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うたかた/サンクチュアリ の商品レビュー

3.9

211件のお客様レビュー

  1. 5つ

    52

  2. 4つ

    77

  3. 3つ

    56

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

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2024/03/02

何気ない会話のなかに、そのひとの心がみえる。 違う違う。額面どおりじゃない。 いろんなことを言っている。改めて考えてみると、とっても深いし面白いなあ。 74ページ 「私の髪の毛を百万回くらいさわってもいいよ。本当よ。」 人を好きになることは本当にかなしい。かなしさのあまり、そ...

何気ない会話のなかに、そのひとの心がみえる。 違う違う。額面どおりじゃない。 いろんなことを言っている。改めて考えてみると、とっても深いし面白いなあ。 74ページ 「私の髪の毛を百万回くらいさわってもいいよ。本当よ。」 人を好きになることは本当にかなしい。かなしさのあまり、その他のいろんな哀しいことまで知ってしまう。果てがない。嵐がいても淋しい。いなくてももっと淋しい。いつか別の恋をするかもしれないことも、ごはんを食べるのも、散歩するのみんなかなしい。 登場人物の人間関係がとてもよい。美しい。 苦しいけれど、だからこそ誰もが応援したくなることだろう。

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2024/02/24

いつもの作風とは少し変わったお話のように感じた。 二作どちらも、切っても切れない縁を描いているので、なんとなくさくらんぼのイメージが私の中である。

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2024/02/18

あとがきで作者が、「…失敗したというのが正直な気持ちです。…あんなに長い間少女漫画を読んでいろいろ勉強したのに、全然役立っていない…とちょっとがっかりしたが、いつか、何かで役立つ日が来るでしょう」って書いてるのを読んで、思わず笑ってしまった。 私は好きだったけどな。 『サンクチ...

あとがきで作者が、「…失敗したというのが正直な気持ちです。…あんなに長い間少女漫画を読んでいろいろ勉強したのに、全然役立っていない…とちょっとがっかりしたが、いつか、何かで役立つ日が来るでしょう」って書いてるのを読んで、思わず笑ってしまった。 私は好きだったけどな。 『サンクチュアリ』で、智明くんが夢を見て起きて混乱するところとか、馨さんのいろんな辛さとか、私もすごく身に覚えがあるんだけど、それが悲惨な感じでなく淡々と言語化されてることで、私の気持ちも一緒に整理されて、救われる感じがする。 吉本ばななさんの作品は、どれもそういう感じがあるから好きなんだろうなと、やっと気づいた気がする。

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2024/01/05

人生バランスがすべて 吉本ばななさんの思う"幸福"共感できる。ちっちゃいけれどキラキラしている幸福を大切にしていきたい

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2023/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文学的で美しい雰囲気があるのに、どこか深い切なさも感じられるような2作品でした。 しかし、そんな切なさもじんわりと暖かさに変わっていくような読後感に包まれます。 「うたかた」の外国生活に馴染めないところからどんどん壊れていってしまう母の様子にリアリティを感じて、自分までも追い詰められるような気持ちになりました。

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2023/09/18

中篇二篇。二篇ともに物語に大きなうねりはなく、静謐に進む中に秘めた強さが感じられる。 言葉がとてもきれいで、美しい景色に出逢ったような感覚。

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2023/07/25

図書館で書棚から選んだ本。 吉本ばななさんの作品は人気絶頂のころ、某文芸評論家が「小説の体をなしてない」とこき下ろしていて、それを読んで以来食わず嫌いしていた。 今回気まぐれで借りて、めでたく初読み。 「うたかた」が第99回、「サンクチュアリ」が第100回芥川賞候補作品。 芥川...

図書館で書棚から選んだ本。 吉本ばななさんの作品は人気絶頂のころ、某文芸評論家が「小説の体をなしてない」とこき下ろしていて、それを読んで以来食わず嫌いしていた。 今回気まぐれで借りて、めでたく初読み。 「うたかた」が第99回、「サンクチュアリ」が第100回芥川賞候補作品。 芥川賞候補2作品をカップリングという贅沢な形式で単行本出版するなんて、さすが昭和だな、と。 今はどんなうっすくても、芥川賞候補になれば1作品ずつ単行本にして売り出すものね。 ちなみに、この書籍は昭和63年発刊だから、昭和の最も終わり、バブル真っ只中の頃。 登場人物のセリフも時代を感じます。 リアルに感じないことを年月のせい(なんせ元号で いうと2つも前の時代だ)にできるので、今読むと小説としては十分成り立っているかな、と思う。 2作品ともつきあっているようなつきあっていない微妙な距離感の男女を描いたもの。恋の輝きと切なさに満たされた作品。 どことなく懐かしい気もして楽しめました。 ♪TRAIN-TRAIN/THE BLUE HEARTS(1988)

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2023/06/16

色々な家族や愛の形があると思った。主人公の父親はぶっきらぼうに見えて、ちゃんと母親のことを想っていた。主人公とその彼も、離れていてもしっかりと心が繋がっていた。家族それは奇跡なのだろう。

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2023/05/28

吉本ばななさんにとっては珍しい綺麗さのお話しだった。彼女のお話しで消えそうな人を繋ぎ止められるのは本当にまれなので、新鮮だった。

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2023/05/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

吉本ばななさんの作品にはいつも、私にとってハッとさせられる文章があります。 「私はずっと,彼を通して世界を見ていて、本当に、幸せだったのよ。」 の一文に私はとても惹かれました。 誰かといるのは、そういうことだなと思います。 心が静かに寂しく、穏やかになる作品でした。

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