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阿房列車 の商品レビュー

4.5

37件のお客様レビュー

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 夏目漱石の弟子で,…

 夏目漱石の弟子で,しかも随筆の名手の最高傑作が本編である。戦後の落ち着きを取り戻しつつある時代の列車での旅,食べ物あり,飲み物あり,地方色豊かな旅館あり,ユ-モアあり,いま読んでも全く古さを感じさせない。

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どんな珍事件が起こる…

どんな珍事件が起こるというわけでもないのに、こんなに可笑しいのは百閒先生の文章の力ですね。

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先日、この本をかばん…

先日、この本をかばんに入れて鈍行列車の旅をした。「先生」と同じ道のり、同じ列車で旅をしていると、数十年前の旅と現代の旅が二重に進行するようで楽しかった。「先生」は、いつでも暇でとぼけた性格の「ヒマラヤ山系君」などを道連れに、大阪へ行ったり、鹿児島へ行ったり、東北へ行ったりするのだ...

先日、この本をかばんに入れて鈍行列車の旅をした。「先生」と同じ道のり、同じ列車で旅をしていると、数十年前の旅と現代の旅が二重に進行するようで楽しかった。「先生」は、いつでも暇でとぼけた性格の「ヒマラヤ山系君」などを道連れに、大阪へ行ったり、鹿児島へ行ったり、東北へ行ったりするのだが、旅中とくべつ何をするわけでもなく、列車で移動し宿に泊まりそしてすぐにまた列車に乗って家に帰ってくるというだけのことをする。他にしていることといえば酒を飲むか、薀蓄や屁理屈などをたれて周囲の人間を困らせることぐら

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著者の代表作である「…

著者の代表作である「阿房列車」シリーズから、傑作を集めたコンピレーションです。百閒初心者にはお勧め。

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列車が大好きな百閒先…

列車が大好きな百閒先生の珍道中。どうでもいいことに真面目に腹を立てたり相変わらずな面白さ。旅に出たくなること請け合い。

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内田先生ののらり電車…

内田先生ののらり電車旅日本中いろんな所に行ってます。先生の旅した土地に行くと時は、当時と比べてしまいます。

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用事が無くともただ目…

用事が無くともただ目的地に行くためにだけ列車に乗る。ものすごい論理で旅費さえも人から借りる百閒先生がすごい。

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2024/01/26

ただ列車に乗るのが好きな乗り鉄の内田百閒が後輩ヒマラヤ山系くんとのなんともないやり取りや、出るまでのうだうだした口上が何とも面白い。 平山三郎をヒマラヤ山系って名付けるセンスも好き。 ちくまの分量だと物足りなくなったので、初めから新潮文庫で集めたらいいと思いました。 私もひたすら...

ただ列車に乗るのが好きな乗り鉄の内田百閒が後輩ヒマラヤ山系くんとのなんともないやり取りや、出るまでのうだうだした口上が何とも面白い。 平山三郎をヒマラヤ山系って名付けるセンスも好き。 ちくまの分量だと物足りなくなったので、初めから新潮文庫で集めたらいいと思いました。 私もひたすら快速程度の速さの電車に乗ってのんびり旅に出たい。

Posted byブクログ

2019/05/03

最も好きな作家の最も好きな作品と言って良いと思う。 新潮文庫版で既読だが、ちくま文庫で再読(筑摩版は「阿房列車」全話が収められているわけではないが。) 百閒先生のユーモアが面白いのは、百鬼園先生の言動とその語りが、決して単にわがままや独善的な判断、突拍子もなさとか、そういうもの...

最も好きな作家の最も好きな作品と言って良いと思う。 新潮文庫版で既読だが、ちくま文庫で再読(筑摩版は「阿房列車」全話が収められているわけではないが。) 百閒先生のユーモアが面白いのは、百鬼園先生の言動とその語りが、決して単にわがままや独善的な判断、突拍子もなさとか、そういうものだけで成立しているわけではないからだと思う。そこには、先生独特の理論があり分析がある。わかったようで、やはりなんだか全然わからない論理があって、その思考に基づいた結果として、結局かなり独特なまたは一見わがままな行動をとることになる。 箱根や日光などの人気の観光地には一切行ってやるものか とか、旅行先の名物もあえて食べないとか、戦災を被った各地の様子や原爆ドームなどについても、記者から質問されたとしてもさらりとかわす。当然注目するべきところに注目せず、何ら政治的な要素も入れこまず、淡々と描かれるこの旅行記は、単に頑固親父が、道楽で好きなことをしてそれを描いているだけではないか、というだけでは説明できないと思う。こういう態度は、内田百閒がおそらく生涯を通して貫徹してきた態度で、本人としては奇をてらってもいないし、意図的でもないし、しかし単に怠惰によって通してきた態度でもないと思う。こうした態度は、私はとても面白いと感じるから、この作者が好きである。 時々はっとさせられる美しい描写や、狐や狸の類の不思議な挿話も入ってくる。文章も簡潔で無駄がない。 ただ、再読してみて批判があるとすれば、百鬼園先生は岡山の生まれだから、どうしても瀬戸内の白砂青松の明るい風景に惹かれるのは仕方ないとしても、仙山線等の紅葉の描写を除いては、いささか東日本(東北や雪国の地方)の車外の風景に厳しいように思う。ごつごつした無骨な山峰であっても、私にとっては太平洋より美しいと感じる。

Posted byブクログ

2018/09/25

長らく積読にしてあったが、まとまった時間がある折に、出掛けに鞄に入れてみた。 古い言葉遣い、初めて見る単語が満載なのに、軽妙で面白い。同行の山系氏の扱いがぞんざいなのに、愛が溢れてて、じんわりする。 目的地へ短時間で到着できるのはありがたいけれど、 なんちゃって乗鉄でお酒好きの...

長らく積読にしてあったが、まとまった時間がある折に、出掛けに鞄に入れてみた。 古い言葉遣い、初めて見る単語が満載なのに、軽妙で面白い。同行の山系氏の扱いがぞんざいなのに、愛が溢れてて、じんわりする。 目的地へ短時間で到着できるのはありがたいけれど、 なんちゃって乗鉄でお酒好きの身としては、イベント列車ではない、食堂車で内田百閒先生のように杯を重ねてみたかったな。

Posted byブクログ