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屍鬼(5) の商品レビュー

4.2

267件のお客様レビュー

  1. 5つ

    104

  2. 4つ

    91

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

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2010/08/16

文庫だと全5巻で結構長いけど一気に読めちゃいます。 ジャンルとしてはホラー? 人間の日和見主義な所が浮き彫りです。 あと生きる意味について考えさせられる感じ。 展開は読めるけど終わりは読めません。 登場人物が村全員と多いのがちょっと混乱するかも。

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2010/08/16

●感想● 日本ホラー小説の金字塔、と言うに相応しい最終巻でした。 久々の「時間を忘れて一気読み」な一冊。サクリファイス以来! 特に敏夫と千鶴の神社の場面あたりは鳥肌をたてつつ読みました。 私は、というかたぶん、大多数の人が静信に近いものがあるのではないかと思います。なのでイライラ...

●感想● 日本ホラー小説の金字塔、と言うに相応しい最終巻でした。 久々の「時間を忘れて一気読み」な一冊。サクリファイス以来! 特に敏夫と千鶴の神社の場面あたりは鳥肌をたてつつ読みました。 私は、というかたぶん、大多数の人が静信に近いものがあるのではないかと思います。なのでイライラする、けどやはり、共感するところもある。 でもたとえば、人間側がマイノリティであったら、たぶん静信は人間側についたんだろうし、人というものはそういうものだと思います。マイノリティを恐れて忌避しようとしつつも、やはり惹かれてしまう。 圧倒的正義を、迷いなく振りかざせることを、誰もが望んでいるからこそね。 まさかゾンビ小説を、これほど読ませるとは。 小野不由美先生、お見事です。ごちそうさまでした。

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2010/07/26

 冒頭から、とにかく引き込まれます。文庫本では5冊ありますが、片時も離さず読みきりました。  世界観もさることながら、様々な人物の心理描写の巧みは見事としか言いようがありません。  漫画やアニメもいいけれど、原作の魅力を知らずにいるのは絶対に損。

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2014/09/18

ようやく人間側にも勝機が訪れた。敏夫の機転により、祭りという非日常の場に置いて吸血鬼の実在を証明することにより、村人を蜂起させることに成功する。そして、始まる吸血鬼狩り。瓦解する屍鬼たち。昼間動けないという制約が大きいにしてもちょっとあっさりし過ぎてる気が。大川ってのは徹底的に秩...

ようやく人間側にも勝機が訪れた。敏夫の機転により、祭りという非日常の場に置いて吸血鬼の実在を証明することにより、村人を蜂起させることに成功する。そして、始まる吸血鬼狩り。瓦解する屍鬼たち。昼間動けないという制約が大きいにしてもちょっとあっさりし過ぎてる気が。大川ってのは徹底的に秩序側で沙子と対立する側にいるんだなぁ。ルールの乱れを嫌ったり、屍鬼と化した息子をあっさり屠る辺り、息子を神に捧げた聖書の話を思い出す

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2010/07/23

畢竟、屍鬼との共存は出来ないものでしたが、いろいろと哲学的な疑問を投げかけてくるような小説でした。 人間が生きるということ、人間でも動物でもないものが生きるということ、人間の良心の行方など。 そして、世界の在り方。 なんだか、勢いに乗って読んでしまったので、今度はもっとじっくり考...

畢竟、屍鬼との共存は出来ないものでしたが、いろいろと哲学的な疑問を投げかけてくるような小説でした。 人間が生きるということ、人間でも動物でもないものが生きるということ、人間の良心の行方など。 そして、世界の在り方。 なんだか、勢いに乗って読んでしまったので、今度はもっとじっくり考えて読み返したいと思います。 そんな、恐ろしいだけではなく奥深い深淵を辿るような小説でした。

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2010/07/23

5巻完結のサスペンス。5巻目で人間は屍鬼に反撃に出る。殺戮、山火事、数多の悲劇。それぞれの人間の描写は区切りがつき、話は終わる。社会派?な作者らしく、後味は良くない。でも壮大。

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2010/07/31

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。鬼どもを追い立てる男たちの殺意が、村を覆っていく―。白々と明けた暁に切って落とされた「屍鬼狩り」は、焔に彩られていつ果てるともなく続いていった。高鳴る祭囃子の中、神社に積み上げられる累々たる屍。その前でどよめ...

