無花果日誌 の商品レビュー
面白かったです。 読んでみたかった若合春侑さんの作品。 読み終わってみれば、17歳の女の子の性や死にゆらゆらする日常なのですが良かったです。 桐子が通うミッション系の女子高の歪さ、そこで経験していくことと損なわれる命と。 桐子と郁くんのふたりがとても良い感じです。郁くんは本当に初...
面白かったです。 読んでみたかった若合春侑さんの作品。 読み終わってみれば、17歳の女の子の性や死にゆらゆらする日常なのですが良かったです。 桐子が通うミッション系の女子高の歪さ、そこで経験していくことと損なわれる命と。 桐子と郁くんのふたりがとても良い感じです。郁くんは本当に初めてなのか女の子の扱いの上手さと紳士的な感じ…と思いましたが、両親(登場するのは生存してる母親だけだけど)の職業を知って、これならさもありなんとなりました。 友だちの矢萩さんと明子も好き。あっけらかんとしてたり情報通だったり…。 女子高での騒ぎとその結末へのシスターたちの対応に、やっぱりキリスト教好きじゃないな、と思いました。亡くなった人を更に貶めてそれをさも当然みたいに。醜い。 でも桐子が瑞々しくて良かったです。闇に傾きすぎない。表紙がとても渋いのですが、中身は女子高生の恋愛が主で可愛かったです。
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前半は性表現が頻繁に出るので眉をしかめるかもしれませんが読み進むにつれて気にしなくなります。 彼氏に舞い上がったり、彼氏の美人のお母さんに憧れたり、性体験に悩んだり、嫌な奴とぶつかったりと生々しいというより生き生きとした女子高生の姿で、青春だなぁとニヤニヤしちゃいます。 升井を言...
前半は性表現が頻繁に出るので眉をしかめるかもしれませんが読み進むにつれて気にしなくなります。 彼氏に舞い上がったり、彼氏の美人のお母さんに憧れたり、性体験に悩んだり、嫌な奴とぶつかったりと生々しいというより生き生きとした女子高生の姿で、青春だなぁとニヤニヤしちゃいます。 升井を言い負かした場面はスカッとした。 大人でなくてはこういう輩をぎゃふんと言わせられないもんね
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「本の旅人」に連載した12章の単行本化。 漁港のまち(たぶん塩竃)の八百屋の娘で、隣のまち (たぶん仙台)のカトリック系女子高に通う桐子(とうこ) は、乳がんで母を亡くし、父と弟の3人暮らし。 母の入院先で同室だった、かつての母の同級生加世子 の一人息子郁(かおる)とつきあっ...
「本の旅人」に連載した12章の単行本化。 漁港のまち(たぶん塩竃)の八百屋の娘で、隣のまち (たぶん仙台)のカトリック系女子高に通う桐子(とうこ) は、乳がんで母を亡くし、父と弟の3人暮らし。 母の入院先で同室だった、かつての母の同級生加世子 の一人息子郁(かおる)とつきあっている。 そして、無花果日誌と名付けた日記にできごと思いを綴 っている。 郁と同じ電車に乗ること、母の死とその後の家族の暮らし、 弟の恋、学校の授業、友人の初体験ばなし、郁との初体 験の失敗、同級生の飲酒停学と自殺、ミッションスクールや 宗教への反発、森の中での初体験。 高校生にしては、自分が子供だということも、迷っている ことも、不条理に満ちたオトナの世界への反発も、冷静に よく考えている。 がんばれよ、と言ってあげたくなる青春小説。
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「脳病院へまゐります。」で衝撃を受けて以来の若合春侑。 まさかこんなさわやかな小説が書ける人だとは! なんとなく、山田詠美の「放課後の音符」を彷彿とさせるような書き方とストーリーでした。 とても軽快なわざとらしいお嬢様言葉が心地よかった。 ストーリーはそれほど心には響かず。 で...
