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翔ぶが如く 新装版(九) の商品レビュー

3.6

36件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2015/12/03

激戦を極めた田原坂の戦いも終わり政府軍の圧倒的物量によって、薩摩軍の先行きも暗くなってきた。 西郷その人の心境も気になるところであるが、桐野利秋の心持ちは如何であっただろうか。 維新に大功ある薩摩旧士族達がこれだけ固陋な思想以外は受け入れずに西南戦争を戦っていたことが驚きである。...

激戦を極めた田原坂の戦いも終わり政府軍の圧倒的物量によって、薩摩軍の先行きも暗くなってきた。 西郷その人の心境も気になるところであるが、桐野利秋の心持ちは如何であっただろうか。 維新に大功ある薩摩旧士族達がこれだけ固陋な思想以外は受け入れずに西南戦争を戦っていたことが驚きである。 維新は成し遂げたが、彼らの中では旧幕時代の薩摩の気色が尊ばれていたのだろう。 薩摩の中でも開明を良しとした者達も、この頃には負けると分かって薩摩武士として戦う以外になかったのだろうか。

Posted byブクログ

2015/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

西南戦争も佳境に入った。会津の山川浩や佐川官兵衛がでてきてテンションUP↑UP↑↑ 西南戦争は戊辰の復讐戦だぁ!  ちょいちょい日露戦争に繋がる情報が出てくるところが司馬遼太郎。歴史の繋がりを感じる。だから明治維新は面白い。  さらに、この頃の間違いが繰り返されているなぁと良く感じる。  太平洋戦争はまさに同じ様相である。兵士の勇猛さに頼っただけの戦略。戦略じゃねぇ。でもこういうセンセーショナルなことの方が人々のハートをキャッチしちゃうんだなぁ。  次巻、最終巻。長かった…。たのしみ、たのしみ。  

Posted byブクログ

2015/01/24

西南戦争における最大の激戦となった田原坂の戦いから、黒田清隆が鹿児島に入ることで政府軍が攻勢に転じ、敗れた西郷たちが潰走するまでが描かれます。 著者はことさらに、桐野利秋らの暴挙に担がれることになった西郷の心情に迫ろうとしているわけでもないのですが、無謀な戦いに挑んだ薩軍の敗色...

西南戦争における最大の激戦となった田原坂の戦いから、黒田清隆が鹿児島に入ることで政府軍が攻勢に転じ、敗れた西郷たちが潰走するまでが描かれます。 著者はことさらに、桐野利秋らの暴挙に担がれることになった西郷の心情に迫ろうとしているわけでもないのですが、無謀な戦いに挑んだ薩軍の敗色が濃くなるにつれて、しだいにやるせない気持ちになってしまいます。

Posted byブクログ

2014/09/26

薩軍熊本退却 この頃の軍人は降伏すると、敵側に付き働くと言う日本古来の合戦の習慣の様なものがあった。駒をとればその駒を使う将棋のルールに似ている。その後、日露戦争の時も捕虜になった日本兵が簡単にロシア側に寝返ることもあり日本軍の弱点として意識され続けた。この事が捕虜になることを...

薩軍熊本退却 この頃の軍人は降伏すると、敵側に付き働くと言う日本古来の合戦の習慣の様なものがあった。駒をとればその駒を使う将棋のルールに似ている。その後、日露戦争の時も捕虜になった日本兵が簡単にロシア側に寝返ることもあり日本軍の弱点として意識され続けた。この事が捕虜になることを極度に卑しめる教育をするもととなった。

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2014/02/22

読むスピードがぐんぐん上がってきた。前半など、1ヶ月近くかかった巻もあったのに。 いよいよラスト2巻、クライマックスに近づいてくる。有名な田原坂の戦いも事細かに描かれている。 私にとって嬉しいのは、佐川官兵衛や山川浩(大蔵)など今年の大河ドラマ「八重の桜」にて主要人物だった元...

読むスピードがぐんぐん上がってきた。前半など、1ヶ月近くかかった巻もあったのに。 いよいよラスト2巻、クライマックスに近づいてくる。有名な田原坂の戦いも事細かに描かれている。 私にとって嬉しいのは、佐川官兵衛や山川浩(大蔵)など今年の大河ドラマ「八重の桜」にて主要人物だった元会津藩士がしっかりと取り上げられていることである。もちろん、政府側。薩摩と会津は幕末期に血みどろの因縁があり、その怨恨を政府側は上手に利用するのである。佐川や山川にとっては憎き薩摩であり、戊辰戦争での恨みを晴らさんと意気込む。 残念ながら佐川はこの西南戦争で戦死するのだが、大河ドラマでも中村獅童が凄絶な演技を見せてくれていた。また、山川は玉山鉄二がクレバーな雰囲気をぷんぷん醸し出しており格好良かった。 また、山川浩の実弟である山川健次郎が第5巻に引き続き登場。会津藩出身者に人望があるということで、岩倉具視から「陸軍少佐になって会津で兵を募り、薩摩征伐に行って欲しい」と依頼されて断ったというエピソード。「八重の桜」ではそんなものはなかったと思うが。 このように、「八重の桜」のお陰で、一般的にはイメージしづらい会津藩士をしっかりと頭に思い描くことができたのだ。ドラマと書の相乗効果っているのはそんなところなのだろう。 本作品で一つ注文を付けさせていただくならば、元新選組の斎藤一が登場しないという点。彼は「八重の桜」では新選組全盛期の京都時代、助っ人としての会津若松城籠城戦、そして会津藩出身者であり新島八重の幼なじみでもある高木時尾と結婚と、ドラマ内において重要な役どころが与えられていたが、彼もまた、西南戦争に従軍して打倒薩摩の想いを晴らしているのだ。ラストの10巻で出てくるのかな…。ちょっと望み薄である。佐川や山川繋がりで登場してこなかったのだから。 あらら、いつの間にか、「翔ぶが如く」の感想というより、「八重の桜」の感想になってしまっている。今年は仕方ないか(笑)。

