になる、自分で○○会を立ち上げる) ・ネットワーク内のできるだけ多数の人と知り合う ・ネットワーク内で人気者になる というプロセスが必要。 これを早くやり、そのネットワークの「ハブ」になることができれば、雪だるま式にネットワークは拡大する。

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2010/03/20

今の科学はどこへ向かっているのか。 全く読もうと思わず購入したこの本。眠っていたので引っ張り出して読んでみた。 目からウロコがポロリ。 遺伝子も、エイズも、ウェブも交通も、コミュニティも、社会も。 万物が形成し作り出す「ネットワーク」。 国際政治学で最先端の理論と...

今の科学はどこへ向かっているのか。 全く読もうと思わず購入したこの本。眠っていたので引っ張り出して読んでみた。 目からウロコがポロリ。 遺伝子も、エイズも、ウェブも交通も、コミュニティも、社会も。 万物が形成し作り出す「ネットワーク」。 国際政治学で最先端の理論としてやたらネットワーク分析を習ったのは、 6人の隔たりが意味していたことは、 ヒトゲノム解読が騒がれていたのに完了しても何も発見が無かったのは、 エイズがここまで急速に発展しているのは、 全てに「ネットワーク」の法則が働いている。 分子の世界までの探求は終わった。遺伝子の解読も終了している。細分化は終わりを告げた。 個々の分析からネットワークの分析へ。 全ての学問がその方向へと向かっている。 まさにウェブが進化したこの時代にふさわしい研究だろう。 自己組織化。ベキ法則。80対20の法則。 マーケティングや宣伝などにも大いに使える話でした。 久々に理系テイストな文章読んで楽しかった。

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2010/03/06

スケールフリーネットワークの良質な啓蒙書だと思う。多少もってまわった言い方があり、タイトルは自己啓発本のような感じですが、れっきとしたネットワーク科学の本です。原書の「リンクド」のままの方がいいのではないでしょうか。ネットワーク科学の歴史を書いた本でもあり、エルデシュらの「ランダ...

スケールフリーネットワークの良質な啓蒙書だと思う。多少もってまわった言い方があり、タイトルは自己啓発本のような感じですが、れっきとしたネットワーク科学の本です。原書の「リンクド」のままの方がいいのではないでしょうか。ネットワーク科学の歴史を書いた本でもあり、エルデシュらの「ランダムネットワーク」、ワッツらの「スモールワールドネットワーク」、そしてバラバシらの「スケールフリーネットワーク」の提唱となります。成長と選択的優勢をキーワードに「べき法則」(物理学のパーコレションなどで指摘されていた)が表れることをのべており、優勢によるハブの形成には、先在性・適応度などが考慮されています。べき法則は細胞タンパク質のネットワーク、疫病の流行、経済関係、なによりインターネットなどに明らかに表れている法則です。カスケード故障や一人勝ち現象(ボーズ・アインシュタイン凝縮)のおきかたなど、示唆に富んでいます。エルデシュ・ミルグラム・バラバシ(エルデシュにポストを提供しようとしたノートルダム大学教授)など、ハンガリー人のネットワークでこの分野が形成されている点もなかなか面白い点です。「6次のへだたり」の最初の言及は1929年ハンガリーの作家カリンティの短編小説「鎖」にあるという。

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2009/12/30

ネットワーク理論の入門書としての良書であることは読めば納得のいくところでしょう。 現代思想の中で常に追い求められてきた、動的な状態の記述へのヒントが なにか、ここに隠されている そんな気配を感じさせる。 いくつかのハブを所有し、各項の隔たりを最小にする複雑な絡み合いによって...

