クレーン男 の商品レビュー

ライナー・チムニク(著者),矢川澄子(訳者)

2011/07/28

これは寓話なんだけれど、何を映してるの、と言われると困ってしまう。戦争が底なしに惨めでさびしいのは伝わってくる。クレーンに一目惚れしクレーン男となった主人公はクレーンと共に生きる。愛すべき、愛すべき人生。にぎやかで滑稽な街の人や出来事、彼の人生を通り過ぎていく友達、戦争。そして孤独。信じられないくらい澄み切った海上のクレーンの孤独。ワシがきてくれて良かった。しかも凄くいい子で。この物語は全てが移り変わっても、誰でも心の中に自分だけのクレーンを持っていて、そこは孤独で、でも良き友が側にいることは出来る、というようなことを私に諭したかも知れない。私はクレーン男ほど自在に自分のクレーンを操れないし、大事に出来ていない、そこに腰を据えられない。いつも自信なくふらふらしている。私もクレーンを磨かなくては。こちら装幀がとっても素敵。古いものもネットで見たら目の醒めるような青色で綺麗だった。買ってすぐ読み終わったけれどまた気が向いた時手に取りたい。それまで、彼のクレーンは静かに動き続ける。

2011/06/30

クレーンの上から眺める緑の草原が、朗らかに笑う少女たちが、澄んだ青空が、悲しい戦争が、霧の海が見えるような。黒いペンと単純な線で全ページに描かれた挿絵があまりに雄弁で、一本の美しい映画を見たような満足感がある。

2009/10/07

クレーンに全てをかけた男のお話。
優しくも切ない大人のおとぎ話。チムニクさんの絵がいい上、装飾が素晴らしいのだ。

2009/10/04

「まいった、パンクだ。」と言って楽しい妄想に耽ってしまうトレーラー運転手のレクトロ、彼の友人はクレーンに登って以来地上に降りようとしない人間クレーン男。彼と彼のクレーンが出くわす冒険や様々な変化。児童書だけども哲学的な雰囲気をもつお話。ユーモラスな挿絵もいい。

2009/10/07

町の空き地にある貨物用クレーンにすみついたクレーンオトコ。女たちが誘っても、戦争がはじまっても、クレーンオトコはクレーンから離れなかった。

2009/10/04

この本を薦めてくれた友人に借りた本。「装丁も挿絵も翻訳も内容も文句なし！」と言われ、読んでみますと、その通りでした。有得ない事なのに、違和感がない世界。住めると思った。

2009/10/04

装丁の可愛らしさ。ページごとの挿絵の、目に楽しい挿入の仕方。そして話のおだやかさ。
寝る前に読みたい本。

2009/10/04

クレーンで寝起きして、クレーンから降りようとしない男（しかも自分のクレーンじゃないのにっ！）
その男が泥棒を捕まえたり、鷹と暮らしたり、寂しくなってみたり、クレーン上での色々な出来事をつづっている訳なのです。
児童書といわれておりますが、なかなかどうして、風刺も効いておりますし、挿絵も装丁も良いし大人のための本です。

2009/10/04

ライナー・チムニクの作品初購入。
渋谷ブックファースト　絵本・童話のコーナーにあった。挿絵と文章が素敵な作家。