終戦のローレライ(下) の商品レビュー
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読ませる、という力に秀でた作品。 そして懊悩の部分の入れ方もまた、秀でています。 もっとも終盤がものすごい力量です。 その圧倒的な文章の力に 押しつぶされることなきよう。 そして、不可避な運命には切なくなることでしょう。 避けられないんです。絶対に。 そして、ラスト。 きちんと読んだ人ならば ある人物が感じたこと、わかりますよね。
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とにかく長い。 ただ、だらだらと長くなってる印象。 もう少し短くできなかったものか。 上巻は、勢いがあって面白かったが、下巻から勢いがなくなってしまった。 残念。
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ほどよいリアリティとほどよい御都合主義をうまく混ぜ合わせた エンターテイメント、ですな。ローレライは嘘だけどCZは本当、とか。 亡国のイージス」は映画化が無理なので、映画化を念頭に書いた、 となんか読んだけど、確かに映像が目に浮かぶシーンが多かった気がする。 ただ、なんかどっか...
ほどよいリアリティとほどよい御都合主義をうまく混ぜ合わせた エンターテイメント、ですな。ローレライは嘘だけどCZは本当、とか。 亡国のイージス」は映画化が無理なので、映画化を念頭に書いた、 となんか読んだけど、確かに映像が目に浮かぶシーンが多かった気がする。 ただ、なんかどっかで見たことあるようなシーンがあちこちにあった、気もする。 まあ気のせいかもだけど。「天誅」のとこ、漫画版パトレイバーとか思い出しましたが。 面白うございました。
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再読。やはり長くて重い、けれども読む手が止まらなくなる作品だった。戦闘シーンの緊迫感も読んでてハラハラした。でも印象に残ってるのは戦闘よりも人と人との関わり会うシーンのほうが多いかも。 ローレライを持って日本に自らの考える"あるべき終戦の形"を押し付けようとする朝倉の凶行に対して、一度は朝倉の言葉に傾きながら「ローレライは、あなたが望む終戦のためには歌わない」と、断固とした態度で拒絶したり、無茶で無謀で一見絶対成功できっこない作戦を完遂させて「作戦完了。本館はこれより帰還の途につく。機関始動」という言葉を吐く絹見艦長がカッコ良かった。帰還中に皆で「椰子の実」を歌うシーンは泣けてきました。ソレに対して終章は少し読んでて寂しかった。その後は知りたいけどもう少しスッキリ終わらなかったものかな
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「国家の切腹を断行する」南方戦線で地獄を見た男の、血塗られた終戦工作。命がけで否と答えるべく、その潜水艦は行動を起こす。耐えてくれ、ローレライ。おれたち大人が始めたしょうもない戦争の痛みを全身で受け止めて、行く道を示してくれ。この世界の戦をあまねく鎮めるために。いつか、悲鳴の聞こ...
「国家の切腹を断行する」南方戦線で地獄を見た男の、血塗られた終戦工作。命がけで否と答えるべく、その潜水艦は行動を起こす。耐えてくれ、ローレライ。おれたち大人が始めたしょうもない戦争の痛みを全身で受け止めて、行く道を示してくれ。この世界の戦をあまねく鎮めるために。いつか、悲鳴の聞こえない海を取り戻すために―。
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勢いでハードカバーを買い10年近くそのままに。。このボリュームはなかなか踏ん切りがつかなかった。作者は同世代だが、おっさんのヒロイズムというか、描き方がうまい。というか、昭和のアニメブームで育った人間としてはど真ん中。昔、爆笑問題の深夜番組で、太田光が作者を目の前に絶賛していたの...
勢いでハードカバーを買い10年近くそのままに。。このボリュームはなかなか踏ん切りがつかなかった。作者は同世代だが、おっさんのヒロイズムというか、描き方がうまい。というか、昭和のアニメブームで育った人間としてはど真ん中。昔、爆笑問題の深夜番組で、太田光が作者を目の前に絶賛していたのが思い出される。
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戦争ものなので男のことばかりなのだけれど、やはり政界にも軍部にも世界のもう半数の意思があった方が良いと思った。大義や論理的思考の結末で、ある意味そこに居合わせただけの命をあんなに沢山奪ってはいけない。命とは人だけではない。大義と実践、論理と直感はどちらかに偏ってはいけないのかも。...