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。鬼どもを追い立てる男たちの殺意が、村を覆っていく―。白々と明けた暁に切って落とされた「屍鬼狩り」は、焔に彩られていつ果てるともなく続いていった。高鳴る祭囃子の中、神社に積み上げられる累々たる屍。その前でどよめく群れは、果たして鬼か人間か…。血と炎に染められた、壮絶なる完結編。 最終巻のスピーディさはすごく良かった!複線の回収も上手い! 人間側だけでなく屍鬼からの立場も描いてあって、いろいろ考えさせられた。 敏男も静信も沙子も幸せになってもらいたい・・・

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2012/06/18

読み終わったー!!!怖い・・・ こないだまで近所の知り合いやった人を杭を持って・・・ 沙子は切ない。。。 人間って怖いなぁ。

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2010/07/13

文庫の三巻から五巻はハードカバーだと下巻にあたるのでひとまとめに感想。 村を覆いつくし侵食する「死」の正体と、それを招く者、討つ者、そして迎える結末について。 怖いけどそれ以上に悲しい話だった。 カインとアベルの逸話についての解釈が興味深かった。この話は「境界」についての話で...

文庫の三巻から五巻はハードカバーだと下巻にあたるのでひとまとめに感想。 村を覆いつくし侵食する「死」の正体と、それを招く者、討つ者、そして迎える結末について。 怖いけどそれ以上に悲しい話だった。 カインとアベルの逸話についての解釈が興味深かった。この話は「境界」についての話でもあるのだと思う。こちら側とあちら側、此岸と彼岸、内と外。そして両者は自身でもある、と。 境界を渡ってしまった者の苦悩と解放、渡れない者の恐怖もしくは渇望、そして厳然たるその違い。屍鬼の救われないところは人間としての意識を捨てられないところにあるんだろうなぁ。 登場人物が膨大すぎて把握できてないところもあると思うけど、それぞれ魅力的でした。それぞれが選んだ路はいずれも悲劇的だと思うけど、起こっている事態が悲劇なのだから仕方がないのか…。 この長い物語を息をつかせずに読ませる著者の筆力たるや。まさに圧倒的。 心に残る小説です。

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2010/06/30

名作と評価の高いジャパニーズ・ホラー。レビュー後半ややネタバレ。 キングの「呪われた町」に触発された作品だそうですが、米国の小説には、どうしてもキリスト教的世界観が(意識的にせよ無意識的にせよ)根強く背景にあるもので、「日本だったらこうはならないな」というところが出発点なのかな...

名作と評価の高いジャパニーズ・ホラー。レビュー後半ややネタバレ。 キングの「呪われた町」に触発された作品だそうですが、米国の小説には、どうしてもキリスト教的世界観が(意識的にせよ無意識的にせよ)根強く背景にあるもので、「日本だったらこうはならないな」というところが出発点なのかな、と想像します。 テーマは、絶対的な善悪の不在ではないかな。神の不在であり、悪魔の不在。 日本の宗教には、そもそもそういう二項対立の考えって乏しいように思います。神と似た存在としての鬼はいても、180°対立する存在である悪魔はいない。圧倒的な光と闇というよりは、薄明かりと薄暗がり。 それを考えると、静信の着地点はあそこしかあり得ないでしょう。ただ、そんな彼だけが主人公なのでは、物語はエンターテインメントとして集約していかないので、彼との対比として、古典的ヒーローの役割を果たす敏夫がいる。その敏夫本人すら、(最終的には)自分が絶対的に正しいとは思っていないし、静信の選択を、ある種の悲しみをもって受け止めてはいても、間違っていると怒りはしません。また、静信の選択が、読者にもかろうじて受け入れられるとしたら(醒めてしまう人も結構いると思いますが)、その前の夏野と徹のエピソードが秀逸で共感を呼ぶからだと思います。そして律子がいて妙がいて、大川がいて。誰が天使で誰が悪魔か。 難を言うなら、プロットには正直破綻があるし、文学では全くありえないのに、エンタメとしても中途半端。静信の文章がもうちょっと美しかったら作品全体の格も上がったかもしれないですが、ミステリーによく出てくるあやしい古文書と五十歩百歩だし。「静信」でない地の部分では、ぐいぐい読ませるエンタメ的筆力がきっちりある方だと思うんですけど。 とはいえ、楽しく読ませていただきました。個人的に長い小説大好きなので、長いのは苦になりませんでしたし。 作者のほかの小説も読んでみたくなりました。

Posted byブクログ