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「わかる」とはどういうことか の商品レビュー

3.6

61件のお客様レビュー

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2019/10/13

新しい道を敷いてくれる本というよりは、道を丁寧にコンクリートで舗装してくれる感じの本。 わかっていることは運動に変換できるというのはよくわかる。フィギュアを造っていると、分かってないところがすぐ露わになる。そこを何か見たり調べたりしつつ頭で一生懸命考えないと、手で表現できない。そ...

新しい道を敷いてくれる本というよりは、道を丁寧にコンクリートで舗装してくれる感じの本。 わかっていることは運動に変換できるというのはよくわかる。フィギュアを造っていると、分かってないところがすぐ露わになる。そこを何か見たり調べたりしつつ頭で一生懸命考えないと、手で表現できない。それは一部の隙もなく対象を「わかっていく」快感を得るための工程なのだと思う。そこまで隙のない造形ができるわけではないけども、目指すのはそこだ。

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2019/06/02

山鳥重〈やまどり・あつし〉は神経内科医で高次脳機能障害研究の第一人者である。私は山田規畝子〈やまだ・きくこ〉の著書で知った。「わかったというのは感情」という指摘が鋭く胸に突き刺さる。山鳥は臨床で「わからなくなってしまった人々」(高次脳機能障害)を相手にしている。時計の針が読めない...

山鳥重〈やまどり・あつし〉は神経内科医で高次脳機能障害研究の第一人者である。私は山田規畝子〈やまだ・きくこ〉の著書で知った。「わかったというのは感情」という指摘が鋭く胸に突き刺さる。山鳥は臨床で「わからなくなってしまった人々」(高次脳機能障害)を相手にしている。時計の針が読めない、階段は見えているのだが昇りか下りかがわからない、靴の向きを間違えるなどが具体的な症状だ。わからなくなってしまった不思議を思えば、わかることもまた不思議なのである。 https://sessendo.blogspot.com/2019/05/blog-post_13.html

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2018/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

わかるということは当たり前に起きている出来事だけど それができるようになるためには それはそれはたくさんの段階が必要になること。 時には繰り返し、繰り返し行って 定着させることが必要になることが ままあります。 と、思うと人の理解というものは 長い時間をかけなければできないということ。 そして、きちんとそこに目的や 考えがなければ身につかないということ… 何気に恐ろしいこと言っていますよね。 この中には深い言葉が1つあります。 それはわかるということは理解できたものの、 それをおろかな手段に使い 後世にもさらし者になった人たちに対する 批判です。 分かりやすい集団ですけどね。 あの人たちは理解できても その理解の応用を間違えてしまったわけで。 結構哲学的かも。 でも言わんとすることはわかるはず。

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2018/11/12

高次機能障害を専門とする著者が脳科学の分野から「わかる」ということに迫った本。わかるということを素材、手かがり、土台という形で分類して基礎を作り、その上でいろいろなわかり方のパターンを提示した後、それが脳障害の事例を弾きながら、どのように分かっているのかを説明してくれる。いろいろ...

高次機能障害を専門とする著者が脳科学の分野から「わかる」ということに迫った本。わかるということを素材、手かがり、土台という形で分類して基礎を作り、その上でいろいろなわかり方のパターンを提示した後、それが脳障害の事例を弾きながら、どのように分かっているのかを説明してくれる。いろいろなわかり方のパターンが勉強になるとともに、脳障害についてある程度の知識が得られる本と思う。