ネットワーク理論の入門書としての良書であることは読めば納得のいくところでしょう。 現代思想の中で常に追い求められてきた、動的な状態の記述へのヒントが なにか、ここに隠されている そんな気配を感じさせる。 いくつかのハブを所有し、各項の隔たりを最小にする複雑な絡み合いによって 世界は拡大しつつ、小さな世界へと縮小してゆく 縮小する世界では、われわれは互いに触手を伸ばして接触し合っている 接触し合っている事で、世界は小さく、そして大きく連携している 改めて、触覚的な世界というものが現代において再構成されている事を そして、触覚的な世界というものが一つの本質的なものである事を考えさせる 知人を世界への「ドア」という表現で説明する、その世界観は 建築を考える上でも重要な指標をきっと与えてくれるに違いない スケール・フリーネットワークへの変化は、 再度、フーコの「監獄の誕生」の世界を読み直す事を強いているように 思う。 少ない隔たりで成立する世界とは、透明性を獲得した「監獄」に等しい しかし、われわれは現代の監獄とフーコーの監獄の差異を見極める事で そこにある、まるで皮膚のように私を取り巻いている「センサー」を ポジティブに肯定できる日が来るのかもしれない。 まるで、ゴキブリのような生命力を持つ、この仕組みが肯定されない理由もない きっと、この先を見ても国家は消滅しないし、資本は力を持ち続ける しかし、隅に追いやられていた部族社会は、それらと同等に力を持つ それぞれは小さな単位かもしれないが、ネットワークという共振作用で 地球村は来ないかもしれないが、新たな世紀の幕開けを感じさせる たった1900円の旅 ぜひ一枚、切符を買って旅行して欲しい そこから見えて来る光と影を知るためにも 波と触知と共振 読んでいて、いつも三つが自分の頭を飛び回っていた。 http://d.hatena.ne.jp/ikebow/20090301

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2009/10/07

ネットワークについての本。 ウェブだけではなく、エイズの広まりやアジアの通貨危機、コンピュータウイルスやキリスト教の広まりなど、様々なネットワークを通して解説しており、とても興味深い。 ネットワーク型のウェブ検索をいつかつくりたいなと思っているのですが、そのために非常に参考に...

ネットワークについての本。 ウェブだけではなく、エイズの広まりやアジアの通貨危機、コンピュータウイルスやキリスト教の広まりなど、様々なネットワークを通して解説しており、とても興味深い。 ネットワーク型のウェブ検索をいつかつくりたいなと思っているのですが、そのために非常に参考になりました。 「しかし現実には、すべてのウェブページが互いに連結されているわけではないのだ。どのページから出発しても、到達できるのは全ドキュメントのわずか24パーセントほどにすぎず、残りのページにはサーフィンによってはたどり着けないのである。そんなことになっているのは、ウェブのリンクが向きを持っているからである。」

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2009/10/04

気鋭の研究者バラバシによる分厚い本だけども、 文章は難しくなくてさらさらと読める。 ネットワーク研究の概要のあとに インターネット、経済、がん細胞、HIVウイルスの感染経路等 幅広い例を示している。 バラバシが提案した「スケールフリーネットワーク」は、 細胞から交通・経...

気鋭の研究者バラバシによる分厚い本だけども、 文章は難しくなくてさらさらと読める。 ネットワーク研究の概要のあとに インターネット、経済、がん細胞、HIVウイルスの感染経路等 幅広い例を示している。 バラバシが提案した「スケールフリーネットワーク」は、 細胞から交通・経済にいたるまで、 すなわちミクロからマクロまで幅広く存在しているという。 ■スケールフリー(SF)ネットワーク ・ノードの数は増え続ける ・新しいノードはリンクの多い古参ノードにリンクしやすい この単純なルールだけで、リンク数が「ベキ分布」をもつネットワークができる。 逆にいうと、最初からノードがランダムにつながっていくネットワークだと、 ベキ分布や現実のネットワークの特徴を表現できないという。 (→SFネットワークであるためには「成長」が不可欠らしい、 現実世界がSFネットワークでできているなら、 世界はその存在の前提として「時間」を巻き込んでいることになる) 世界の人間がだいたい6人リンクで全員網羅できるという特徴は スケールフリーネットワークのスモールワールド性によるもの。 ランダムなネットワークならこのように「小さな世界」にならない。

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2009/10/04

・エルデシュ係数 1500あまりの彼の論文のうち、共著は507 エルデシュと共著論文をもつものはエルデシュ数? エルデシュの共著者と共著論文をもつものはエルデシュ数? ・スタンレーミルグラムの6次の隔たり 百六十通の手紙のうち、四十二通が目標人物に届いた。 目標人物に届くための...

