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コリアンサッカーブルース の商品レビュー

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2016/10/23

藤井誠二さんの問題意識に大変深く共感しています。在日コリアンとして在日についてもっと知りたいと思いこの作品を読みましたが、知らないことがたくさんあった。色んな在日がいる。朝鮮学校を出て、蹴球団に入り、そこからJリーグへ行く人。ずっと日本の教育機関で学び、Jリーグへ入る人。だからこ...

藤井誠二さんの問題意識に大変深く共感しています。在日コリアンとして在日についてもっと知りたいと思いこの作品を読みましたが、知らないことがたくさんあった。色んな在日がいる。朝鮮学校を出て、蹴球団に入り、そこからJリーグへ行く人。ずっと日本の教育機関で学び、Jリーグへ入る人。だからこそ、「在日」といっても、ひとくくりにしてはいけない。それぞれの考え方、思想、生き方がある。どれも否定できない。一番いけないのは、自分が何者だかを答えられないことだ。 アメリカの日系アメリカ人のように、この日本で在日ではなく「朝鮮系日本人」という認識を多くの人が持つには、日本人だけでなく、多くの在日コリアンがもっともっと学ばなくてはならない。 本書に出てくる元Jリーガーのチョキジェさんは、両親が韓国人であることと、自分の名前だけが、在日であることの「証明」と言う。そして、多くの朝鮮学校に通う在日と違って、日本人に負けたくないという感情はない、と言った。印象深かった。妹たちは朝鮮学校に通ったが、彼は通っていない。 そう考えると、朝鮮学校に通った在日は、そんな学校に入ったが故に、こじらせている問題も大いにあるだろうと推測される。 それともう一つ。朝鮮半島は、韓国併合前にも、だいぶ日本の影響を受けていて、この150年くらいは、日本の影響をもろに受けていると言えるだろう。そんな中、唯一自分らの主張ができたものが現・朝鮮民主主義共和国と現・大韓民国の国技としているサッカーだ。 著者の藤井誠二さんは、それを黒人のブルースと重ねる。コリアンサッカーブルースですか。 サッカーから読み解く在日問題。これは面白い。力道山や美空ひばり、和田アキ子といった芸能界での在日や元在日の活躍とはまた違うものが見える。サッカーは政治や宗教、民族に干渉されない。そういうスポーツのいいところを私はスポーツマンとして感じ取った。 2016.10.23.

Posted byブクログ