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2018/11/04

普段何気なく分かったと感じていることは、過去の経験による記憶がつなぎ合わさって心像が生成されていること。何事も理解するにはそれなりの知識が必要

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2018/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『本当にわかったことは応用できます』とある。『うまくまとめられると、わかったという感情が生じる』し、『わかる』と『自分のもの』にすることができる。 ただ、それがむつかしい。著者は『訓練さえすれば、われわれの知覚はすごい弁別能力を発揮します』という。いくつかポイントがある。ひとつは『見当をつける』こと。『小さな状況の理解(小さな意味)はたいして重要でない』、『遠い距離から眺め、他の問題とのかかわりがどうなっているのか』など『全体像を掴む』ことだ。ただ、『あらかじめある程度の考えを持っていないと、見当をつけらない』とのことなので、『わからない場合はまず図を作ってみる』とよいとある。人は『表現しようとするもののイメージをはっきりさせておかないと、心の外へは持ち出せない』のだそうだ。 『わかる、というのは秩序を生む心の働き』なのだそうだ。『意味とは、とりもなおさず、わからないものをわかるようにする働き』、『わかりたいと思うのは心の根本的な傾向』、『情報収集とは、結局のところ秩序を生み出すための働き』・・・素直に向き合えということなのだろう。著者は『心の声』を聞けという。これは、ただ待つということではない。『前から眺め、横から眺め、上から眺め、下から眺め、回して眺め、落として眺めて…』によって『頭が解くのでなく、いわば身体が解いてくれる』とある。 もうひとつは『「違いがわかる」という能力が知覚の基本』という点だ。『わからないことがあるからこそ、わかったという事態も発生』する。『考えなければ、わからないまま』だ。『知識の網の目が出来ると、何がわかっていて、何がわかっていないのかがはっきりする』、『わかるの原点は後にも先にもまず、言葉の正確な意味理解』・・・『繰り返し繰り返し実際にやってみることでしか、蓄積出来ません』ということなので、意識してやってゆくしかない。 要約すると、『心の声が聞こえなければ、わかるも、わからないもない』かつ『ひとつの心像だけでわかるという経験は起こりません』ということを十分に理解しておかねばならないということだ。 『生きることは、自分の足で立ち、自分の足で歩くこと』、『社会で生きてゆく、自然の中で生きてゆく、というのはその時その時、新しい発見、新しい仮説を必要』とするが、『客観的事実を扱うには、普通の心の働きとは別の心の働きが必要』であるし、『われわれの思考の単位』は心像でしかない。また、『印象に残る心像が浮かんだとしても、たいていは次の瞬間には消えて』しまうし、これを『意志の力で注意を維持するのはなかなか大変』なことでもある。 『心は好奇心(おおまかな心の傾向)→注意(具体的な方向づけ)→知覚(正確な区別)の流れ』で働くものだから、『何事も、好きになることが大事』だそうだ。『意志の力で注意を維持するのはなかなか大変ですが、好きなことだと努力の感情なしに没頭』できるからだ。 心が落ち着かないというのは、わかっていないということなんだろう。心の声に素直に向き合い、大きな意味の違いがわかるように精進しないといけない。

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2018/09/02

分かるとは知識の網の目の作ること。という考え方は自分には無いもので新たな発見となった。分かるということに対して様々な角度から見解が述べられているが、各章は具体例が多く、目次だけ読めばある程度は内容を理解することができると思う。

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2018/05/11

知覚のもっとも重要な働きは、対象を区別すること。 違いがわかるという能力が、知覚の基本。 わかるとは分かつと書き、分かるの基礎は区別。

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2017/10/15

『わかる』とは脳の中に蓄積された心像と、外界からの刺激(音声、映像、臭いなど)が重ね合わさって意味を見出すことである。確かにこの説明はわかり易い。また大脳に障害が起こるとどうなるかの例も興味深かった。 ところが、これが『わかる』です、そして別の『わかる』があります、さらにはこんな...

『わかる』とは脳の中に蓄積された心像と、外界からの刺激(音声、映像、臭いなど)が重ね合わさって意味を見出すことである。確かにこの説明はわかり易い。また大脳に障害が起こるとどうなるかの例も興味深かった。 ところが、これが『わかる』です、そして別の『わかる』があります、さらにはこんな『わかる』も大事です、というように個々の『わかる』例を脈略なく羅列されても全体像や構造が見えなくて、ちっともわかった気にならない。 ある本で読んだのだが、人が納得する=わかる には『それって正しいの?』と『それだけなの?』という2つの疑問が腹落ちすることが必要条件だという。この本には後者の網羅感が決定的に不足している。

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2017/05/23

S141.51-チク-339 000354191 本書は、神経心理学の権威である山鳥重先生が書かれた一般書です。「わかる」について、日常の様々な例を挙げながらわかりやすく説明しています。ヒトの脳の働き(高次脳機能)について学ぶだけでなく、「わかる」の理解と通して指導法などにも応用...

S141.51-チク-339 000354191 本書は、神経心理学の権威である山鳥重先生が書かれた一般書です。「わかる」について、日常の様々な例を挙げながらわかりやすく説明しています。ヒトの脳の働き(高次脳機能)について学ぶだけでなく、「わかる」の理解と通して指導法などにも応用できる内容が多く含まれています。

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