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阿房列車 の商品レビュー

4.5

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2018/05/08

知り合いに、君は鉄道に乗るのが好きならこれを読みなよと勧められて読んだ。 読んで驚いた。こんなにも面白い文章があるのか。細部の描写が面白い。宿屋の風呂の寒さに文句をつけ、飯の貧相をくさす書き振りやら、美しい風景の描写やら、一文一文が面白くてなん度も読み返してしまう。こんな調子で文...

知り合いに、君は鉄道に乗るのが好きならこれを読みなよと勧められて読んだ。 読んで驚いた。こんなにも面白い文章があるのか。細部の描写が面白い。宿屋の風呂の寒さに文句をつけ、飯の貧相をくさす書き振りやら、美しい風景の描写やら、一文一文が面白くてなん度も読み返してしまう。こんな調子で文章を書いてみたいものだ。

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2017/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私が生まれた1,950年代の国鉄時代には1.2.3等の切符があったそうだ 内田百けんは贅沢な旅を繰り返したと思うが、当時の鉄道を紹介してくれて、感謝

Posted byブクログ

2016/07/17

宮脇俊三は大好きだし、阿川弘之の『南蛮阿房列車』も好きだが、本家の『阿房列車』は読んだことが無かった。先日、吉野朔美の訃報に接っして、ふと彼女が阿房列車について(おそらく本の雑誌か何かに)書いたマンガを思い出し、急に読みたくなった。手に取ったのは筑摩の「内田百けん集成」巻一。第一...

宮脇俊三は大好きだし、阿川弘之の『南蛮阿房列車』も好きだが、本家の『阿房列車』は読んだことが無かった。先日、吉野朔美の訃報に接っして、ふと彼女が阿房列車について(おそらく本の雑誌か何かに)書いたマンガを思い出し、急に読みたくなった。手に取ったのは筑摩の「内田百けん集成」巻一。第一阿房列車全編と、第二阿房列車から 2編を収録している。 かつて、列車に乗るということは、それ自体が楽しみであった。いまでも飛行機がそうであるように、それは単なる移動の手段ではなく、わくわくと胸踊る素晴しい体験だったのだ。昨今、この列車に乗る楽しみは再発見され、カシオペア(現在も観光ツアー専用として走っている)、ななつ星をはじめ、観光列車が日本各地を走るようになっているが、その嚆矢はやはり「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」という名文で始まる、この「阿房列車」であろう。 第二、第三阿房列車も読む。久しぶりに宮脇俊三も読み返そうかと思う。

Posted byブクログ

2016/03/20

なんだろう、この肩肘張らない気楽な感じ。 私も電車に乗って、あれこれ観光など考えず、どこかに行ってみたくなった。

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2015/01/30

「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。「用事がないのに出かけるのだから、3等や2等には乗りたくない」。かくして、当時(1950年代)すでに作家として成功を収めていた著者は、借金をして1等の切符を買い、汽車に乗るためだけの旅に出る。  しかしながら著者...

「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。「用事がないのに出かけるのだから、3等や2等には乗りたくない」。かくして、当時(1950年代)すでに作家として成功を収めていた著者は、借金をして1等の切符を買い、汽車に乗るためだけの旅に出る。  しかしながら著者は「動悸持ちで結滞屋」なため、「遠いところへ行く1人旅なぞ思いも寄らない」。そこで、ヒマラヤ山系なる人物がお供するのだが、これまた酒好きの変人ときている。北へ南へ東へ西へ、2人はひたすら汽車に乗り、車窓を眺め、酒を飲みながらグダグダ夢うつつを行ったり来たり…。  著者の飄々たる偏屈ぶりがもはや芸となっている文章から、限りない旅情と抒情とが上り立つ、鉄道紀行文学のパイオニアにして不世出の傑作。

