1,800円以上の注文で送料無料

王妃の離婚 の商品レビュー

3.9

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/11/29

スカッとする読み心地で爽快でした。 西洋史について詳しくないので、ルイ12世とかシャルル8世とか言われても、歴史で習ったかも?…くらいの認識でしたが、全然問題なく読めました。むしろ丁寧に時代背景も説明してくれて興味深かったです。 本書は王と王妃の離婚裁判についてですが、そもそ...

スカッとする読み心地で爽快でした。 西洋史について詳しくないので、ルイ12世とかシャルル8世とか言われても、歴史で習ったかも?…くらいの認識でしたが、全然問題なく読めました。むしろ丁寧に時代背景も説明してくれて興味深かったです。 本書は王と王妃の離婚裁判についてですが、そもそも、キリスト教では離婚っていうのは許されていないんですよね。でも、どうしても結婚したけどうまくいかない…別れたい…ということはある。そこで登場するのが「結婚の無効取消」。つまり、はじめからなかったことにする、というもの。随分突飛な話だと最初は少し笑えましたが、離婚が許されない以上やむを得ないんでしょうね。 さて、王妃には伝説の弁護士がついて裁判を戦うわけですが、こんな話をリーガル・スリラーというようですね。私は弁が立たないので、言葉を巧みに操る人に憧れます。さすがは弁護士。ただ、言い負かせば勝ちというわけではないし、裁判に勝つことがすなわち依頼人の幸せに直結するかというと、必ずしもそうではないのが深いところですよね。 特に男と女の関係について、別れるにあたって「二人だけでは感情的になってしまう数々の問題を整理する」なんていう場合に裁判は有効かもしれないけど、第三者が別れないようにもっていく、なんてことが裁判でできたとしても、残念ながら上手くいく見込みは低いですよね。それでも、諦めきれない女性の気持ちがわかるから、それが切ない。 そして何より切ないのが、べリンダの話。強がりで奔放なべリンダ、すごく好きでした。「結婚」についても様々な形があって、結婚とは・・・というものについて考えさせられました。結婚を通して家族になるのも素敵だし、結婚をしないでずっと男と女の関係でいるのも潔い。どちらがいいというものではないけれど、大切な人とずっと一緒にいられたらそれはすごく幸せなことなんだろうなぁとしみじみ思いました。 どこまでがノンフィクションかわかりませんが、読み応えのある満足な1冊でした。

Posted byブクログ

2015/10/21

 佐藤賢一の第121回直木賞受賞作品。Eテレ「100分de名著(2013年2月)モンテクリスト伯」の指南役として登場したので、彼がどんな作品を書いているのか読んでみることにした。  著者の佐藤賢一氏は鶴岡市生まれ、東北大学で歴史学やフランス文学を研究し、大学院の博士課程を出てい...

 佐藤賢一の第121回直木賞受賞作品。Eテレ「100分de名著(2013年2月)モンテクリスト伯」の指南役として登場したので、彼がどんな作品を書いているのか読んでみることにした。  著者の佐藤賢一氏は鶴岡市生まれ、東北大学で歴史学やフランス文学を研究し、大学院の博士課程を出ているそうだ。だからこそフランス革命前後の社会情勢や人物に詳しいのだろう。  弁護士フランソワが請け負ったのは、フランス王ルイ十二世から離婚訴訟を起こされた正室のアンヌ・ド・フランスの弁護だった。それまでいい加減な弁護団で、全く不利だった裁判の行方を、だった一度の公判ですっかり形成を逆転してしまう。フランソワの快進撃が始まった。  これらにフランソワの若い頃の出来事や失態なども重なり、裁判の行方に影を落としていく。  筆者の西洋史や宗教史、ラテン語などの深い知識が作品にとても濃い味を付けていると思う。それを深く学んだ者だからこそ湧き上がってくるものがあるのだろう。フランソワが弁護を引き受けてからは一気に読んでしまった。サスペンス的雰囲気もあり、どんどん先を読ませる迫力があった。こういうのをリーガル・スリラーというらしいが、本当に面白かった。佐藤賢一の他の作品も読んでみたい。

Posted byブクログ

2015/10/13

◆◇◆国王夫妻の離婚裁判!◇◆◇ タイトルどおり離婚裁判を描いているのですが、他の作品の違うところは登場人物。 原告フランス国王ルイ12世!被告王妃ジャンヌ・ド・フランス! すごいですよね国王夫妻の離婚裁判って。当然、法廷も証人も弁護士も国王に付きます。それでも王妃は反論し...

◆◇◆国王夫妻の離婚裁判!◇◆◇ タイトルどおり離婚裁判を描いているのですが、他の作品の違うところは登場人物。 原告フランス国王ルイ12世!被告王妃ジャンヌ・ド・フランス! すごいですよね国王夫妻の離婚裁判って。当然、法廷も証人も弁護士も国王に付きます。それでも王妃は反論し続けます。 誰もが王妃の敗訴を確信した時、現れたのが学生時代パリの伝説とされた弁護士フランソワ。次々と繰り出す弁論であっという間に形勢をひっくり返し、とうとう国王ルイ12世を法廷へ引きずり出します…。 面白そうでしょ?それぞれの思いが交差しながら物語は最終法廷へ向かっていきます。 当時の人々の様子をいきいきと描いていて、まるでその世界に入り込んだよう…。個人的にはフランソワとかつての恋人ベリンダの甘くも切ない生活模様がとってもお気にいりです。 最後まで色んな展開が待っています。オススメ。

Posted byブクログ

2014/10/06

西洋歴史小説は初めて読んだので 背景などがなかなか把握できず、最初は斜め読み フランソワが王妃の弁護人になってからは とても面白く一気に読めました。 でも「処女検査」とか「男根検査」とか 今の時代ならありえない裁判内容だ・・・。 読み終わってみると、すっきりしていい本だったと思え...