・エルデシュ係数 1500あまりの彼の論文のうち、共著は507 エルデシュと共著論文をもつものはエルデシュ数? エルデシュの共著者と共著論文をもつものはエルデシュ数? ・スタンレーミルグラムの6次の隔たり 百六十通の手紙のうち、四十二通が目標人物に届いた。 目標人物に届くための知人の輪の平均値は5.5. WEBは19の隔たり ・マーク・グラノヴェッターの転職に関する研究  力になってくれたのは親しい友人ではなく、ちょっとした知り合い。 ・マルコムグラッドウェル  社交性をポイント化して計算。  どんな社会階級にも友人や知人を作る並外れたコツを身につけた人が少数存在する。その人がコネクター。 ・ケヴぃン・ベーコン・ゲーム  オールブライト・カレッジの大学生、クレイグ・ふぁス、ブライアン・タートル、マイク・ジネリ  ハリウッドの俳優は誰も皆、平均して二つか三つのリンクでケヴィン・ベーコンとつながる。 ネットワークに関する限り、サイズは重要ではない。 ランダム・ネットワーク =フリーウエイ スケールフリーネットワーク =空港とハブ空港 ハブは存在すべくして存在する。概念上の重要なネットワークはたいていスケールフリーネットワークである。 頑健性、故障や攻撃に対する耐性はすべて、ハブによって決定されている。 水が氷になる瞬間=相転移 ・金持ちはもっと金持ちに。  適応度が勝敗を決める  リンクの多いものが勝者になる ・ガエタン・デュガ  元フライトアテンダントのフランス系カナダ人  エイズの「ゼロ号患者」

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2022/01/17

不勉強を恥じておこう。既に紹介した『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』は本書のパクリだった。ただし、読みやすさではマーク・ブキャナンに軍配が上がる。いずれにしてもこの2冊の作品は、グローバリズムを避けられない現代にあっては不可欠のテキストとなることだろう。それにし...

不勉強を恥じておこう。既に紹介した『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』は本書のパクリだった。ただし、読みやすさではマーク・ブキャナンに軍配が上がる。いずれにしてもこの2冊の作品は、グローバリズムを避けられない現代にあっては不可欠のテキストとなることだろう。それにしても、世界には恐るべき才能が存在するものだ。著者のアルバート=ラズロ・バラバシ氏は1967年生まれというのだから驚かされる。 https://sessendo.blogspot.com/2022/01/blog-post_73.html

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2009/10/07

‘六次の隔たり’や‘ハブとコネクター’、‘80対20の法則’が印象に残っている。六次の隔たりは、ある事象を目的の人に伝達するのに、ほとんどがだいたい6人の人を介して伝わるという実験結果だ。意識していなくとも、ネットワークは自然につながっていくということがわかって面白かった。‘ハブ...

‘六次の隔たり’や‘ハブとコネクター’、‘80対20の法則’が印象に残っている。六次の隔たりは、ある事象を目的の人に伝達するのに、ほとんどがだいたい6人の人を介して伝わるという実験結果だ。意識していなくとも、ネットワークは自然につながっていくということがわかって面白かった。‘ハブとコネクター’は自分と仕事が結びついたとき、それを仲介してくれている人は、深い友人よりちょっとした知り合いの人の方が多い、という点が他の本でも見たフレーズであり印象に残っている。‘80対20の法則’は、よく見るフレーズであるので、認識を深いものにできて良かった。

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