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ビロードうさぎ の商品レビュー

4.3

19件のお客様レビュー

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2016/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

研修で知り、借りて読んだ。 ビロードでできたおもちゃのうさぎは、ぼうやへのクリスマスプレゼントだった。 子どもにとても長い間、ただの遊び相手ではなく、しんからかわいがられると、おもちゃは「ほんとうのもの」になるという。 原題『The Velveteen Rabbit』。 酒井駒子さんの『ビロードのうさぎ』の印象が強く、酒井さんの絵が得意ではない私は読んだことがなかった。 これは本家本元・イギリスの画家の絵がついている。 しかも、私がすきな、あの『かしこいビル』のウィリアム・ニコルソンだから嬉しい。 見返しを開くと、おしゃれでかわいいうさぎの淡い絵が広がっていた。 さてこれは、絵本かと思ったら、きちんとした文学だ。 原著を知らない私でも、ちょっとした石井桃子さんの言葉の選び方に、訳がうまいんだろうなぁ、と感じる。 年をとった木馬に、「ほんとうのもの」になれるという話をきいたときの心の動きはどうだろう。 大人の私は、「ほんとうのもの」とは何か、誰かに認められ求められたときの「ほんとうのもの」なのかな、などと考えてしまう。 自分が「ほんとうのもの」であると認められながらも、それとはまた違う存在としての「ほんとうのもの」である動物のうさぎと出会ったときのうさぎの気持ち。 恥ずかしい・情けない・悲しい、いろいろな感情がぐるぐるしていたことだろう。 そしてとうとう、妖精がビロードうさぎを「ほんとうのもの」にする場面は、とても美しい。 妖精の登場や森の様子の描写が、絵に連れられて映像として流れてくるようだ。 子どもにも美しい文章を読んでもらえていることを考えると、嬉しい。 最後の場面では、小さな救いを感じた。

Posted byブクログ

2016/12/12

以前に読んだ渡辺和子の著書に載っていたので、図書館で借りて読んでみた。世間的には省略版の別訳が人気のようだけど、やはり読むには全訳がいいと思ったので、これにした。とてもキリスト教色の強い話だなと思う。素直に感動できた。

Posted byブクログ

2015/03/02

マージェリィ・ウィリアムズ原作のこの物語、日本では石井桃子さんの訳で1953年に最初に発行されたようで、さらに最近では2007年発行の酒井 駒子さん抄訳のものが有名です。 (これら以外にもあるようですが省略) お腹におがくずがつまった、自分をつまらないものと思っている、素朴で純...

マージェリィ・ウィリアムズ原作のこの物語、日本では石井桃子さんの訳で1953年に最初に発行されたようで、さらに最近では2007年発行の酒井 駒子さん抄訳のものが有名です。 (これら以外にもあるようですが省略) お腹におがくずがつまった、自分をつまらないものと思っている、素朴で純粋なぬいぐるみのうさぎが「ほんとうのもの」になるお話。 「ほんとうのもの」ってなんでしょうね?^^ 詳しくは実際に読んで頂きたいのですが、原作の中から好きな箇所をいくらか載せます。 ……「どんなものでも、ほんとうのものになるころには、毛は、おおかたすりきれ、目はとれ、手足は、グラグラになって、とてもぼろぼろになってしまうのだよ。だが、そんなことは、どうでもいいのだ。ほんとうのものになってしまえば、もう、みっともないなんてことは、なくなってしまうのだから。」 ……そのばん、うさぎは、あんまりうれしくて、ねむれないくらいでした。おがくずでできた、小さいしんぞうは、あつくなって、はりさけそうでした。 原作では文章量が多いだけに詳細に語られる部分があって、上記の「どんなものでも・・・」の馬の語りや「おがくずでできた、小さいしんぞう」等の表現によってそれぞれのキャラクターがより伝わりやすいかなと思います。 上記の箇所は酒井さんの抄訳ではかなり省かれているのですが、簡潔に、詩的にまとめられておりどちらも好きです。 そしてこの絵本のもう一つの魅力、酒井駒子さんの絵の世界。 酒井さんの描く子供や動物は、どれも大変愛くるしく、それでいてどこか憂いを帯びているような、冷めた視点で描かれたような空気が漂う。いわさきちひろさんの絵をリアルに描いたような作風。 そこは「沈黙」のある世界で、酒井さんの他の作品、「金曜日の砂糖ちゃん」や「まばたき」のような、詩的でシュールな大人向けの内容のものにもしっくりきます。 お話の中で、絵の中で描かれる、純粋で素朴なうさぎを、読者は皆、ぼうやと同じように愛おしく思うはずです。また、時の流れのはかなさや残酷さ・美しさも感じられる、とにかく魅力いっぱいの物語です。