西洋歴史小説は初めて読んだので 背景などがなかなか把握できず、最初は斜め読み フランソワが王妃の弁護人になってからは とても面白く一気に読めました。 でも「処女検査」とか「男根検査」とか 今の時代ならありえない裁判内容だ・・・。 読み終わってみると、すっきりしていい本だったと思えます 読み飛ばしたところ、再読したくなりました。

Posted byブクログ

2014/07/09

シビれた。漢だねー。 漢の生き様を見せつけてくれた。 最初は糞つまんなくて、 もー読むの止めちゃおっかなーと何度も思った。 しかーし、弁護にまわったあたりから 面白くて面白くて一気読み。 そして、最後の流れは悲しくもあるが、 爽やかな気分にさせてくれるから超オススメ。

Posted byブクログ

2013/11/25

テンポのいい展開と、登場人物全員がわかりやすいキャラクターなのとで、漫画とかテレビドラマを思わせるような小説でした。 舞台は15世紀フランス。まだまだ中世の色が濃厚で、人々の暮らしや考え方、王侯貴族のファッションにも、重さ・陰鬱さ・野蛮さがある。離婚裁判も、キリスト教がベースだ...

テンポのいい展開と、登場人物全員がわかりやすいキャラクターなのとで、漫画とかテレビドラマを思わせるような小説でした。 舞台は15世紀フランス。まだまだ中世の色が濃厚で、人々の暮らしや考え方、王侯貴族のファッションにも、重さ・陰鬱さ・野蛮さがある。離婚裁判も、キリスト教がベースだったり。そのあたりに興味があれば、より楽しめるかと。

Posted byブクログ

2013/05/22

佐藤賢一さんという作家の名前は知っていたが未読だった。しかしそれはとてももったいない事だった。決して取っ付き良いとは言えない西洋史を扱いながら、でも興奮のリーガルエンタテインメント。ただのお白州ではなく、フランス王家の御家騒動。他の作品も読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2013/05/09

20130509読了。 作者、作品ともに全く予備知識なく、裏表紙だけの情報だけで読み始めたのですが・・・。 法廷物だということでもう少し重厚さのある作品を期待していたのですが、えらく世俗的で、えっ、離婚裁判の争点はそこ!?とかなり衝撃でした。 もう一度読むか、と言ったら、それは...

20130509読了。 作者、作品ともに全く予備知識なく、裏表紙だけの情報だけで読み始めたのですが・・・。 法廷物だということでもう少し重厚さのある作品を期待していたのですが、えらく世俗的で、えっ、離婚裁判の争点はそこ!?とかなり衝撃でした。 もう一度読むか、と言ったら、それはないな。

Posted byブクログ

2013/05/06

121回 1999年(平成11)上直木賞受賞作。15世紀フランスの法廷小説。戦略的な離婚を申し立てられた王妃につく弁護士の話。よくぞこのような小説設定を思いついたものだと感心した。おもしろい、おすすめ。次はコミック化されている『傭兵ピエール』を読もうかな。

Posted byブクログ

2013/12/27

1498年のフランスを舞台に王のルイ12世と王妃ジャンヌの裁判劇を、ジャンヌの顧問弁護士となるフランソワの活躍から描いた小説。 西洋史については全くの知識ゼロで、『ルイ』という名詞意外に思い当たるものがない状態で読み始めたのですが、それにもかかわらずとても楽しんで読むことができ...

1498年のフランスを舞台に王のルイ12世と王妃ジャンヌの裁判劇を、ジャンヌの顧問弁護士となるフランソワの活躍から描いた小説。 西洋史については全くの知識ゼロで、『ルイ』という名詞意外に思い当たるものがない状態で読み始めたのですが、それにもかかわらずとても楽しんで読むことができました。 当時の法律についての議論も面白いのですが、フランソワが王妃の弁護を始めてから、その面白さに拍車がかかった感じがします。 この裁判で一番の争点となるのはズバリ、セックスがあったかどうか! これを公開裁判で争うわけで、フランソワがいかに聴衆を味方につけて検事をやり込めるかが楽しみの一つのわけですが、聴衆のヤジの下品さといったら(笑) 不利な状況からの逆転劇も楽しみの一つですが、権力に屈しないフランソワの姿や、大衆の好奇の目に晒されながらも凛とした強さを失わない王妃ジャンヌの姿、男気のあるオーエンなど生き様や立ち振る舞いのかっこいいキャラがたくさんいたのも読んでいてすがすがしい。 そしてこの本のもう一つのテーマが「結婚とは」ということ。この本が示した一つの回答は、考えたことのないものでもあったのですが、なるほどと思わず納得もしてしまいました。 第121回直木賞

Posted byブクログ