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傾いた世界 の商品レビュー

3.8

30件のお客様レビュー

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どれも粒ぞろいだが、…

どれも粒ぞろいだが、表題作「傾いた世界」がやはり一番の傑作。女性蔑視だとの批判は簡単だが、そこに目をつぶれば、男性女性とわず、傾いた世界に合わせて世界は傾いていないと主張する人は多いのでは? あなたは、どちらでしょう?

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著者得意のブラックな…

著者得意のブラックなユーモアが溢れる作品が並ぶ。表題作の「傾いた世界」や立てこもり事件を扱った「毟りあい」がよかった。

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傑作集2。傾いた世界…

傑作集2。傾いた世界は筒井さんらしくて面白かった。

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2024/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

7/14読了(図書館で借りた)。 関節話法(関節、で、話すとは?)、最悪の接触(言葉が通じるのに意思疎通できないもどかしさ)が特に好き。時代なのか女に対しての考え方が鼻につくところがあり、モヤモヤしてしまう。そういう描写がない話は素直に面白く読めた。

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2022/06/13

表題作ほか全7編を収録した、作者らしさ全開のブラックでドタバタな短編集。 野田秀樹脚本、演出の『THE Bee』の舞台を観た。 阿部サダヲ、長澤まさみなど出演者は4人だけ。残酷と狂気とが加速していく息もつかせぬ展開に圧倒され、度肝を抜かれたのだが、その原作が筒井康隆の「毟りあい...

表題作ほか全7編を収録した、作者らしさ全開のブラックでドタバタな短編集。 野田秀樹脚本、演出の『THE Bee』の舞台を観た。 阿部サダヲ、長澤まさみなど出演者は4人だけ。残酷と狂気とが加速していく息もつかせぬ展開に圧倒され、度肝を抜かれたのだが、その原作が筒井康隆の「毟りあい」だった。 ぜひとも小説のほうもと手に取ったのだが、筒井康隆の作品に触れたのは何年ぶりだろう。突拍子もないバカバカしさに脱力したり、狂った世界に突き落とされたりと、果てしなく翻弄される感じが魅力だと改めて痛感した。

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2021/04/30

筒井康隆さんの短編集。 半分くらいがSFで、皮肉っぽい。お話は、星新一さんに似たイメージだけども、あまりにバットエンド。皮肉色強め。全体的に悲しいというか虚しい気持ちになる作品群かしら。 人の名づけかたに遊びがあってそういうところはコミカルで楽しいけれど、その上でだれが誰だかわか...

筒井康隆さんの短編集。 半分くらいがSFで、皮肉っぽい。お話は、星新一さんに似たイメージだけども、あまりにバットエンド。皮肉色強め。全体的に悲しいというか虚しい気持ちになる作品群かしら。 人の名づけかたに遊びがあってそういうところはコミカルで楽しいけれど、その上でだれが誰だかわからなくなる瞬間などある。どたばたとしている。 読んでいて楽しかったけれどわたしはなかなか苦手意識…と思った。

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2020/09/23

著者自選のドタバタ短編集。その2。 ______________ 一番最初の『関節話法』が最も読みやすくわかりやすい。表題作はこれでよく金を取ろうと思ったなと感じるほどの代物。読むのが大変苦痛だった。他のものもたいして面白くない。というか、登場人物のネーミングセンスが生理的に...

著者自選のドタバタ短編集。その2。 ______________ 一番最初の『関節話法』が最も読みやすくわかりやすい。表題作はこれでよく金を取ろうと思ったなと感じるほどの代物。読むのが大変苦痛だった。他のものもたいして面白くない。というか、登場人物のネーミングセンスが生理的に無理。SF系の話はSF御三家の星新一を彷彿とさせる。

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2020/05/26

自選ドタバタ傑作集第1弾「最後の喫煙者」に続き連続でその2弾「傾いた世界」を読んだ。この2つの作品を読んで、自分が筒井康隆が織り成す世界観をただひたすら愛していることに気づいた。上手く言語化は出来ないのだけど、シリアスでありシュールでありかつ現代社会の風刺であったりする作風がドタ...