「脳病院へまゐります。」で衝撃を受けて以来の若合春侑。 まさかこんなさわやかな小説が書ける人だとは! なんとなく、山田詠美の「放課後の音符」を彷彿とさせるような書き方とストーリーでした。 とても軽快なわざとらしいお嬢様言葉が心地よかった。 ストーリーはそれほど心には響かず。 でも、そういうたぐいの本なのだろうと思います。 吉本ばななのようにがつんと心に「本当のこと」をたたきつけられるような話ではなく、読み終わった後にふわっと果物の余韻が残っているような、そんな小説でした。 ストーリーは、母親を乳がんで亡くした主人公の女子高生が実家の八百屋を手伝いながら、なりあがるためにはお嬢様になるしかないと厳しいミッションスクールに入り、内部のどろどろした感じに辟易しながらも、恋人になった男の子とまあまあ素敵な初体験をつつがなく終える、という感じでした。すごいざっくり書いたけどw 前回レビューを書いた「性的唯幻論」の内容ともちょっとリンクしてて面白かった。やっぱり日本人には、「罪と罰の文化」というのはなじみにくいのではないでしょうか。 私も作者と同じように、宗教という名のもとに自分は正しいのだと思い、清らかなふりをしながら実は宗教を持たない人に対する優越感を持っている人がきらい。貼りついたような笑顔がきらい。 それはその宗教を嫌っているということではないけれど。 もう一度、「脳病院へまゐります。」を読んでみようと思います。
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カトリック女子高に通う桐子は17歳。家の近所の下品な環境にうんざりして お嬢様学校に入ったけれど、お上品ぶった同級生や修道女って? 生と死、 恋と性…。生意気で感じやすい17歳の日常を瑞々しく綴った話題作。
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なんか変な名前の作家さんだなぁ、読み方さっぱり解んなかったっすねぇ。まぁ、書かれている内容は、良くある青春小説と同じく、「恋」「友情」「家族」といった所なんだけど、まぁ最近の傾向としてやはりそこに「命」とか「性」といったテーマも含んでいる。例えば母親を乳ガンで亡くしている桐子は、...
なんか変な名前の作家さんだなぁ、読み方さっぱり解んなかったっすねぇ。まぁ、書かれている内容は、良くある青春小説と同じく、「恋」「友情」「家族」といった所なんだけど、まぁ最近の傾向としてやはりそこに「命」とか「性」といったテーマも含んでいる。例えば母親を乳ガンで亡くしている桐子は、母が入院をする前に、(結果的に死ぬ前、ということになるのだけど)父と盛大にと言うとおかしい、激しいと書くと嫌らしい、熱意を込めてというのも相応しくない、セックスを毎晩永井次官を書けて行っているのを目撃する、とか。初めて出来た彼氏と、初めてしたキスの後、いきなり処女喪失の場面に直面し、全く自分から動けず、結局失敗に終わる、とか。同級生が東京に遊びに行って渋谷でナンパされてマワされて帰ってきたのが学校にばれて、退学になった矢先に自殺した、とか。多分、これは、結構無さそうで、あるっていう種類の話だなーと思う。もっとも感受性や好奇心が強いこの時期の女子特有の、事件が色々起こるという意味では、どれも有り触れている位だ。 両親のセックスを目撃する、自分もセックスを経験する、友人知人が非行に走る…、彼女たちはもちろん、そういった何もかもが新鮮でキラキラしていたりどろどろしていたりする、それらの出来事に、とっくに覚悟が出来ていて、それがどれだけ衝撃的であろうとも、一時的な事として受け流していくしかないということを知っている。そこにあるのは、どれも確実では無いという不安と、どれも自分に訪れる可能性のあることだという期待だ。自分が特別ではないのだと言うことを薄々認識しつつも、それでも最後の期待を決して失わない。それが好きで、自分はこういうものを読むんだろうと思うし。このまま成長すると言うことは、普通という領域の広くなる年代に入っていくと言うことで、どんどん自分の個性が出しにくくなっていくのだと言うことを、感じ取る。だから思春期の青年達は、そうなることを畏れ留まろうとする。だけど、そんなのは無理、身体は勝手に成長し、肉体は日に日に大人達と似てくる。そして自分自身で大人になる為の経験を選び取り、結局は自らの意志で大人に近づいてしまう。 高校生、特に最近は「17歳」という年齢に、特にこだわりやすいらしい。きっと、最も自意識過剰で、馬鹿で、傲慢で、根拠のない自身に充ち満ちていて、そのくせ不安定ですぐに揺らぐ自信と、何に対しても懐疑的な態度しか取れない、そんな年頃。自分が大好きで大事でたまらなくて、でも全然満足していない。理想の人間、理想の大人に、なれるはずだ!と、まだ信じてる年頃。 本当に可愛いと思う。テレビには絶対に出てこない。絶対モー娘。にはなれない、そんな女の子。
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