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2014/12/20

思わずくすっと笑ってしまうようなところがあったり、すごいなと思うところがあったり、おもしろく読んだ。

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2014/08/10

用事も目的もないから、旅に出よう。 さすが百閒先生! お供のヒマラヤ山系くんもいい味出していますが、やはり百閒先生のキャラクターが最高。用事がないのに、借金して一等車。飲んで飲んで飲みまくる。昔の列車旅の様子も知れる。旅のお供の本はコレ。

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2014/06/24

目的地に用事がない旅のお話。 そこに行くまでに乗る列車、汽車が目的。 その方面にはあまり興味がないので、列車の説明はさらりと読み飛ばしてしまった。 注目したのは、先生と山系くんの会話だ。 のんびり気ままな二人旅。 乗り継ぎの接続が悪いと何時間もただ待っていたり、床屋を探し始めたり...

目的地に用事がない旅のお話。 そこに行くまでに乗る列車、汽車が目的。 その方面にはあまり興味がないので、列車の説明はさらりと読み飛ばしてしまった。 注目したのは、先生と山系くんの会話だ。 のんびり気ままな二人旅。 乗り継ぎの接続が悪いと何時間もただ待っていたり、床屋を探し始めたり。 そのマイペースな感じがとてもいい。 私自身旅行の1番の楽しみは「新幹線で本を読むこと」という人間なので、目的地にこだわらないのもなんとなく分かる。 列車から降りたら宿に直行して宴会というパターンの旅もありでしょう。きっと。 それにしてもこの本はエッセイではなく、小説とのこと。 そう思うと今まで読んだ中で最も不思議な小説かもしれない。 でもその不思議さがとても好きだ。

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2014/06/07

元祖どうでしょうのような感じがする。旅すること自体が目的であって、なにかを観るとか、食べたいものがあるとか、そういう欲にまみれてない。 どうでしょうの企画でも、おもしろいのは車中でのグダグダな会話であり、大泉さんとミスターがやられていく様子。 この阿房列車も、旅に出るまでの錬金術...

元祖どうでしょうのような感じがする。旅すること自体が目的であって、なにかを観るとか、食べたいものがあるとか、そういう欲にまみれてない。 どうでしょうの企画でも、おもしろいのは車中でのグダグダな会話であり、大泉さんとミスターがやられていく様子。 この阿房列車も、旅に出るまでの錬金術、車中でのヒマラヤ山系氏との会話、旅先での宴会模様に重点がおかれ、当然、観光の役に立つ話など出てこない。 だからこそ今でも新鮮なのだろう。 古今東西、旅行記は掃いて捨てるほどある。が、この阿房列車こそ、旅そのものの魅力をかききった作品はないように思われる。

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2014/02/08

同級生に何年も前に勧められて購入したのを、幾度目かのトライの末、読了。 率直に言って、非常に読みやすく、面白いと思った。何度か読もうとして読み通さなかったのは、キリが良く終われるところが途中にいくつもあるからである。ストーリーのある話じゃないから先が気になるわけでもない。そ...

同級生に何年も前に勧められて購入したのを、幾度目かのトライの末、読了。 率直に言って、非常に読みやすく、面白いと思った。何度か読もうとして読み通さなかったのは、キリが良く終われるところが途中にいくつもあるからである。ストーリーのある話じゃないから先が気になるわけでもない。そうこうするうちに、最初の方は何遍も読む羽目になった、というわけである。 ユーモアと旅情に溢れ、なかなか読んでいて飽きない。内容はと言えば、電車に乗っているだけなのだから、一体どうして飽きないのだろうと不思議になるくらいである。とても面白かった。 ただ、最後まで読んで、しまったと思わされた。というのも、このちくま文庫から出ている全集の第一巻に阿房列車シリーズ全てが収録されていると思っていたら、実は全体の半分ほどしか収録されていないことが判明したからである。そんなことなら新潮文庫から出ている三冊を買った方が良かったと後悔した。何せ全集は高い。

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