自選ドタバタ傑作集第1弾「最後の喫煙者」に続き連続でその2弾「傾いた世界」を読んだ。この2つの作品を読んで、自分が筒井康隆が織り成す世界観をただひたすら愛していることに気づいた。上手く言語化は出来ないのだけど、シリアスでありシュールでありかつ現代社会の風刺であったりする作風がドタバタと自分の内面を掻き乱していくことに面白さや快感を感じる。今回の短編集では「最悪の接触」が特に良かった。自分の生涯をかけて筒井康隆の全集を読破したいなと思う。

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2019/05/28

スラップスティックな作風の、筒井康隆自選短編集。自選というだけあって、収録されている短篇はどれもクオリティが高く、読みやすいため筒井康隆入門としてベストの一冊であると断言できる。 「間接話法」 関節を鳴らす言語コミュニケーションをとる異星人という一発ギャグのようなネタなのだが、...

スラップスティックな作風の、筒井康隆自選短編集。自選というだけあって、収録されている短篇はどれもクオリティが高く、読みやすいため筒井康隆入門としてベストの一冊であると断言できる。 「間接話法」 関節を鳴らす言語コミュニケーションをとる異星人という一発ギャグのようなネタなのだが、関節が鳴らなくなり、言葉が次第に滅茶苦茶になっていくときう状況描写のおかしみもさることながら、それらの身振りの大仰さと文章のリズム感の噛み合いが素晴らしい。オチも含めて上質な落語を読んだような気分になる。 「傾いた世界」 人口都市がまるごと傾くという文字通りのドタバタである。過激なフェミへの揶揄と嫌悪に満ちているため人は選ぶものの、人口都市の土台がパチンコ玉というシチュは荒唐無稽で非常に印象に残る。 「のたくり大臣」 まともに読むと意味のわからない短篇なのだが、全てが夢だと考えれば辻褄は合う。オチの文字通りきつねに化かされたような独特の読後感があり、半覚醒の時のあやふやな世界の再現度は見ものである。 「五郎八航空」 航空免許のない、百姓のおかみさんが運転する飛行機という恐怖。のんきな農民と乗り合わせた編集者とカメラマンの悲鳴が交錯する。こういう立場も回想も違う人間を同一のシチュに落とし込んで観察する短編が筒井康隆は非常に上手い。ある種の品のなさがとてもいいスパイスとなって効いている。 「最悪の接触」は宇宙人は地球人と精神構造がまるで違うという当たり前の事実を、共通の言語を通して浮かび上がらせた傑作の一つ。一貫性や理由を探そうと尽力し、分析するという姿勢そのものが地球人の価値観に囚われている。言葉が通じることが共通の理解の何の助けにもならないという皮肉さもいい。 「毟りあい」 収録された短編の中ではこれが一番面白かった。立てこもりの犯人の家族の家に、被害者の男が逆に立てこもって張り合いがエスカレートしていくという、まさに衝撃の展開である。被害者でいる適性がないという着眼点も面白く、加害者になったほうが得だという社会への冷笑が過激な描写に現れている。グロさやエグさも一級品で強烈なフィニッシングストロークが後味の悪さとなって印象に残る。シンプルなテーマながら、短篇としての完成度は非常に高い。 「空飛ぶ表具屋」 江戸時代にグライダー飛行をした人間の伝承を筒井流にアレンジした短篇。相変わらず虚構と伝承の境目が分からない筒井節が心地よく、夢を追う時代物の短篇としても楽しめる。時折挟まれる飛行機事故は陰惨の一語に尽きるが、それらを通すことにより、人間が空を飛ぶことの本質へと迫っている。「死んでもいいから空を飛びたいと強く望む人間だけが空を飛ぶ権利を持つ」は重い言葉で、だからこそ人類の夢であり続けるのだろう。 総じてクオリティが高く、どの短篇も物語の導入部分に一切のムダがないのが個人的に凄いと思った。「関節話法」と「毟りあい」の書き出しのテンポの良さは音読したいレベル。没入感もそうだが、軽妙洒脱な語り口に乗せられてしまうのだ。筒井康隆らしさが存分に味わえる短編集である。

Posted byブクログ

2019/05/21

関節話法 傾いた世界 のたくり大臣 五郎八航空 最悪の接触 毟りあい 空飛ぶ表具屋 昭和47年から平成元年ころまでの作品 ちょっと古い感じがするものも、そうでないものもある。 面白いが、若者向けの感じが否めない。

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