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2014/01/26

薩摩軍撤退。西郷が立ち上がる。ラストサムライの最後の戦いシーンが思い浮かぶ。武士であり続けるのはかっこいいが、時代の変化に着いていけなかったとも言える。 西郷はどうありたかったのか。真相は不明だが、隠居して後は大久保に任せたかったのでは。しかし、周囲に担がれてしまった。勝ったと...

薩摩軍撤退。西郷が立ち上がる。ラストサムライの最後の戦いシーンが思い浮かぶ。武士であり続けるのはかっこいいが、時代の変化に着いていけなかったとも言える。 西郷はどうありたかったのか。真相は不明だが、隠居して後は大久保に任せたかったのでは。しかし、周囲に担がれてしまった。勝ったとしても、今後の日本をどうしたいとの構想もなく、時代に求められた負けだった。

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2014/01/02

激戦「田原坂」!もはや戦争ルポと化してきた。 補給についての考えがない辺りが第二次世界大戦を髣髴させる。

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2013/12/10

うさぎが罠に飛び込むように 熊本城にひっかかってしまった薩軍 最終ページの地図と見比べながら読む 話がどんどん動くので飽きない 大軍を擁しながら、持ち前の慎重居士の山県有朋 勇猛な薩摩兵を率いるが補給を軽視する桐野利秋 ともに戦術はまあ分かるが、戦略はダメ 田原坂で正面から...

うさぎが罠に飛び込むように 熊本城にひっかかってしまった薩軍 最終ページの地図と見比べながら読む 話がどんどん動くので飽きない 大軍を擁しながら、持ち前の慎重居士の山県有朋 勇猛な薩摩兵を率いるが補給を軽視する桐野利秋 ともに戦術はまあ分かるが、戦略はダメ 田原坂で正面から四つに組み膠着戦に 結局、黒田清隆らが別働隊を熊本南部に船で上陸させて 戦局が動く 薩軍は熊本を捨てて日吉へ、さらに宮崎へ 山川浩と谷干城の話はちょっといい。 スナイドル銃(政府軍)の優秀さが勝敗に影響した。 そもそもが薩軍が幕末に導入していたのだが 西南戦争前に搬出されてしまい、先込め式の銃で戦う羽目になったようだ。 このスナイドル銃、エンフィールド銃の後部を切り落として カッパと開く部品をつけて、薬莢式の弾丸を撃てるようにしたもの。 乱暴だけど実用的な改造だなぁ。 降伏部隊は敵方に徹底協力する 日露戦争でも敵方にぺらぺら自軍の配置をしゃべった 昭和陸軍が捕虜になるくらいなら死ね、という教育になった一因 さあ、残るはあと1冊。長かった。 そりゃそうと、唯一架空の登場人物 士族の娘=大家はどうなったんでしょう? 最初から出さなきゃいいのに --------------------------------------------------- 13 大政奉還、裏技に西郷激怒。龍馬暗殺に桐野関与の噂が広がる元に 15 土佐、多弁で策多い。小藩だから 24 土佐藩作成の暗殺予定名簿。大隈、伊藤も。金がなくて大阪に行けず 27 陸奥の逮捕。大久保の暗殺後に上記計画の証拠書類が大久保の内務省自室で見つかる 81 西郷牛肉好き。牛肉の佃煮、戦場での携帯食品にする 122 西郷、私欲ない。人望欲があった。人に担がれ道誤った。大山巌 136 田原坂、政府軍の唄 142 板垣、伊地知、西郷の敗退予見、熊本城はうさぎの罠 154 日本初の従軍記者に抜刀隊(旧会津藩士らで構成)の突撃見せる 158 政府軍、銃弾薬捨てて逃げる逃げる 164 公家の奥にいじめられる。高島鞆之助 215 薩人、議論不得手。直感に従い行動はやい 236 西郷、逃がしてやろうとした?黒田と川村純義の密談 243 混和水、焼酎入りの水。熊本城から強行脱出 256 西郷と桐野の不和 290 西郷の若いもの可愛がり。最後は逸見や別府に。 293 山県の後方感覚、豊臣秀吉に近い。補給や兵員補充 311 熊本共同体、幹部は公選。敗亡の終局時に脱退認め金も与える 319 降伏部隊は敵方に参加して、元の味方を攻める

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2013/08/25

明治維新直後の不安定な時代を描いている。 征韓論から西南戦争にいたる5年間が舞台。 西郷隆盛を始め多数の人物のエピソードと緻密な時代考証にその時代を知る思い。

Posted byブクログ

2013/02/09

西南戦争最大の攻防戦ー田原坂を経て、政府軍の反撃により熊本より敗走する薩摩軍。世界史的に見ても類の無い激戦となった内戦をノンフィクションのように描き出す。農民を徴兵した明治政府軍の物量戦に敗れる旧士族。武士の時代の終焉。

Posted byブクログ