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2013/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

酒井さんの絵を先に見てしまったので、絵は外国っぽい(あまり日本人になじみがない感じ)ですが、文章はさすがの石井桃子さん。 抄訳ではあらわされてないこともきちんと書かれ、納得のいく訳でした。 感動です。子どもの気持ちをよくあらわしてくれている絵本ですね。

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2015/08/10

酒井版「ビロードのうさぎ」があまりに好きすぎて、もっと詳しい話が読みたくなり手にとったものです。 話の大筋は変わらないですが「ビロードのうさぎ」よりはより一層、読み物に近くなっていると思います。あちらが子供にそっと読み聞かせるような絵本だとしたら、こっちは大人の方がしっかり読むの...

酒井版「ビロードのうさぎ」があまりに好きすぎて、もっと詳しい話が読みたくなり手にとったものです。 話の大筋は変わらないですが「ビロードのうさぎ」よりはより一層、読み物に近くなっていると思います。あちらが子供にそっと読み聞かせるような絵本だとしたら、こっちは大人の方がしっかり読むのに適している感じです。 抄訳では味わえない、よりいっそう深い話を読みたい方に。 そしてやっぱり泣けます。 こちらの素朴な絵もとても可愛らしいです。 何よりも驚いたのが家政婦さんの性格がとてもマイルドになっていたこと。きつい人かと思っていたら案外そうでもなかった……。

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2011/05/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館で借りました。  児童書。  ビロードのうさぎのヌイグルミが男の子に可愛がられてぼろぼろになっていく。  でもぼうやには綺麗な兎に見える。  そのうち、ぼうやは病気(猩紅熱)になり、回復すると病気の元だからとその他の品々と一緒にうさぎも棄てられ、燃やされてしまいそうになる。  すると、妖精が現れて、兎を本物にしてくれる。  ヌイグルミとしては本望かな、と思うのは、可愛がられ過ぎてぼろぼろになって、ついには誰もそれが兎とは見分けがつかない姿にまでなってしまうということ。そこまで愛してくれたら、贈り主は嬉しいだろう。  ちょっと都合がよすぎる気もしましたが。  これを読んで、子供は自分のおもちゃを大事にするのかなぁ?

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2011/07/15

子どものブッククラブで今月送られてきた本。てっきり、たなぞうでも何度か見かけた酒井駒子さんの絵のものだと思ったら違っていました。いくつか違うバージョンで翻訳が出ている絵本なんですね(いや、絵本というにはちょっと本文が長いかな)。こちらは石井桃子さん翻訳、挿絵はウィリアム・ニコルソ...

子どものブッククラブで今月送られてきた本。てっきり、たなぞうでも何度か見かけた酒井駒子さんの絵のものだと思ったら違っていました。いくつか違うバージョンで翻訳が出ている絵本なんですね(いや、絵本というにはちょっと本文が長いかな)。こちらは石井桃子さん翻訳、挿絵はウィリアム・ニコルソン(おそらく、初版刊行時の挿絵と思います)。リズムがあるすてきな訳です。子どもの頃の大切なおもちゃのお話。鼻の奥がつんとするような、懐かしさを覚える1冊です。ぼうやの無垢さとうさぎの一途さ。最後に現れる救いの妖精。なぜとはなしに、篤い信仰を持った人が書いたお話という感じがします。*この物語にも登場する猩紅熱。猩紅熱といえば『若草物語』を思い出すのですが(『赤毛のアン』にも出てきたような・・・?)、ちょっと前までは、欧米の子どもが罹る重い病気の代名詞のような感じだったのですかねぇ。

Posted byブクログ

2009/10/07

読みながら、涙が出そうになった1冊。 大切にしてもらって「ほんもの」になれたうさぎ。。 でも、その後には辛い別れがあって・・・。 楽しい場面も、悲しい場面も、それぞれに涙が出そうになる不思議。 これからも何度も読み返したいし、 子ども達にも読んであげたいなぁと思いました。

Posted byブクログ

2009/10/04

日本語では読んだことがないんだけど、なぜか洋書で見つからなかった。 愛されることで本物になれたベルベットのうさぎのお話です。 哀しい・・・

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