戦争ものなので男のことばかりなのだけれど、やはり政界にも軍部にも世界のもう半数の意思があった方が良いと思った。大義や論理的思考の結末で、ある意味そこに居合わせただけの命をあんなに沢山奪ってはいけない。命とは人だけではない。大義と実践、論理と直感はどちらかに偏ってはいけないのかも。 今海戦ゲームをやっているので知ってる艦名や戦闘の陣形が面白かった。 ラストはなるべくして感があるけれど、こんな普通の生活で皆の期待に応えたんだろうかという疑問が、またこれ男性的なので両性あって良かったと実感。
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事務的な指摘であるが、 ・怪しげなドイツ語が書かれている(初歩的な文法ミスもあった) ・「B部隊」「L部隊」にそれぞれ「チーム・ブラボー」「チーム・リマ」と誤ったルビ振りだけならまだしも本文に「本来ならズールーと発音される」と書いてしまっている(これは現代のフォネティックコードで...
事務的な指摘であるが、 ・怪しげなドイツ語が書かれている(初歩的な文法ミスもあった) ・「B部隊」「L部隊」にそれぞれ「チーム・ブラボー」「チーム・リマ」と誤ったルビ振りだけならまだしも本文に「本来ならズールーと発音される」と書いてしまっている(これは現代のフォネティックコードで太平洋戦争時の米軍は別のものを使用) など、話の本筋と関係のないところでノイズが多かったのが気になる。 浅倉大佐や絹見少佐について、序盤は井上成美海軍大将を「なんとなく」想起させて、期待していたのだが、まったく違って残念。 浅倉大佐は頭脳明晰という設定になっているが、彼の「未来予測」の的確さ以外はそれを感じるところがなかった。その「未来予測」もあまりに史実どおりでリアリティに欠ける(リアリティなんて求めてはいけないのだろうが)。「頭が良すぎて凡人からすると狂気」という設定の人物がほしかっただけなんだろう。 最後の戦闘シーンはありえなさ過ぎて、笑いながら読んでいた。 話はフィクションを通り越してファンタジーといったところか。そう思って読めば期待はずれということもないだろう。
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上下巻、読み終わりました! 上巻は読み始めのころの様々な「謎」がすべて解け、かつ無事に保護作戦も成功できたぜ☆という「達成感」を感じました。 謎が解けたあとに、また最初のほうを読み返すと、面白いですね^^ そして下巻。 皆に、きちんと出番があり、1人1人の心情が描かれているのが...
上下巻、読み終わりました! 上巻は読み始めのころの様々な「謎」がすべて解け、かつ無事に保護作戦も成功できたぜ☆という「達成感」を感じました。 謎が解けたあとに、また最初のほうを読み返すと、面白いですね^^ そして下巻。 皆に、きちんと出番があり、1人1人の心情が描かれているのが嬉しかったです。 色んなシーンがありますが、私が特に印象に残っているのは2つ。 船の中で二人が玉音放送を耳にするシーン。日本に無事に着けるんだ、という安堵感を感じたのと同時に、戦争は終わったんだという思いと、「誰の声?」「しらない」といった二人の短い会話から、感じるものがあります。(うまく表現できないんですが・・・) もう1つは、最終章。戦後の何十年もの有様が、グワっと怒涛のように読者に押し寄せてくる。歌とともに。 それは、もはや「創作」でも「フィクション」でもなく、現実なのです。 この本は、発行が11年前なので「そこ」で止まってはいますが、「未来」である今も、世界は何ら変わってはいない、という事実を突き付けられたような感じです。 このタイミングで、この本に出会えた事に感謝。
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